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山賊リーグへようこそ  作者: 十七夜
5:仲間たち
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元、美少女4

日本では、ボールを蹴り始めたばかりの子どもであっても、おそろいのユニフォームを身につけたり、コーチにプレーを教わっている光景の方があたりまえだ。

自由にたのしむことより、一日でも早く指導を受けることの方が、ずっと重要で価値があるみたいに……

翔は今日まで、それを疑問におもったこともなかった。


「強化で、代表は強くなったかもね。でも、それで人気が出て、スポンサーがついて、儲かるのは協会だけじゃない。強化がプレイヤーにもたらすのなんて、勝利至上主義の弊害ぐらいよ」


まくし立てる桃の頬は、いつの間にか薔薇色に染まっている。


「勝てないやつはいらないっていうの、サッカーは! ちがうでしょ? プレーするかどうかを選ぶのは、わたしたち。わたしたちの愛情はフットボールのもんであって、協会に捧げたもんじゃないわ!」


反・協会──

猿渡が口にしたときはよく分からなかったが、桃のことばにあるのはまさに反感だ。


「オジジは、そんな協会とは縁を断ち、地方におけるフットボールのあり方を模索して、山賊リーグという形をつくったの。走れなくても、コーチに教わったことがなくても、お金を出せなくっても、誰だってボールは蹴っていい──それが、オジジがこの国に広めたかった『サッカー』のすがたよ」


桃は、キュッ、とスカートごと両膝を抱く。

深いふかい息をついてから空を仰いだ桃を、翔は黙って見ていた。


「でもね、分かってんのよ。わたしたちだって、勝ちつづけていられたなら、あそこに行くことはなかった。ずっと、あたりまえの顔してサッカーをやってたってね」


桃の手が、つん、と翔の髪を引っぱる。


「もしも、あんたのその体と取り替えてくれんなら、わたしはここでプロになる。望だってそうおもってんのよ。だから、あんたをあっち側に引き込まないでくれって言ったんだわ」


翔はおどろいて桃を見つめた。


「え。そんなこと言ったの?」

「言ったじゃない。こいつは近い将来プロになる人間だーって。こんなところに来てたらその道をうかうか踏み外す、そんなのもったいないだろ、ってそういう意味でしょ」


またたくだけの翔を、桃はぷっ、と笑う。



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