12.ジンギスカンパーティー
<ジンギスカンパーティー会場>
城門前の開けたところ
城門には会議場と執務室のテント、王やメンバーの居住用テント、炊事場と食堂のテント、噴水などあります。城は、あちこちひび割れが入り、いつ崩れるか、わからない状況ののため。
重い荷物を持ち、やっとの思いで城まで帰ってきた。
炊事場のテントに購入した材料を持っていき、下処理をクリスチーネコック長に依頼する。
材料は
羊肉6Kg
キャベツ3玉、
人参12本
ソーセージ2Kg
コカトリスの肉 5Kg
レモン2Kg
あのソース(照り焼きソース)
地震の被害を受け、非常時ではあるが、各自復興対策に奮闘するメンバーをねぎらう意味で、ジンギスカンを作ろうと思ったのだ。
羊肉を1口サイズに切り分ける。
コカトリスの肉も1口サイズに切り分ける。ほぼ鶏と同じ。
蛇のしっぽの部分はすでに切られ、胸肉や手羽先の肉とももの肉に精肉されたものを購入してきた。
1口サイズにした肉を 照り焼きソースに漬け込む。
そして、野菜は洗った後、キャベツもざく切りにし、人参は薄切りにする。
焼いた後、たれにつけるものとして、照り焼きソースにレモン汁を入れたものを準備する。
これら下準備にクリスチーネや数名のコックの手を借り、手伝ってもらった。
さて「鍋」であるが、壊れたタワーシールドを使用し、暖炉用の石炭を燃料にする。
ただ、いきなりは火がつかないので、裏山に生えている杉の枯れ葉と小枝を集める。
日が落ちて、以下のメンバーが集まってきた。
ディディエ王子
ハーヴェ内政大臣
アリドラ軍務大臣
プレボー医療衛生大臣
ヒシーニ建設大臣
トーステン財政大臣
ホファー外政大臣
サヴァリアント情報局長
クリスチーネコック長
シモーネ科学技術大臣
イリーナ製鉄工所所長
一緒に食材を運んでくれた護衛の兵士
そして、私国王。
「国王がこのようなねぎらいの会を開いていただけるとは。」
内政大臣が言う。
ヒシーニ建設大臣が、
「今後の復興財政の件で、頭を痛めていたのですが、陛下がこのような会を開いてくれるので、良い気分転換になりそうですぞ。」という。
サヴァリアント情報局長は黙々と食べるばかり。
トーステン財政大臣を見ると、野菜ばかり取っている。やはりエルフは肉をあまり食べないのか?
逆にアリドラ軍務大臣は肉しかとらない。野菜も食えよ、と思う。
「早く復興して、周辺諸国との輸出入量が増えてくれば、もう少しいろいろな食材が入手できるのに。」
ホファー外政大臣が言う。
クリスチーネコック長がうなずく。
プレボー医療衛生大臣が、
「この様な肉の食べ方、有りそうでなかった食べ方ですね。肉料理というと、肉の塊を焼いて、切り分けて食べる食べ方がほとんどですから。」という。
シモーネとイリーナもこのパーティーに合意した。
明日からシモーネの居室テントを城に準備し、暮らしてもらう予定だ。
イリーナもシモーネが誘ったらしい。
「今日はこのパーティーに参加してくれて、うれしく思う。地震からの復興という厳しい命題を果たさなければならない、中において、みんなの力を貸してほしい。これからもよろしく頼む。」
私は皆に向け、復興に向けての挨拶をした。
「この国の厳しい状況はみんなわかっています。父上が地震の後、変わられたのは、皆驚いていますが、父上に協力しようという気持ちは確かだと思います。」
王子が言う。
酒は無いパーティーだが、十分にパーティーは盛り上がり、みんな楽しんでもらえたようだ。
雲1つ無い星空の下、城門前の広場で、みんなの気持ちを確かめることはできたようだ。
作者のうしねこです。
今回は少し短めです。
何か大災害が発生して気持ちが落ち込んでいるとき、みんなでパーティーをし、一時期でも、つらい気持ちを忘れてもらうことも必要と思った国王でした。




