第23話 みんなで掴む『勝利』
戦闘開始してから、20分が経過しようとしていた。敵の攻撃パターンは殆ど見えてきたため、未だにリタイアはゼロ。
前線ではイクサスが指示を飛ばし、後方ではセレネさんの指揮の元、回復と援護が飛んでくる。
誰もが行けると確信を持ち始めた頃、ついにドラゴンのHPがある一定の量をきり、行動パターンが変化した。
ドラゴンが尻尾を体に巻きつけるかのようにし、翼もその全身を包み込むかのように折り畳む、その行動にイクサスが全員に警戒を促した瞬間、
竜巻が発生する。
いや、竜巻と言うほどではない、ただの横吹の強い風圧。けれど、それは私たちの動きを止めるのには十分で......
「きゃあ!」
尻尾を思い切り、振り回したことによる衝撃波と風圧で私が吹き飛ばされる。
それでこのダメージなら、より近くにいた人は、と見てみると、飛ばされた一人のプレイヤーがポリゴンとなり爆散するのが見える。
ドラゴンが放つ理不尽な攻撃による一撃死、それは私たちの心に大きな絶望を残した。
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正直、見通しが甘かったと言うほかない。
まさかここまでとは思わなかった。
それがイクサスの正直な感想である。
彼は現在、ドラゴンの近くでどんどん斬ってはいるが、どの攻撃も自分のHPを一撃で飛ばすと言うのだから、かなり神経を使う。
さらに、変わったドラゴンの攻撃パターンはかなり読みづらい。
だが、彼はそんな中でも、あることを発見する。それはたまたま連撃の一部がその箇所に当たっただけだったが、たしかに見たのだ。自分の『弱点特攻』スキルが、その胸元にある傷跡を攻撃した時に、発動したのを。
つまり、あそこが弱点。
イクサスは自分の信頼できるメンバーにこの情報を伝え、一気に勝負をかけることに決めた。
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「お嬢さん!次に奴がブレス攻撃を放った瞬間、俺についてきてくれ!」
「?了解です!」
イクサスさんが私に声をかけてきた。
一体なんだろうと思いながらも、攻撃を繰り返す。
まだ、『属性付与』以外を使っていないため、MPには余裕がある。
どこかで、一気に勝負をかける時に使うかとでも考えた瞬間に敵の息を大きく吸い込む動作、つまりブレスが来る。即座に危険地帯から、撤退し、イクサスさんについていく準備をする。
そして、ブレスが放たれた瞬間、イクサスさんがカウントを取った。
「2・1・GO!」
イクサスさんについていくのは私とセレネさんともう一人の斧使い。
未だブレスの炎のエフェクトが残る中を突っ切る。そして、イクサスさんが全員に、声をかける。
「胸元の傷が弱点だ!俺、セレネ、ヴァイン、お嬢の順に技を決め続ける。ここで勝負をかけるぞ!」
「了解!」
全員の声が重なり、4人がそれぞれの武器に様々な輝きを纏わせ、突撃する。
まずはイクサスの『ヴァリアブル・ゼロ・ラジエイション』が突き刺さり、7連撃のラストと殆ど被るように、セレネさんの魔法スキル熟練度1000ボーナス技、『レーヴァテイン・バースト』による紅い閃光がその箇所を焼く。
さらに、ヴァインと呼ばれた男が斧スキル熟練度800の『闘技』、『ドランツェ・ガルドス』の痛烈な一撃を叩き込む。
ここで、決めるしかない!
そう決意して、『疾風迅雷』と『剛力礼讃』を同時使用。更に両手に爆炎を纏いながら、私の今できること、二刀流スキル熟練度700ボーナス技、『スターライト・フォース・プロミネンス』を発動させる。
この技は、発動も遅いし、高威力の9連撃だが、連撃の間が大きすぎて、普通に使ったって二発ぐらいしか当たらない。けれど、みんなが叩き込んだ攻撃によって擬似スタン状態に入ってる今なら、当てられる。
「はああああああッッ!!!」
裂帛の気合いとともに、一撃目を加え、更に二撃目を加える。
三、四、五と加えたところで、ドラゴンのスタンが回復、けれど、逃しはしない。
自分の体の踏み込み、腰の回転などを使い、連撃の間を可能な限り小さく、より早くしていく。
そして、ラスト一撃を叩き込んだ。
しかし、
「まだ、倒れない!?」
そう、その巨体が体をポリゴンに変えることはなく、依然、私たちに立ちふさがる。
けれど、まだ私たちの攻撃は終わってない。
イクサスが叫ぶ。
「魔法部隊!俺たちごとやれ!」
瞬間、私とイクサス、ヴァインとセレネごといくつもの炎塊がドラゴンを焼き尽くすべく殺到した。
私のHPが急激な速度で減っていく、そして、ラスト数ドットを残したところで止まると、炎は消えて、未だ立ち尽くすドラゴンの姿が見えてくる。
再び、魔法部隊が魔法を唱えようとした瞬間、ドラゴンはその肢体をポリゴンの粒子へと爆散させた。
そして、大歓声が『始まりの庭』に響いた。
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私たちは東京に来ていた。
こうしてリアルの方で遊んでいると、今でもあのドラゴン戦のことを鮮明に思い出せる。まあ、まだ2日しか経ってないけど......
あのあと、私たちの最初の大陸は『レーゼス大陸』という名前であったことが判明、次の大陸は『グラーゼ大陸』だそうだ。
船を作るためのスキルを今はシルバたちが探しているらしいが、そろそろ見つけられそうらしい。
私は次の大陸を楽しみにしながら、今は東京のイベントと、四宮さんに会えることを喜ぼうと、お父さん達の背中に走ってついていった。
これで、一つ目の大陸の物語は終わります。
とはいえ、自分は構想ではここまでしか考えていなかったため、一度、この作品の筆を置かせていただきます。
次回作は、少し時間かかるかもしれません。
ステータスなどは私の活動報告の方で書かせて頂きたいと思います。




