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咽び泣く
雨が降り出した
知らない街にいた
大通りと思しき所を歩いてた
『キミは何してるの』
振り向くと誰もいない
前を向いて歩き出した
『ねぇねぇ遊ぼうよ』
歩いていたはずなのに声が着いてくる
愉しそうな声がした
『わたしも一人なの』
淋しそうな声がした
どこからしてるんだろう
『寂しいの』
また声がした
僕とは違うから
僕はひとりでも寂しいとか思わない
けど、君は違うから
僕から離れた方がいいよ
咽び泣くような音が
強くなった雨の音に紛れて
悲鳴のようにも聞こえてきた
しばらく歩くと
声は聞こえなくなった




