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#4 プレーボール

一回表一番高田を迎える。昨年は序盤守備固めとして出場していたがセカンドの菊原が故障離脱時に一番セカンドでスタメン起用され規定打席未到達ながら.293を記録した。


(高田さんはアウトコースギリギリのスライダーが苦手大河なら決めれる。まずはストレートやな)


村田のサインに首は振らない。

要求通りアウトローにストレートを投じる。

(速くね?)

そう高田がおもうほどに今の球は前と段違いに速かった。

電光掲示板には162キロと表された。


(少し前の大河からは考えられないストレートだったな。自己最速も更新してやがるし)


そう思えるほど大河は短期間で成長していた。


(次はチェンジアップかな俺的には結構苦手な球種だしな)

そうして高田は次はチェンジアップと山を張った。 

第二球を投じる。

(勝ったぜストレートのような軌道これは100%チェンジだな)バットを少し下に振る)

だがこれこそが村田の狙いであった。

(かかったな)

「ストライク」そう審判が宣告した瞬間高田の脳内は混乱した。

(異常なほど落ちていた、まさかフォークか?)

「ナイピ大河!」

(もう絞れる球ないな変化球確か前まではストレート、チェンジ、スライダーだったはず、ならスライダーを貼るしかないな)

(たぶん高田さんスライダー貼ると思うな。けど今の大河のスライダーならいける)

そして三球目を投じる

(行けるスライダーやでもこれボールかな、微妙やけど振るか)

そう高田が迷った結果見逃すことを選択した。

「ストライクバッターアウト」


三振に打ち取られベンチに戻る中

「まじで規格外じゃねえかよ」

そう漏らすほど大河は全盛期を大きく超えていた。


その後三者連続三振に仕留めた。


(このフォーク俺にめちゃくちゃあってるな)

フォークの握りをしながら取得した時のことを振り返る。 


あれはキャンプ初日で翔と投球練習をしていた時のことだった。


「隣の人すげーフォーク落ちるやん」


「ああマートンさんだろ。さすがメジャーリーグで活躍してたことはあるよな」


アルベルト・マートンはメジャー通算120勝を挙げ、球団創設時に入団し、3年連続二桁勝利をマークするも、昨年は怪我による離脱で二桁勝利を逃した。しかしオールスターにも出場するなど人気が高い選手である。


「コンニチハマツシタサン、コノチームヘヨウコソ」

マルティネスは明るい青年のような声だかマートンはとても紳士的な声であった。

「Nice to meet you, too」


[マートンさん突然ですけどフォークのコツ教えてもらえないですか]


[なっ、マツシタ・・お前英語上手いな]


[学生時代メジャーに行った時に困らないように勉強してたからな]


「なあ翔これなんて喋ってるかわかるか?」

マートンの球を受けていた石橋陽が戸惑ったように聞く。


「うーん、わからん」

そう二人が首を傾げる中二人の会話は盛り上がっていた。


[なあマツシタ、さっきメジャーに行きたいって言ってたよな?]


[そりゃ今でも行けるなら行きたいがそれがどうかしたか?]


[まだ誰にも言ってないんだが実は今年で引退しようと思っているんだ]

そう真剣な眼差しで俺に言った。


[え、どうゆうことなんですか去年も怪我がなければ全然二桁行けたと思うんですけど]


[実はな俺の娘がこの前妊娠してな、あいつの子供の面倒見てやりたくてたな。ずっと寂しい思いをさせてきたんだ。こんな時ぐらい甘えてもらいんたいんだ]

そう静かに語った。

[さっきの話だがもちろんコツなら教えてやるよ。ついでにメジャーなこともな。お前ならメジャーでも活躍できる]

[ありがとうマートン]


[まあ一年間頑張ろな。よしまずは握りからだな。ついてこいよマツシタ]


[ああお手柔らかに頼むぜマートン]


そんなこんなで鍛えてもらった結果まだ未完成だが新たな武器となるフォークを会得したのであった。


そしてこちらの攻撃。一番は田中だ。

(雷鳴さんのストレートえげつないんだよなー)

雷鳴貴哉、2年前に入団し、15勝3敗で新人王となったが昨年は不調で結果が残せず2軍暮らしが続いた。


(ストレート貼るか)

初球から来るであろう雷鳴の代名詞でもあるストレートに備える。

(は?)

田中のバットは空を切る。田中は雷鳴の恐ろしさを改めて認識した。

ストレートだとわかっていてもスイングが追いつかないのである。

そして電光掲示板には170キロという恐るべき数字が光っていた。


(これが打てないと大河の球も打てない!)

二球目のストレートに食らいつきなんとかファールにする。

(ストレート、ストレート)

田中の脳内はさっきの球のタイミングを完璧に覚えてしまった。

雷鳴が三球目を投じると共に田中は自身を持ってスイングする。

(捉えた!)

「ストライクバッターアウト!」

そんな審判の言葉を聞きながら戸惑いながら今の球を思い出す。

(さっきの確実に落ちたけどフォークではない、まさかスプリットか?)


「悪いが俺もここで落ちぶれたくはないんだ」

そんな独り言を言いながら雷鳴ロジンを触っていたのであった。








一様異世界物も書く予定があるのでそちらも見ていただけるとありがたいです。

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