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カレーは醤油 ~インドの記憶~   作者: そらら
醤油はカレー

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1899/1899

2023年6月25日(日) バンガロール紀行 ~モザイク~

6月25日(日) 


 日本で直面したインドラとの出会いを筆頭に、この6月は私にとってあまりも多くの出来事が起こりすぎている。

 

 そして、それらを頭の中で上手く整理できないのは、私が失っていた記憶が徐々に蘇りつつあるからなのだろうか。


 そこで、自分だけと向き合う時間を作ろうと、バンガロールへひとり旅をすることにした。


 大雨の影響もあり、チェンナイ空港はいつもに増してカオス。 


 ただ空港へ入るだけなのに30分も列に並ばされた。


 続くセキュリティゲートでは、まるで宇宙人のコレクターが地球上にあるこれを全て持ち去ってしまったかのように手荷物を入れるトレーが1つもなく、こちらでも30分ほど並ばされた。


 30分ほど遅延したインディゴ航空へバスで搭乗することになったのだが、このバスにあるはずのつり革が全て取れてなくなっていた。


「つり革って、そんな簡単に取れちゃうものなのかしら……」


 そして、雨の中、空港内をなぜか30分ほどドライブするバスのドライバーに、多くのインド人がモザイクが必要な言葉で罵声を浴びせたところで、ようやく機体近くに停車。


 いよいよ機内へ搭乗開始と思いきや、今到着したばかりの搭乗客がタラップから下り来て、別のバスに乗り始めたのです。


 スタッフたちは大急ぎで給油をし、清掃をし、荷物を積み替えている。


「飛行機が到着すらしてないのに、私たちをバスに乗せやがったな~」


 思わず声に出してしまったところ、隣のインド人男性からこう諭されたのです。


「これこそ、空港で溢れんばかりに待機している搭乗客の期待値をコントロールする、インドのジュガールですよ」


 ジュガールとは、なにかしらの困難に遭遇した時、知恵を使ってその場を凌ぐことを意味し、美徳として高く評価されている。


 そういえば、私は最近ジュガール的なこと、まるでしてない。


 だから、インドとの波長が乱れ始めたのかもしれない。


 ようやくバンガロールに到着すると、高原らしくとても涼しかった。


 時刻は夕方18時を過ぎていたので、たった1時間弱のフライトにもかかわらず溜まりに溜まったストレスを解すべく、町中にあるレストラン、ビア・ユニバーシティへと直行。


 ここを訪れるのは初めてだったが、思いのほか店内は静かで、そしてクラフトビールが美味しかった。


 でも、なぜか店長らしき人物が私のテーブルにピタッと張り付き、宮崎マンゴーを譲ってくれないかとねだり続けておりました。


 その後、こちらも初めて宿泊するチャンセリーへ向かい、チェックインをしていると、艶やかな女性集団が私の後に静かに並んだ。


 エミレーツ航空のキャビンアテンドたち。


 私がさっき搭乗したインディゴ航空のキャビンアテンダントたちは、終始スマホをいじり、そしてぺちゃくちゃお喋りをしながら仕事をしていたことを思い出すと、まるで静と動。


 いや、カオスとコスモス。


 そして、いざ部屋に入り、洗面所へと向かう。


 メイクを落とし、自分の顔を鏡で眺めると、そこにはいつも見慣れたはずの自分がいるはずなのに、なぜか、焦点が合わない。


 いや、合わないんじゃない。


 だって……


 私の顔に、モザイクがかかってるんだから。


この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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