3章 試練突入
いつかは「試練」を受ける者が現れるだろう。
普通の人ならば入口に立って終わるだろう。
努力してこれる場所じゃない。最初から力を持っている者だけなのだ。
入り口をくぐることは凄いのだ。
第2の地球を見つけたくらい。
だが……その全員がクリアできる訳でわない。
力にうぬぼれている者は絶対にクリアできない。
クリア出来る者は、力のさらなる向上を目指し、
見えない、見られないところで努力しているのだ。
今は決して見られないが。
試練には努力が付き物なのだ……。
実は誰も知らない話……より
砂漠のど真ん中。エイルンの試練の辺り。
試練の入り口、場所など普段誰も見る事が出来ない。もちろん試練を受けるものが現れ
れば別ではあるが。入り口を出現させることは一応誰でもできる。だが、1度ゲートが
現れたら、もう後戻りできないと言われている。ここに転がっている白骨化した者もそ
の証拠なのだろう。中途半端な気持ちでは挑めない。
試練の解放方法。「神に誓う」正直ばかばかしい。
「俺の名は一之瀬 快斗。」
「私はエリシア。」
「「適合者の試練を受けに来た」」
すると、地響きとともに砂がゆっくりと捌け始めた。現れたのは魔法陣のような模様が
描かれた円状の石床、大きさはピッチャーマウンドぐらいか。そこには事務用ロッカー
ぐらいの大きさの柱も……石版とゆうのが正解か? そこには
『挑戦者よ。ようこそ、試練へ。ここに来るということは「相応しい」力を持つという
ことだ。さあ、適合者よ。【テヘラン】の試練をクリアするがよい。』
読み終わるのと同時に、紫色の魔法陣から出た白い光に呑み込まれた。
俺の気のせいか……。あのメッセージにはテヘランって書いてあった気がするんだが。
あと「適合者」?
「遂に来たか。」
「快斗君。転移される前の石版のことどう思う?」
「テヘランの試練って書いてあったのは俺も見た。でも、今は確かめられないし、進む
しかないな。」
「そだね。」
転移された場所は一面岩で覆われている洞窟って感じだ。日光もあったていなく、深い
場所なのか、仮想空間に転送されたのか分からないが、結構寒い。
「いつ来るか分からない。警戒していくぞ」
「そうだね。何といっても初陣だもんね」
少し歩いていると〈レーダー〉に反応があった。早速来やがった。そこには、ヤバめの
モンスターがいる。弱い初心者をよく襲う初心者殺しだ。もちろん臆病に見える。だが、
それはあくまで見えるだけ。
場所はちょうど……後方!
俺が気が付くより早くモンスターは加速してきた。俺は、〈ロケラン〉を取り出し〈狙
撃〉する。でも、それはかする程度のダメージで全然効いていない。もちろん命中して
いる。
「堅い!」
敵は体長2メートルほどの猪型のモンスター3体。2体はエリシアに。1体は俺につい
ている。
*おいおい、女に二体も付くのかよ。モンスターも卑怯なもんだぜ。さっさとやって助
けに行こうぜ、俺。
「実弾がだめならmr」
〈mrハンドガン〉を取り出し、トリガーを引く。一瞬にして、頭、胸などを貫通し倒
れた。エリシアは……。心配してそっちを見たら、既に2体の死骸が美しいシルエット
の刀とエリシアの足元にあった。本気を全然出してなかったが、先を越されるのは不覚。
とにかく、そのまま進み続ける。しばらく順調に敵も出てこなかった。なぜ神は油断を
俺たちにさせる?
「うひゃ!」
気を抜かせて逝かせるつもりかよ。神もやるもんじゃねえか……それともほかの誰か
か? そんな事より
「怪我はないか?」
「ありがとう。快斗君。ここまで順調に来ていたから気が抜けちゃった……」
それな。それ! ホント順調すぎるんだよ。おかしかったんだ。モンスターも出てこね
えし。
「っち! 『セイバー』」
床と壁から、大量の毒矢が放たれた。最初は、脚力で回避できる量だったのに、今回は
四方八方から物理攻撃が飛んでくる。インデ○ジョンズに出てくるようなトラップだ。
急に飛び出してくるので察知が難しい。動力源に魔力が使われていれば察知できるが、
物理的だとすれば不可能だ。どこかを踏んだとか風とか、物理トラップには魔力が使わ
れない。見つけれさえすれば、盗賊スキルで罠の解除も可能なのだ。だが、それには時
間を使いすぎてしまう。とりあえずは、俺が前に行く。
*はーぁ。そろそろかっこいいところ見せようぜ。でも、そんな暇もないのかな、俺?
この試練の最大の難点は暗いところである。〈暗視〉を持ってなかった俺は、エリシアに
今さっき教えてもらい取得した。若干慣れないせいで動きずらい。しかも、ところどこ
ろに「緑光石」が使われているおかげで、ずっと暗視という訳にもいかない。
罠を避け進んでいると緑光石でもなく、紫色に光る綺麗なものを見つける。
「お? スフィア……だよな? あの石は」
「多分そうだよ」
そう確認したのはスフィアで間違えない。〈鑑定〉結果は正しいから。一面にあるが、そ
れでも足りない。採取できるだけ採取して宝物庫にしまった。大量に採取するにはもっ
と奥に行くべきなのだろう。
俺らは階段を降り休憩しようとした瞬間。真上に紫色の光が現れた。
「『シールド』ッ」
反射的に俺は、防御魔法を発動した。二人を包み込むようにして、黄色く球体の者が現
れた。
突如現れた光はシールドに跳ね返され、岩にあたる。それはただ攻撃を防ぎ、跳ね返す
ものではない。物理的な攻撃は除いて、すべての攻撃を防ぐ。それも、その倍の威力に
なって跳ね返るのだ。
エリシアが投げた閃光弾によって、敵の正体は明らかになった。
それは、巨大なコウモリだった。まるで、オン○―ンのようだ。普通のコウモリの50
倍ぐらいある。全身紫の毛で覆われている。
突如に現れた魔法が防がれたのを不満だったのか、フォーン、フォーンと咆哮しながら、
攻撃の態勢を示している。
*おいおい、コウモリってそんな鳴き声しったけ? 疑問に思う、俺だ。
戦いは勝つためにあるのだろ! って、ツッコミたくなる。
*おい、俺。それは両者同じ気持ちだろ。
俺の放った、電気系魔法〈雷神〉を丸くしたものが、コウモリの前まで行く。危険を察
知したのか守りの態勢をとったように見えたが遅い。俺のフィンガースナップを合図に
それは弾けた。
攻撃態勢だったコウモリは体毛を焼かれ、放たれた電撃を直撃した。
俺は、5段式マシンガンをぶっ放す。だが、微動だにしない。焼き付いたはずの体毛が
復活し、すべてそれに止められている。後に分かったことだが、脱皮して元通りになっ
たようだ。すごい速さでの脱皮だな‼
「快斗君。私にやらせて?」
右手に、俺があげた刀を持っているエリシアはやる気満々だ。
刀には魔力を感じる。あのモンスターを倒すだけの実力はあったし、属性魔法のついた
刀を試したいようだ。俺は、無言で了承の意を伝えた。
エリシアは軽快にステップを踏み一気に迫り、思いっきり地面をけり距離を縮める。
*華麗なスッテプだ。まるで、バレリーナのように。見とれすぎるなよ、俺。
刀に真っ赤な炎がまとい切りかかる。切ったのと同時に炎が広がった。正確には、剣の
振られた軌道通りに広がった。
コウモリは羽を犠牲にして致命傷だけは避け、すぐさま反撃をしてくる。当然エリシア
も防御魔法で応対する。「さっさと死ね」と思ってるエリシアは、もう一度飛躍し、羽を
切り落としし、胴体を真っ二つに切った。
その後、階段を下って行った。下の階層になるほどモンスターは活発になり種類も断然
増えていた。毒針を飛ばしてくるケンタウロス型のモンスター、可愛いと思って近づく
と噛みついて手を切断しにくるカ○ビー型のモンスター、土の中や壁に入っていったり
するサソリ型のモンスターなど……
中途半端な武器や魔法じゃ、すべて無効化されてしまう。暗視を使っているとしても、
そこまで視界は良好じゃないし、突然に光量の強い場所に出るのだ。無駄に目が疲れて
くるせいで脳の処理速度が落ちてしまう
今まで誰一人とクリアできないのが良く分かる。初心者じゃ瞬殺だろう……
*その……初心者のはずだよな一応、俺も。
カシャン、カシャン。なんだこの音?
「聞こえるか?」
「うん……いやな予感がするんだけど。怖いよぉ~」
エリシアは俺に近づこうとする。あの音は下から聞こえた。だとすれば……
「エリシア。そこで止まれ!」
「なんで? 分かった止まるからぁああああああー」
遅かったか。っくそ……もっと早く警告で来てれば。あの音の正体は落とし穴式トラッ
プ。見える範囲の床はすでに落とし穴に代わっていた。
*よし、チャンスだ。助けてやるぞぉ、俺。
只今、絶賛落下中! 急がねーと。宝物庫から〈エルビー〉を取り出し救助モードにす
る。何機もの〈エルビー〉が変形し始める。
「っきゃ。助けてーよぉ」
「じっとしてろよ‼」
若干怒ってるな……。変形したところで俺たちの腕、足、背中、、胸にくっつく。俺はそ
れを確認にし、頭から落下していた状態を直した。今はゆっくり降下している。エリシ
アは「なにこれ! すご~い」って、目を輝かせている。
「快斗君。これってもしかいて、アイア○マンのスーツ? それより、マクロス○ロン
ティアの飛行服の方が似てるかなぁ?」
「そうだ。どちらにしろ飛行型スーツだ。試作段階だがな……」
そんなの下手したら死んでいたじゃぁ~ん、って訴えてくる。か・わ・い・い顔で。
こいつは飛行型スーツ。普通の〈エルビー〉の機能の一つ。興味があったから練習がて
らに搭載した機能である。内部には、ダンジョンで採取したモンスターの皮(特殊)が
使われているため、様々な人に対応でき着心地も良いのである。同時に3人分までは操
作できる。でも、エリシアが自分で操作できるようになれば、攻撃手段としても使える
訳である。
*将来的には〈パーフェクトパック 人間装備Ver〉が出来たらよいと思っている、俺。
地面に降り立と同時に
「怖かったよぉ。ほんとに怖かったよ。ありがとう、これからはちゃんと話聞くね」
「最初からお互い話聞かなきゃな。」
エリシアの熱(いろんな意味)はこの冷気も吹っ飛ばしてしまいそうだ。




