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久遠零山が残した物

「何故そう思う?」

「何故って私は昨日あなたに助けられたの、本当に覚えてないのですね」

正直助けた人間について覚えているかどうかなんて保証は出来ない、この仕事柄助けられる人よりも助けられない人の方が多い。

ただ昨日のことと言えば深夜に二人影喰に襲われているのを助けた覚えはあった。

「昨日の二人の内の一人か」

「はい」

そうなれば俺が輝装騎士だと言うことは既にばれていることになる、これは嘘をついてもしかたないだろう。

「俺が輝装騎士だと知ってどうするつもりだ?」

「私はただ知りたんです、あの大規模ゲートで消息不明で既に亡くなっているとも噂されてる輝装騎士の真実を」

そうだ、俺は数か月前にとある事件で消息不明担っていた。そして輝装騎士は百年の沈黙から鎧を受け継いだ存在がいると言うことだけが世間の常識で、俺の名前や俺が輝装騎士だと言うことはこの一年の間に共に戦った仲間しかしらない。

「君が守秘義務を守ってくれるなら君の知りたい事実を教えよう」

「分かりました」

「その前に俺の仕事を手伝ってもらう」

「仕事?」

「ああ、それも込みでの取引だ」

「貴方の立場は分かりました、書面でもなんでもします」

「分かった、じゃあ星誓術を使いましょう」

この星誓術は互いの霊子を少し出して約束を破ったらランダムで霊子が使えなくなるなどの様々な制約がある。

「いや、そこまでしないで良い」

「え?」

「まあその辺は後で良い、先に聞きたいことを聞いてくれ」

「分かりました」

そして久遠日美香から質問が始まった。

「数か月前に起きた大規模ゲートで消息不明になったのはどう言うことですか?」

「あれは紋術師の全ての力を使って、魔界に繋がる大きなゲートだった。俺はそのゲートを閉じるために魔界に入った」

「魔界に?」

久遠日美香は信じられない様子だった。それもそうだ、影喰は魔界から人間の悪意によって魔界からゲートと言う様々な物を媒介に扉を開いてこちら側に来る、だが魔界は人間にはとてもじゃないが耐えられない環境だ。

「どうやって戻ってこれたんですが?」

「説明が難しいな、まあ奇跡だと言わないとあり得ない状況だったからな」

「なるほど、では詳しくは説明できないと?」

「ああ、色々と状況が複雑でな」

「分かりました、ではあと一人お聞きしても良いですか?」

「なんだ?」

「久遠零山は知ってますか?」

「知ってる」

「今何処にいるか分かりますか?」

「もおう亡くなった」

「え?」

「久遠零山は俺の師匠だ、だが半年前に起きた影喰の始祖セオスの封印に全てをかけて亡くなった」

「そう…ですか」

「君は零山さんの孫だな?」

「なんで分かったんですか?」

「霊子が同じだ、血が繋がってる紋術師はDNAみたいなもので似るんだよ」

「そうですか、じゃあ最初から」

「ああ、それが君を信頼した理由だ。零山さんから孫の日美香さんについては色々と聞いてたからな」

「そうですか、おじいちゃん。いや零山は近々くる厄災には必ず輝装騎士が必要だと言い、私が幼い頃に家を出て行ったんです」

「そうだったな」

「はい、両親は紋術師でも天煌騎士でもないただの一般人なので、酷く言い争っていました」

「それも聞いた、子供たちには悪いことをしたと」

「はい、母が子供の頃から影喰と戦う為に全てをかけていたので、良くは思ってはいなかったと思います」

「そうか」

「はい」

「零山さんから一つ受け取ってるものがある」

「もの?」

「ああ、これだ」

俺はバックから孫に会うことがあれば渡してくれと言われていたとある石を渡した。

「これは」

「賢者の石だ」

「そんなものを生成すれば」

「ああ、知っての通り賢者の石は紋術師が最初に習う秘術の内の一つだ」

「これを身に着けたものは強力な力を得ると」

「そうだ、その代わり自分の命を代償にすると」

「なんでこんなものを」

「自分は孫や子供たちになにも出来なかった、だから死んでもなお最後に助けになりたいと言って亡くなった。あの時セオスを封印しないと人類は絶滅していただろう」

「立派ですね、でも両親がそれを知ったら。なんて言うんでしょうか?」

「さあな、ただその赤い賢者の石がお前を守るだろう。それに真実は必ず伝えるべきと言うわけではない。話したくなければ話さないくて良いだろう」


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