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第65話:修羅の特訓開始

◇◇◇



#1 訓練場の門前


城下南部。

石畳を抜けた先に、巨大な黒鉄の門がそびえ立つ。


蒼真:

「……ここ、本当に訓練場か?

完全に要塞なんだけど」


永瑠:

「訓練場っていうより……処刑場よね、これ」


ノア:

「大丈夫です!

ここは“魔力特化訓練施設アークアリーナ”ですよ!」


蒼真:

「いや名前が怖い!」


ノアが門に手をかざすと、

重い音を立てながら開かれた。


中は広大な砂地、剣戟痕だらけの柱、焦げ跡、クレーター。


蒼真:

「誰がこんな地形にしたんだよ……怪獣でも暴れた?」


ノア:

「いえ、担当の先生が掃除しただけです」


蒼真:

「掃除でクレーター作るなよ!!」


永瑠:

「……掃除って何?」


ノア:

「訓練で荒れた地面を“平らにする掃除”です〜!」


蒼真:

「平らになってねぇよ!!」



◇◇◇



#2 訓練教員、登場


その瞬間――。


地響き。


足音じゃない。

「地面ごと揺れている」。


蒼真:

「おい……何の音だよ……」


永瑠が小さく呟いた。


永瑠:

「……来る……」


そして。


砂煙を割って、巨大な影が現れた。


筋肉。

筋肉。

そして筋肉。


身長2メートル半。

岩肌のような皮膚。

だが目は鋭く、知性が滲んでいる。


蒼真:

「ゴ……ゴリ……」


ノアが胸を張った。


ノア:

「紹介します!

この施設の担当講師――

ゴリラ先生(正式名:グラディウス・ゴルド) です!」


ゴリラ先生:

「……誰がゴリラだ」


蒼真:

「人間なんですか!?」


ゴリラ先生:

「当たり前だ。貴様の百倍努力した“人間だ”」


永瑠:

「……カッコいい……」


蒼真:

「惚れるな!!」



◇◇◇



#3 ゴリラ先生の評価


ゴリラ先生は蒼真をじっと見つめ、低い声で言う。


ゴリラ先生:

「外来種の少年よ。ステータスを見せろ」


ノアがカードを渡す。


ゴリラ先生は一瞥。


ゴリラ先生:

「Lv1……脆弱……貧弱……虚弱……」


蒼真:

「言い方ひどい!!」


ゴリラ先生:

「だが――」


蒼真:

「……だが?」


ゴリラ先生:

「“POTEN:A”……外来種特有の伸び代……

そして、特異武装《焔生(ほむすび)》との適合……」


ゴリラ先生は蒼真の肩に手を置いた。


ズンッ!!


蒼真:

「重っ……!!?肩死ぬ!!!」


ゴリラ先生:

「……貴様、化けるぞ。

七日あれば“相当なところ”まで行く」


蒼真の目に炎が宿る。


蒼真:

「本当に……俺、強くなれますか?」


ゴリラ先生は無言で親指を立てた。


蒼真:

「その親指すら岩みたいに太い!!」



◇◇◇



#4 第1試練“生存走”


ゴリラ先生が地面を叩く。

大地が揺れる。


ゴリラ先生:

「第一試練。

俺から10分間、逃げ切れ」


蒼真:

「死ぬじゃん!!?」


永瑠:

「……無理よ、それ」


ノア:

「蒼真さんならできます!」


蒼真:

「根拠どこだよ!!」


ゴリラ先生はゆっくり立ち上がる。


ゴリラ先生:

「安心しろ。

殺しはせん。

ただし“死ぬほど痛い”だけだ」


蒼真:

「どこが安心できるんだ!!?」


ゴリラ先生は両腕を回し、筋肉が爆発する。


ゴリラ先生:

「逃げろォォォォ!!!」


蒼真:

「ぎゃああああああああ!!!」


訓練場を蒼真が全力疾走し、

その背後を地響きが追う。


永瑠:

「速……っ!?蒼真、現代人の身体能力じゃない!」


ノア:

「外来種だから身体強化が入りやすいんですよ〜!」


永瑠:

「そういう仕組みなの!?」


ノア:

「あとは……根性ですね!」


永瑠:

「精神論じゃない!」



◇◇◇



#5 訓練1日目終了


10分後。


蒼真は地面に倒れ、

全身が砂まみれ、息も絶え絶え。


蒼真:

「……死……ぬ……」


ゴリラ先生:

「まあまあだ。

Lv1にしては動ける」


蒼真:

「褒められてる気がしない……!」


ノアが駆け寄り、手をかざす。


ノア:

「蒼真さん、回復魔法いきます!

時間層再結晶リ・クロノ・シェル》!」


光が蒼真を包み、

疲労が消えていく。


蒼真:

「うぉ……体が軽い……!」


永瑠:

「……蒼真、よく耐えたわね」


蒼真:

「ありがとう……永瑠も心配してくれて……」


永瑠:

「違うわ。

死なれると私が困るのよ」


蒼真:

「言い方が尖ってる!!」



◇◇◇



#6 決意


ゴリラ先生が腕を組み、言った。


ゴリラ先生:

「今のは準備運動にすぎん」


蒼真:

「準備運動……?」


ゴリラ先生:

「ああ。午前中は今の準備運動、午後はレベル上げに行け。西の砦近くにダンジョンがある。そこでモンスターを狩るのが早い。」


蒼真の背筋が震える。


蒼真:

「……やってやるよ。LV上げ!絶対強くなる!」


ノア:

「蒼真さんならできます!」


永瑠:

「……あなたなら、きっと」


蒼真は拳を握った。


蒼真:

「ルシェルを止めるために……俺は変わる!」


訓練初日。

蒼真の修羅の日々が、今動き出した。



***


**【蒼真のステータスカード】**

名前:蒼真

種別:外来種

ランク:F

魂紋ID:SO-4207X

適職:剣士(潜在適正:特異武装《焔生》)


**【ステータス】**

Lv:2

STR:9(+1)

AGI:16(+6)

VIT:8(+1)

MAG:4(+1)

DEX:15(+4)

INT:13(+1)

SOUL:39(+1)

POTEN:A(規格外)




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