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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
三十九話:『纒 慎二』と呪われた大陸
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宿舎の中には、大きな食堂もあった。

長いテーブルがあるけど、利用しているのは数人だ。

俺たちのパーティと、ここに派遣された兵士。

どうやら彼らは交代で、このトロンダールの守備をしている兵士だ。


俺たちは、一つのテーブルを占拠する。

ユキと、もう一人が作った久しぶりの食事。

主に焼き魚中心の食事が、テーブルの上に並んでいた。


「うまいか、サラ」

「おいしいですよ」俺の隣にはサラが座っていた。

元気はなく、ほとんど食事もつけていない。


「でも、シブーストさんが反対するとは思わなかったっす」

「僕もいろいろ考えたんだ。考えた末に、サラちゃんを守る方法はなかった」

「あなたの情報の出どころは、どこなの?」

シブーストの隣に座るレティアが、聞いてきた。


「僕は、十五年前の調査団から聞いた。一応元ラバンティス軍だし」

「そう……それなら、この大陸には何があるの?」

「絶望と、地獄しかない」シブーストの言葉には、重みがあった。

「じゃあ、なんで私たちについてきたのですか?」

落ち込んだサラが、シブーストに叫んだ。


「サラちゃん……君を止めるためだよ」

「それだけなら、ここに来るまでにチャンスがあったはずっすね」

「それに、僕はこの大陸で探さないといけない」

「アンジュとの例の話か?」

肉をフォークで刺して、ユキがシブーストを睨んでいた。

アンジュとの話、俺は理解できなかった。


「まあ、僕らにはそれが転生の最終目的……みたいなものになっていたからね」

「お前は、アンジュと仲が悪いのではなかったのか?」

「まあ、そうだ。途中から、黒兵衛に僕は従っていたからね」

「で、サウザンヌ王に寝返ったと」

「いや、ハーレムパーティのリーダーだよ」

シブーストがレティアにウィンクをしていた。

「リーダーはあたし」憮然とした顔で、レティアはそこを譲らない。


「ま、まあ……レティアちゃんの怒った顔もかわいいよ」

「うるさいわね」かわいいと言われて、照れているレティア。

分かりやすいツンデレだ。


「その例の話とやらは、ユキは知っているのか?」

「いや、それがしも詳しいことは知らぬ。

その話は、かつての皇帝フロランタンすら知らぬ」

「どういう意味だ?」

「簡単な話、『アニーの工房』で集まった人間の話……ということだろう」

「流石はユキ、わかっているな」

「アンジュは、テスコンダル大陸に興味を持っていた。

その噂は、帝国の中でも……割と有名な話だ。

それがしの『黒兵衛会』でも、テスコンダルの話は出ている」

「同時で、動いていたということか?」俺がユキに問いただす。


「まあ、そうだろうな。

黒兵衛も、アンジュも戦いながらテスコンダルにそれぞれ調査をしていた。

マトイ殿『安土剣豪』の主人公は誰だ?」

「んー、誰だ?『新田 諭吉』か?」

思い出したのは、ゲームパッケージに書かれた一人の武将。

戦国時代に、有名な大名の剣豪で国を追われて戦った鬼神の武将。それが、『新田 諭吉』だ。


「まあ、そうだろうな。圧倒的な強さに、悲運な運命……熱い男。

彼が、主人公と見てもいいだろう。それがしは『ミゾレ丸』だと思っているが」

最後の小さなセリフは、ユキの思いだろう。


「それがなんだ?」

「それがしたち旧『黒兵衛会』は、『新田 諭吉』を探そうとしていた。

まあ、主人公のキャラが転生されているとは限らないが……一応、そんな夢を抱いて情報を集めていた」

「そう、だから僕らもアニーを追いかけている」

そうだ、『アニーの工房』出身のシブーストだ。

シブーストが、探そうとするのはアニーだ。だから二人ともついてきたのか。


「つまり、そこで情報を得て……」

「まあ、実際は帝国領内を調べたがアニーの情報がなかった。

だから、この大陸に来た……というわけさ」

「それでも、サラを帰そうとする理由はないだろう」

「この大陸は危険すぎる。未知なものが多い。

魔族のほかに、いろんな魔物がこの地にいるだろう」

「それでも、俺は……サラを守る」

「できるわけがない。魔族がどれぐらいいると思うのだ?」

「その話、俺にも混ぜてくれないか?」

そんな議論の中で、トレーを持ったまま一人の男が姿を見せた。

それは、アントンという男が俺たちの前に現れた。



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