↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/2

プロローグ 異世界

「魔法は人類が作り出した叡智の結晶である。だが、人類は魔法を使うには愚かすぎた。」

これは人類の英雄「トーマン・コレアス・ニコラス」の名言の一つである。


魔法は約300年前、人類によって創り出された。最初は蝋燭よりも小さいくらいの炎や埃がまう程度の風しか出せなかった。だが10年経つと炎はイノシシを燃やし、風は家屋を破壊するほどに成長した。


50年経った頃に、重力をも操れるようになった。その頃、魔法が誕生した年を0年とする、「魔法暦」がつくられた。


魔法暦158年、魔法は成長して、強大な力を得られるようになった。その年に魔法を悪用するもののことを

悪の魔法使い、悪魔と呼ぶようになった。


魔法暦189年、悪魔王「クライン・アーノレス」が人類に戦争を仕掛けた。世界で大罪を犯した人間は、後にも先にもクラインだけだった。


魔法暦226年、英雄「トーマン・コレアス・ニコラス」一行が打倒悪魔王を掲げ、旅に出た。


魔法暦238年、49年続いた戦争は、トーマンによって終止符を打たれた。トーマンは世界最強の称号「コレアス」の名を授かって、英雄の2つ名を与えられた。


この時、魔法暦は使わなくなり、トーマンが悪魔王を討伐した年を0年とする、英雄暦を使うようになった。そして、魔法は使われなくなり、蔑まれ、剣術を伸ばすものが増えた。



ーーーーーーーーー



「何が英雄暦だ。何が剣術だ。何が英雄だ。魔法はこんなにも素晴らしいのに。」

英雄暦81年。魔法がもう使われなくなった頃にさえ、魔法を愛していた男がいた。


「おい、悪魔はどこへ行ったんだ?こんな時代に魔法なんか使いやがって。」


今、俺は魔法撲滅協会、通称魔滅のやつらに指名手配されている。

クソ、ただ魔法の素晴らしさを演説しただけじゃないか。隠れて少し炎を出したくらいでこんなに目にあうなんて思わなかった。


「悪魔よ、聞いてるか!お前の居場所はわかっている!捕まるのも時間の問題だ!早く出頭にしに来い!」


俺は、姿を透明にする魔法を使っている。だから見つかっているわけがないが、魔力にも限界がある。時間の問題だ。どうすればいい。


兵はざっと50人は超えている。こんなに兵が出てくるのは見たことがない。魔法を使ったものは極刑、流石に言い過ぎだと思っていた。デマだと思っていた。だが誇張なんかじゃあなかった。俺は魔滅を甘く見ていた。


クソ、死ぬのは嫌だ。魔法を使えなくなるのは嫌だ。どうすればいい、どうすれば生きられる。



ーーーーーーー



とりあえず町外れまで来た。タイムリミットは迫っている。どうすれば生きられるかを考えるべきだ。


自首するのはダメだ。絶対に死ぬ。死刑になる。

逃げればいいんじゃないか?地の果てまで逃げ続ければ。いやいずれ限界が来る。魔法を使ったものを逃しはしないだろう。


「あの魔法を使う時が来たのか…」

俺は様々な魔法を開発した。その中のひとつ、「転生魔法」

自身の魂を他の肉体に宿らせる魔法だ。自分自身、どうなるのかはまだ分からない。

第一、この魔法はまだ開発途中だ。だが、これしか方法は無いのかもしれない。


俺は地面に転生魔法の魔法陣を書く、この魔法は魔力消費どころか、魂をも消費する。

故に、魔法陣も巨大だ。消費するものが多ければ多いほど、魔法陣は巨大になる。


足りないものも多い。おそらく、いや確実に完全では無いだろう。もう魔滅の奴らにも見つかる頃だ。魔法陣を見られる前に、早く。もし解析なんかされたら次の人生もどうなるか分からない。


もう魔法陣は完成した、魔力を流すだけだ。だが、やっぱり。嗚呼、怖い。死というものがこんなにも怖いとは。もしかしたら死ぬだけかもしれない。失敗して処刑台に乗ってしまうのかもしれない。ただ、やるしかないんだ。


俺は全身から、その魔法陣に向かって魔力を込める。

「なんて美しいのだろう。」

こんな土壇場なのにも関わらず、率直にそう思った。

魔法陣は、端から徐々に光を灯していった。言葉で表せない。俺の全てをかけた魔法だ。美しくないわけがない。

中央には五芒星が描かれている。五芒星は、とても明るく光っていた。


どこの誰に転生するのかは、分からない。記憶が残るかだって、運次第だ。

ただ、俺は魔法を極めたいだけなのだ。その気持ちを忘れず、ただ魔法を愛せれば、どこの誰でも構わない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。