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85. 隣国からの視察4_新製鉄工所の視察

<見学した新製鉄工所工程>

製鉄ライン、鋳造ライン、要素部品を加工するライン、木工ライン、セメント製造ライン、

ガラス加工ライン、工業機械を生産するライン、家庭機械を生産するライン、

建築部材を生産するライン

85. 隣国からの視察4_新製鉄工所の視察


翌朝、政府庁舎ビルの前に、すでに送迎バスと警備の車が止まっている。


朝食を終えたタチアナ女王とアリシア王女がホファーと警備随行員の案内で、

エントランスに出てくる。


「おはようございます。」


私国王とホファーがバスのコンパートメントまで案内する。


ホファー「まずは新製鉄工所に案内します。」


バスは出発し、東西街道を中央市場方面に進む。


朝の通勤時間帯で、6両の路面電車は満員状態。


ただ道路は、警察が一時的な封鎖を行っており、ゆっくりではあるが、

渋滞なく進むことができる。


タチアナ女王「私の国の警備随行員に聞いたのですが、彼らは昨日

インペリアルホテルに泊まったそうで、

これほど立派な宿泊施設はどこの国にもないと話していました。」


バスは東デパート駅前を通過する。


「こちらが東デパートです。後ほど案内します。」


アリシア王女「買い物できますの。」


「大丈夫です。」


やがて、中央市場の交差点を右折する。


右折して、3㎞位走ると株式市場と北医療院、冒険者ギルドの一角を通過する。


「こちらが、株式市場と北医療院ですが、後ほど案内します。」


そして、大教会を通り過ぎ、新製鉄工所に到着する。


シモーネとイリーナが出迎えている。

イリーナ「敷地が広いので、こちらの車に乗り換え案内します。」


女王と王女、ホファー、シモーネとイリーナ、私は8人乗りのカートに乗り換える。


イリーナ「まずは、製鉄ライン、鋳造ライン、木工ラインを案内します。」


イリーナ「新しい製品は、工業、家庭、建築等、いろいろな分野で使われていますが、

個々での工程は、これらの分野で使われる機器の要素部品を作る工程です。」


製鉄ラインでは、高層ビルの鉄骨、鉄板、ワイヤ等が作られている。


イリーナ「こちらで今作られているものは、高層ビルで使う部品となります。」


その後の鋳造エリアでは、車のモータ内部品、信号の柱材部品、

水力発電のタービンに使用する部品が作られている。


タチアナ女王「わが国では、金属加工といえば、剣などを作る設備はあるが、

ここまで大掛かりなものはない。」


隣の工程では金属プレス部品の試作中だ。


そして木工ライン。


「ここではベニヤ板や建物の化粧板、机やチェスト等の家具の元となる木材加工ラインです。」

まさに丸材を電動のこぎりで板材に加工するところと、接着剤によって、

合板されているところで車を止め、案内する。


タチアナ女王「我が国は職人がのこぎりで加工を行っているが、

この機械、魔法で動いているのでしょうか?」


「電気で動いております。雷の魔石を触った時、あのビリっとする感覚が電気で、

これで動かしています。」


アリシア王女「雷の魔石だけでは値段が高くて、

たくさんの物に使うことができないのではないでしょうか?」


「雷の魔石で、しばらく使っていると、ビリっとする感覚が徐々になくなっていき、

電気がなくなりますが、再度『充電』し、リサイクルすればいいのです。

電気は雷の魔石と魔力以外に、生み出す方法があり、

その機器で生み出した電力を使うのです。そうすれば、

何回でも雷の魔石は魔導士の魔力必要なく、使えます。」


次は、セメント製造ラインを案内する。


「こちらは自由自在に形を変えられる石の粉を作るラインです。」


「こちらで作られた石の粉に水と砂を混ぜると、固まり、石となるのです。」


「この材料と鉄骨などを使い、高層ビルを建てております。」


タチアナ女王「城壁などを作るとき、重い石を調達してきて加工したのち、

積み上げているので、建設費が高くなっていたが、

これだと建築のコストを下げられますね。わが国でも作れればいいのだが。」


ガラス加工ラインでも、量産に向いた板ガラスの作り方をしていて、

高層ビルの窓に多量に使える点で、

女王と王女はしきりに驚いている。


イリーナ「この先は最終製品を作るラインになります。」


工業機械ラインでは、フライスと旋盤が作られているところだった。


「こちらは、モータを使い、ドリルという刃で金属を削る機械ですね。

あと材料を回転させて、金属丸棒を加工する道具です。」


タチアナ女王「金属は叩いて加工するものと思っていましたのに、

この機械を使うと、いろいろなものができそうですね。」


家庭用機械ラインでは、電球と、電気コンロ、洗濯機、

そして家庭用ではないが、映写機とカメラをまさに製造中である。


イリーナ「こちらは家庭で使われる機械を作るラインです。昨夜の夜景の元となる部品です。

電気を流すと光る製品です。

あとは、電気を流すと熱くなり、かまどの代わりとなる電気コンロや、

リレー等の電気をコントロールする部品で衣服を自動で洗う機械です。

あとは、ボタンを押すだけで、自動的にその場面が絵として書かれる機械や、

動くものを記録、再生する機械もこちらで作られております。


「これは動画というものですが、今日の夜、実際に見てもらいます。」


タチアナ女王「?楽しみにしています。」

よく理解していないようだ。


あとは、建築部材を作るラインです。

鉄筋を固定するワイヤやボルト等が作られている。


隣の工場では、樹脂や化学薬品の合成を行う工場となっています。


一通り、工場見学を終えた。


タチアナ女王「理解できなかったものがほとんどですが、未だに私は信じられません。

なぜ短期間にこのようなものが作れるようになったのかと。」


正解は私の前世の記憶と脳内検索の能力ではあるが言えない。


「国民が協力すると何でもできるのですよ。」


アリシア王女「しかし、女性がこの工場を束ねているなんて、すごいですわ。 」


シモーネ「そんなことありませんわ。いろいろなものを作ってみたいという者が多く、

任せていたら、この様にいろんなものが出来上がった。ただそれだけのことですわ。」


イリーナ「父もここの所長を勤めていましたが、周りの人間が優秀だからです。」


見学を終え、タチアナ女王とアリシア王女はバスに乗り込み、新製鉄工所を後にした。

作者のうしねこです。

女王と王女は見るものすべてが新しく、興味と、

なぜこんな短期間で、このようにたくさんの新しいものが出てきたのか、

疑問の様です。

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