第55話:神楽高校運動会 ~異世界チームvs全校生徒~(公平です)
◇◇◇
#1 開会式と特別ルール
蒼真
「……異世界も運命も、重たい話もあるけど……今日は運動会だ。とりあえず、命の危険を感じずに生き延びよう……」
晴れ渡った青空の下、神楽高校の校庭は熱気に包まれていた。
校長が壇上に上がり、マイクを握る。
校長:
「今年の運動会はー、公平性を保つためー、特別ルールでーす!
なんと、異世界チーム vs 全校生徒&教員で競いまーす!」
全校生徒:
「ええええええええ!!!?」
蒼真:
「なんで俺まで異世界チームなんだよぉー!!」
ノアはすかさず校長からマイクを奪い取る。
ノア:
「観測完了! こちらの勝利確率は“99.999%”です!!」
蒼真:
「残りの0.001%はなんだよ……!?」
◇◇◇
#2 借り物競走
最初の競技は借り物競走。お題が読み上げられる。
実況:
「お題は──『永瑠のハート』だぁぁあ!」
その瞬間、蒼真はノアを突き飛ばし、永瑠に向かって一直線に走った。
蒼真:
「はい永瑠!!」
蒼真は永瑠が抵抗する間もなく、彼女をひょいと肩に担ぎ上げた。
永瑠:
「降ろせこの変態!!(顔真っ赤)」
蒼真:
「お題は永瑠のハートだ!ハートを借りたってことにして、行くぞ!」
蒼真は永瑠を肩車したまま、誰よりも速くゴールを駆け抜けた。
実況:
「ああっと! 異世界チーム、圧勝!もうルール崩壊してるぅぅ!!」
◇◇◇
#3 早食い競走
次の競技は、早食い競走。
競技台には、ノアが朝から特大サイズで設置した巨大プリンが鎮座していた。
全校生徒:
「うわぁ、プリンだ……デカッ……」
全校生徒:
「うまそ……」
巨大プリンを前に、全校生徒は競争そっちのけでプリンに突撃し始める。
永瑠:
「邪魔!!」
永瑠は、ヴァンパイアの脚力によるヴァンパイアキックで、プリンに群がる生徒たちを全員吹っ飛ばした。
蒼真:
「公平じゃねぇ!!」
しかし、永瑠は顔色一つ変えず、一瞬でプリンを食べ終えた。
→ 異世界チーム圧勝
(観客全員は、吹っ飛ばされた後も残りのプリンを食べて満足していた)
◇◇◇
#4 騎馬戦
運動会の華、騎馬戦。
異世界チームの騎馬は、蒼真(騎手)の上に永瑠とノア(馬)という、規格外の構成だった。
対する全校生徒は、100騎以上が巨大な群れとなって突撃してくる。
蒼真:
「多すぎっ、だが、未来予測で全部見える……」
蒼真は、未来予測で相手の動きのすべてを把握し、腰に差した焔生から斬撃を放つ。
→ 蒼真は一瞬で、全校生徒100騎以上の鉢巻を同時に斬り落とした。
全校生徒:
「一瞬で終わった……」
ノア:
「観測完了! 0.03秒で決着です!」
実況:
「異世界チーム、圧勝……です……」
◇◇◇
#5 綱引きとリレー
綱引き。
異世界チーム vs 全校生徒+教員700人。
全校生徒:
「今度こそ!! 全力を出すぞ!!」
永瑠:
「蒼真、ちょっと本気出す?」
蒼真:
「ちょっとだけな。手加減しろよ」
永瑠は「フン」と鼻で笑い、綱を軽く引いた。
→ 永瑠が力を込めた瞬間、全校生徒は一気に10m後方へ吹っ飛び、校庭に巨大な「人」の文字が描かれた。
最終種目のリレー。
すでに勝敗は決している。
全校生徒:
「もう勝てないから楽しもうぜ!」
リレーは異世界チームが圧倒的なリードでアンカーの蒼真にバトンを渡した。
蒼真:
「未来予測で……ゴールまでの最短ルートが見える」
蒼真はスタートと同時に、文字通り、最短ルートを通ってゴールテープを切る。
時間:0.8秒
全校生徒:
「もう競技じゃねぇ!!あれはテレポートだ!!」
実況:
「異世界チームまたも圧勝!もう、人間やめたようです!!」
◇◇◇
#6 閉会式
校長は壇上で、感動と絶望の涙を流しながら結果を読み上げた。
校長(泣きながら):
「優勝……異世界チーム……!」
ノアは壇上へ飛び上がり、マイクを奪った。
ノア:
「ご褒美に、ノア特製巨大プリンを全員に配ります!!」
全校生徒:
「「イエェェェェェェェェェェ!!!」」
運動会終了後、全校生徒がプリンを頬張りながら号泣。
「負けたけど楽しかった……」「来年もやってくれ……」という感謝の言葉が飛び交った。
蒼真:
「……公平だったのか、これ……?」
永瑠:
「……楽しかった……わよ」
ノア(小声):
「……蒼真さんが笑ってると……いいですね」
こうして、神楽高校運動会は伝説となり、異世界チームは無敗神話を完成させた。
そして、ノアはプリンの需要に応え、校内にプリン倉庫の出張所を開店させたのだった。
蒼真(心の声):
「(――こんな、バカ騒ぎの日常が、ずっと続けばいいな。)」




