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カレーは醤油 ~インドの記憶~   作者: そらら
醤油はカレー

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1874/1899

2023年5月31日(水) 本当のガネーシャ ~前編~

5月31日(水)


「み・な・さ・ん。こんにちは。輪廻転生もほどほどに~でお馴染み、異国のユーチューバーこと、プリヤンカです。今日は日本でもお馴染み、ガネーシャについてお届けしたいと思います。っと、ここで視聴者からメッセージが届きました。『ガネーシャなんて日本でも有名だから、今さら紹介する必要あるかな?』 うーん。確かに日本でも有名だけど、本当にガネーシャのこと知ってるのかな? 正直、私もガネーシャのことすっごく知ってると自負してたけど、日本に伝わってる情報ってごく一部しかないんだって悲しくなるくらい新たな発見があったの。だから、今日は大のお気に入りで、チェンナイが誇るガネーシャ像の専門店グッドアンティーク・アンド・アートショップから、店長のサントシュさんと一緒に生配信をしたいと思います」


 ここで店内をスマホでぐるっと映した後、サントシュへ向けながらインタビューを開始した。


プリヤンカ: 今日はお忙しい中、お時間を頂きましてありがとうございます。それにしても、すっごい数のガネーシャ像がありますね! どれぐらいの数があるんですか? 


サントシュ: まずはガネーシャへ関心を持って頂き、こちらこそ感謝です。それで、早速ご質問に対するお答えですが、ここには約8,000体のガネーシャ像があります。


プリヤンカ: 8,000体もあるんですか! (わざとらしく)きゃー、すっごー!


サントシュ: はい。しかし、プリヤンカさんやこれを観ている日本の視聴者の方が知っているかどうか分かりませんが、日本と違い、インドでガネーシャは単純な商売繁盛の神様じゃないんです。障害を除く神、富と学問の神、家庭守護の神など、様々な信仰の対象となっています。それだけじゃない。ガネーシャは先ほどの信仰目的を含め、大きく6つの要素で構成されてるんです。なので、8,000体はあるけど、ほぼ重複したものは店頭に並んでないんです。


プリヤンカ: そうなんですか。ちなみに、その6つの要素を全部教えてくれること、できます?


サントシュ: もちろんです。


 すると、予めお願いしていた通り、その6つを書いたフリップボードをカメラに向けて掲げてくれた。


サントシュ: それは、「信仰目的」「大きさ」「素材」「姿勢」「持ち物」「腕の数」です。それでは、夫々の項目をもう少し詳しく見てゆきましょう。


 ここでサントシュが別のフリップを向けようとした時、今日の視聴者数を確認すると、久しぶりに200万を超えていた。


 それに、「まじ知らなかった~」「なんでこういう情報、日に入ってこないんだろう」「インドがヤバいよ~ってだけのユーチューバーにウンザリしてたから、プリちゃんの講義がとっても新鮮!」と、反応も絶好調。


 よし、これは予定を変更して、もっとじっくり中身を伝えよう。


 いや、伝えるべきでしょ! 


 そう思うと、私は台本とは違う動きをしていた。


 そう、サントシュからフリップを取り上げたのです。


プリヤンカ: サントシュさん! ちょっと待って。そんな大事な内容、フリップなんかで教えちゃダメでしょ。それに見合うガネーシャ像を見せながら説明しないと、ちゃんと伝わらないよ! いつまで経っても日本でガネーシャは単なるガネーシャになっちゃうよ!


サントシュ: は!? えええぇ? この8,000体の中から、夫々の像を探すの? 今から?


プリヤンカ: 大丈夫。私も手伝うから。っていうか、みんなも、ちゃんと像を見ながら説明聞きたいよね?


 すると、「もっちー」「フリップなどという()()のこと語るな!」「バーチャルガネーシャ博物館、マジで楽しみ♡」「プリヤンカ教授の講義、もっとじっくり聞きたいぞな」と押し寄せるメッセージに、サントシュも根負けしたようだ。


サントシュ: 分かりました。それでは、ガネーシャ像の専門店グッドアンティーク・アンド・アートショップの店長として、最大のショーをお見せしましょう。ただ、時間がそれなりにかかるので、今日の生配信はここで終了とさせてください。続きは、明日、同じ時間、ここからまた生配信する、というのでどうですか?


 ちょっと困りながらも喜ぶサントシュ。


 私はそんなサントシュが愛おしくなり、思わず大きく「ありがとーーー」と叫んでしまった。


「というわけで、今日の生配信は一旦ここでお終いにするよ。明日も同じ時間にちゃんと観るんだよ。そうしないと、後悔だらけで、ガネーシャに呪われちゃうからね。なんちゃって。テヘ。ここまで見てくれて、みんなありがとう! いいなって思ったら、ちゃんと良いねボタンを押すんだぞ~。それじゃ、輪廻転生もほどほどに~」


この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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