第46話:めざめたら、最強の人外ラブコメ主人公でした
◇◇◇
#1 朝の登校、主人公バグる
未来回帰の翌朝。
蒼真は、下駄箱の前で固まっていた。
蒼真(心の声)
「……なんか……全部、遅く見える」
廊下の人の動き、靴音、空気の流れ。
それら全てが、スローモーションのように見える。
蒼真(心の声)
「うおおおおこれ日常に戻る気ねえやつだろ!?」
そこへ永瑠が来る。
永瑠
「……あんた、今日変よ。いつもより“気持ち悪い”」
蒼真
「優しい言葉が一個もないな!?」
永瑠
「いつもより動きが……なんというか……“遅い世界を見てる人の顔”してる」
蒼真
「図星かよ!!」
ノアがぴょこっと横から顔を出す。
ノア
「観測完了。
蒼真さん、時間知覚が1.5倍に伸びてますね〜。人外です〜。おめでとうございます〜。」
蒼真
「おめでとうじゃねぇよ!!」
永瑠
「……やっぱり変。」
◇◇◇
#2 ホームルーム開始――事件その①『未来予測の残響』
席につく蒼真。
その瞬間、視界が “ズルッ” と揺れた。
蒼真(心の声)
「……未来予測の残響!?何かが……落ちる?」
直後、永瑠の筆箱が机から滑り落ちそうになった。
蒼真
「っ永瑠!!!危ねえ!!」
ガシィッ!
全力でダイブしてキャッチ!
机ごとぶっ壊す。
ガラアアアアアン!!!
教室全員
「………………」
永瑠
「……なにやってんの」
蒼真
「ち、違うんだ!!!未来で落ちそうだったんだよ!!」
永瑠
「筆箱で机壊す人初めて見たわよ」
ノア
「観測完了〜。蒼真さん、
“未来予測(0.2秒)”が残留してます!」
蒼真
「もっと早く言え!!」
◇◇◇
#3 事件その②『反射神経バグ』
休み時間。
クラスメイトの堀田がバスケボールを取り落とす。
堀田
「あ、やべ」
蒼真
「危ねえ!!」
バッッッ!!
超反射でキャッチした勢いで――
壁を貫く。
ドゴオオオオオン!!!
堀田
「!?!?!?」
永瑠
「……あのね。
蒼真、そろそろ“人間の概念”守りなさいよ。」
蒼真
「俺だって守りたいんだよ!!!」
ノア
「観測完了。反射神経は人類基準の3.4倍ですね〜。
でも蒼真さんなら、もっと伸びますよ!」
蒼真
「伸びなくていい!!」
◇◇◇
#4 事件その③『ラブコメデッドエンド未来予測』
昼休み。
階段で、永瑠が小さくつまずく未来が一瞬見えた。
蒼真(心の声)
「未来予測……!永瑠が前に倒れる!」
蒼真
「永瑠!!危ないッ!!」
抱きしめるようにキャッチ!!!
(※何も起こっていない)
永瑠
「……は?」
蒼真
「あ……その……つ、転びそうで……」
永瑠
「転ばないわよ!? なにそれ!?
も、もう……やめてよ……っ」
(顔が真っ赤)
ノア
「観測完了〜。永瑠さんの心拍数、
“恋愛系イベント濃度:90%”です」
永瑠
「こらあぁぁ!!!」
蒼真
「ノアァァァ!!!」
◇◇◇
#5 事件その④『夜、魂が浮く』
その晩。
蒼真は布団で眠っていた。
ふわ……っと、魂が上に浮き始める。
蒼真の魂
「…………」
ノア(なぜか部屋の隅にいる)
「観測完了〜。蒼真さん、寝てると魂が浮遊してますよ」
蒼真の魂
「怖えよ!!寝てる人の部屋に来んなよ!!!」
永瑠(窓から顔だけ出す)
「……何やってんのあんたら」
蒼真
「俺の魂が浮いてるの!!見えない???」
永瑠
「なにそれ、キモい」
永瑠
「……あんたの魂、声も動きも“うるさい”のよ。」
蒼真
「そこ!?!?」
◇◇◇
#6 海回(翌日)—覚醒の弊害が激増
三人で海に来る。
永瑠が水辺を歩く。
蒼真はその姿を見ると、また未来予測が発動。
蒼真(心の声)
「永瑠が2秒後に波で濡れる!!」
蒼真
「永瑠!!その波は危ない!!」
永瑠
「海だから当たり前でしょ!?」
ノア
「観測完了〜。蒼真さん、海水の未来予測とか、無意味ですよ〜」
蒼真
「俺もそう思う!!!」
永瑠
「……ふふ」
蒼真
「なんだよその笑い!?」
永瑠
「アンタ、人外になっても……人間らしいのね」
蒼真
「は?」
永瑠
「……守ろうとするのは……変わらない」
(小声)
蒼真
「永瑠……?」
永瑠
「っ!何でもない!!忘れろ!!」
ノア
「心拍数200突破〜。恋愛濃度120%〜」
永瑠
「ノアぁぁぁぁぁぁ!!!」




