表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
74/87

第74話:終わらない音と気絶の帰還

◇◇◇


#1 光の階段と、突然の異変


光の階段がせり上がり、蒼真そうまは全身の痛みを無視し、ゆっくりと出口へ向かって歩き始めた。


ドラゴンの気配は消え失せ、竜の巣の静寂が、三日間の地獄の終わりを告げている。


蒼真:

「……永瑠える……ノア……今、帰る……」


煌めく光を浴びて、蒼真は美しく輝いた。成長したその姿はこれまでとは違い、大きく見えた。


震える足に力を込め、一段一段を踏みしめて階段を登る。


蒼真:

「長いようで、短かったような……。あばよ、エンシェントドラゴン……」


その時だった。


ピコンッ……


ピコンッ……


ピコンッ……ピコンッピコンッピコンッ!!


蒼真:

「……は?」


足元のステータスカードが、激しい振動と共に不規則な通知音を発し始める。


【Lv 5 → Lv 8 → Lv 12 → Lv 20 → Lv 50 → Lv 76→ Lv 98 ……】


蒼真:

「ちょっ……ま……待て、早すぎだろ!?何が起きて……」


ポコンポコンポコンポコン!!!!


レベルアップの内部通知音が、完全にバグったゲームのように、蒼真の頭蓋骨の中で爆音で鳴り響き、止まらない。


蒼真:

「やば……頭の中……気持ち悪……」


次の瞬間、ステータスカードが耐えきれず、白く光って「バチンッ!」と破裂した。


蒼真:

「ッッあああああ!?カードぉぉ!!」


カードがショートした途端、レベルアップ音はさらに狂ったように加速した。


ピコンピコンピコンピコンピコンピコンピコンッ!!


蒼真:

「や、やべ……あぁ頭がァ割れるぅうう……がは……」


そのまま――


バタッ。


蒼真は、光の階段の途中で、全身の力が抜け果てて気絶した。


意識が完全に落ちる最後の瞬間に聞いたのは、まるで魂の奥から響くかのような、やけに間の抜けた音だった。


ピコン……ピコン……


◇◇◇


#2 地上、捜索隊の絶叫


地上。


砦前では、ギルド長レイを中心に、蒼真の生存を信じた捜索隊が最終調査に入っていた。


戦士:

「穴の奥、何か光ってます!これは――」


ノア:

「観測!!!蒼真さんの魂が……微弱ですけど……生きています!」


永瑠:

「いたの!?蒼真が!!?」


一同が希望と緊張に包まれる中、穴の底から カラン……カラン…… と奇妙な音が響いた。


次の瞬間、


ガラガラガラガラッ!!


光の階段と、その階段から滑り落ちてきた人間が、激しい音を立てて転がり落ちてきた。


ドシャァァァ!!!


永瑠:

「蒼真!!」


ノア:

「蒼真さん!!?」


ギルド長レイが即座に駆け寄る。蒼真の身体は、微かに痙攣していた。


ピクッ…ピクッ…


蒼真:

「あは……ピコン……ピコン……あはは……ピコン……」


レイ:

「マ、マズイ……どうやら頭を……強く打ったらしい……!!!相当危険な状態だ!!!」


永瑠:

「だ、だめよ蒼真!!しっかりして!!」


ノア:

「蒼真さん!!すぐに回復を!!」


蒼真:

「あは……ピコン……ピコン……止まら……ピコン……ない……あは……」


捜索隊員:

「お、おい!ヤバいぞコレ!!」

「完全に壊れてる!!」

「回復魔法!!早く!!」


永瑠は涙ぐみながら叫んだ。


永瑠:

「蒼真!!しっかりしなさいよ!!」


ピクッ…ピクッ…ピクッ


蒼真:

「ぴ、ぴこん……あは……うひ……」


◇◇◇


#3 緊急搬送


ギルド長レイ:

「すぐに担ぎ出せ!!意識が混乱してる!」

「すぐにギルドの治療室へ運ぶ!!」


捜索隊員たちは気絶した蒼真を抱え、急いで砦へ走る。


永瑠とノアがその横を必死で並走する。永瑠の顔は涙と焦りで歪んでいた。


だが蒼真の口からは、狂ったレベルアップの通知音が、途切れ途切れに漏れ出るだけだった。


蒼真:

「ピコン……ピコン……ピクッ…」


ノア:

「蒼真さん!!意識を保って!!」


永瑠:

「お願い……戻ってきて……」


しかし、最後に力を振り絞るように、蒼真の口から「ピコン」という音が漏れた。


ぱたり。ピクッ…ピクッ…


そのまま、蒼真は完全に意識を手放した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ