最終回 18
最終回です。
夏休み明け、学園に集まる生徒達。
まだ暑いが、時々涼しい風が吹く。夏の終わりの空気を感じる。
ルイとルビーは、二人で親しげに話している。最初の頃とは大違いである。
サン王子とエイラはいつも通り、しかしもうすぐ離れてしまうからか、少し寂しそうである。
オーレリアは昨日の食事会を思い出していた。氷の国の国王と王妃が、別荘から戻ってきた為皆で夕食にしたのだが。
やはり、緊張した。
王族の集まりは苦手である。何を食べたか、よく覚えていない。
しかし、以前よりは前向きに参加できるようになった。皆がオーレリアを受け入れてくれるからだろう。
「おはよう、オーレリア」
レックスが隣に並ぶ。
「おはよう、レックス」
今日からまた学園生活だ。
二人は、仲良く歩いて教室へ向かうのであった。
◇
太陽の国の留学最後の夜、エイラとお揃いのドレスに身を包み、エイラ、カイル、オーレリアの三人で会場へ入った。
学園の人だけの気軽なパーティーは初めてだ。ダンスも必須ではないとの事が、一番嬉しい。
サン王子を見つけ、エイラと別れる。
ルイとルビーが仲良く話しているのを見つけ、カイルと嬉しく見つめていると、レックスがノックと共にやってきた。
スーツ姿のレックスは、周りの目を釘付けにしている。
「カイル、交換だ」
レックスの言葉にカイルは笑っている。
隣に来たレックスは、オーレリアの手を優しく握る。
「スーツ似合ってるね」
「そういうドレス姿もかわいいな」
二人で同時に話してしまい、目を見合わせて笑った。
音楽が流れ始める。
ノエルとリリアがダンスをしている。
流石である。皆の注目の的だ。
他の生徒もフロアへ集まり始める。
「オーレリア踊りたい?」
レックスが確認する。大きく首を振るオーレリア。苦笑するレックス。
「レックスは……踊りたい?」
オーレリアが恐る恐る聞く。
「ううん。全然」
ほっと胸を撫で下ろすオーレリア。
「じゃあ、あっちで何か食べよう!」
オーレリアがレックスを引っ張る。カイルとノック、ルイとルビーもいた。ダンス苦手組である。
「レックス、オーレリア」
ルイが気付いてこちらに来る。
「色々ありがとう。おかげでルビーと仲良くなれた」
「ふふふ、良かったです! 帰っても、ルビー様と仲良くしてくださいね」
「俺は何もしてないが……」
一番の貢献者が何か言っている。
「オーレリア様」
ルビーもこちらへやって来た。
「ルビー様、明日は帰国ですね。寂しくなります」
オーレリアが伝える。
ルイとルビーの成り行きを、こっそり見守ってきた身としては寂しい。
「そう言っていただけて、光栄です。私もオーレリア様とお話しできて良かったです」
ルビーが何か言いたそうに、そわそわしている。
「どうかしましたか?」
オーレリアが首を傾げる。
「あの……心配事のこと、元気になられたようで良かったです」
そう言って笑う。
栽培室で会った時に、ため息をついていたオーレリアを、心配してくれたようだ。
「心配してくれたんですね? ありがとうございます。もう大丈夫です」
「ぜひ、太陽の国へも遊びに来てくださいね」
微笑む二人であった。
パーティーも終盤。
人混みに疲れたレックスとオーレリアの二人は、会場から出て春にお昼寝したベンチに座っていた。
「オーレリア、何か悩み事でもあったの?」
張本人が訪ねてきた。
ルビーの言葉が気になっていたらしい。
「レックスのせいなんだけど?」
「え? 俺?」
レックスが慌てている。
「でも、もう大丈夫」
そう言って、自分から手を繋ぐオーレリア。
レックスが少し驚いた顔で見つめる。
「……嫌?」
オーレリアが少し照れながら、レックスを見上げる。
オーレリアから手を繋がれたのは初めてだ。
「……その上目遣い反則」
レックスは空いている方の手で顔を隠す。
じっとレックスを見るオーレリア。
レックスの耳が真っ赤である。
「何見てるの?」
「照れてるレックス珍しいから観察してるの」
「意地悪」
「あはは」
レックスが、オーレリアを優しい目で見つめている。
二人の影が重なった。
会場の外から声が聞こえて来た。パーティーが終わって、皆寮へと帰りだしたようだ。
「……俺達も戻ろっか」
「……うん」
手を繋いだまま、寮へと戻る二人だった。
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