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花の死骸
花びらが降ってきた
どこにも花は咲いていないのに
白い花が雪のように降ってくる
少し風が吹いて
花吹雪になった
花吹雪は視界を遮って舞っていた
風に舞い上げられ
落ちることを知らずに
踊るように
じゃれるように
ヒラヒラフワフワしていた
花たちは僕に一瞥もくれず舞っていた
僕の邪魔をしているとも知らずに
狂ったように舞っていた
僕は足を出し渋った
歩きにくい
そろそろと足を踏み出した先に小枝があった
それをパキンと踏みおった瞬間
舞っていた花が固まり
ザッと真下に落ちた
下にははさっきの花たちが
落ちたまま動かなかった
風はもう吹いていない
僕は花の死骸を踏み越えて先に進んだ




