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雨の日の御伽噺  作者: 雨月 千疾
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50/50

耐える

急に小さい人は動き出した

建物を出て

すぐ近くの公園に行き

そのベンチに座った

そして胡乱な目で変な色の月を眺めてた

僕はその横に座って

小さい人を見つめていた

ふと小さい人が僕を見てきた

『見えてるよ』

カサカサに乾いた声が聞こえた

『さっきから見えてた』

声が震えた声になった

『貴方は何をしてるの』

僕は旅をしてる

目的はないけど居場所を探している

『連れて行って欲しい』

それは無理だよ

『どうしてなの』

僕と君が違う人だから

『この世の人は皆そうだよ』

その違うじゃなくて

別の違うなんだよ

『どんな違うなの』

それは分からない

『もうここには居たくない』

僕と同じだね

『じゃあ連れて行ってよ』

僕と違うから駄目だよ

『ここは寒くて辛いんだよ』

僕と一緒にいるともっと辛いよ

だから駄目

『また置いていかれるの』

誰かがその内幸せにしてくれる

それまで耐えろ

『君は幸せなの』

僕は幸せなんて無かったよ

『じゃあ幸せになれるなんて嘘だ』

僕は人を何度も殺した屑だから仕方ない

けど君は違うからいつか幸せが待ってる

それまで耐えて我慢して踏ん張れ

絶対に呑まれるな

同じ不幸を人に与えなれけばいい

分かったかな

『うん』

さっきまで隣にいた小さい人は居なくなった

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