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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
八話:『纒 慎二』と潜入作業
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兵士たちは、ドアの前に並ぶ。だから俺は、ドアの前で壁の近くで間抜けな表情で立っていた。

どうもこのグリゴンの顔は、目や口が細長く、いつも眠たそうだ。

サラの持っていたリュックを、右肩にかけて見ている。

無論、変なことが起こるはずもなく、暇な時間が続く。

だけど、眠ることはなく目を光らせていた。


(次から次へと)俺は重い体を起こして、一人の人間を呼び止めた。

それは黒い仮面に黒いマントといういかにも怪しい人間が、並んでいた。


「お前はなんだ?」

「私だ、気にするな」

「そうはいかん」

ドア越しに並ぶ黒い仮面の男を、俺は呼び止めていた。

不服そうな態度で、俺に呼ばれてじっと見ていた。

無論、仮面越しでどんな顔をしているか知らないが。


「なんだ、前に見たことがあるではないか。クマ男」

「悪かったな、クマ男で。影医者マウンだっけ?」

「よく覚えているな、クマ男」

「マトイだ、ちゃんと覚える気がないだろ」肩に手をかけて、行列から引き離した。


「私を外すのかね?」

「明らかに、ケガしているようには見えない」

「人を見た目で判断してはいかんよ、クマ男くん」

「お前のほうが、よっぽど見た目で判断しているしな」

やれやれと俺はため息をつく。


「サラはこの中か?」

「そうだが……会いに来たのか?」

「そういうことだ」マウンは静かに頷いていた。

「彼女は、レジスタンスの仲間になったのか?」

「いや、医者として契約している」

「そうか、サラはここで施術をするのか」

「ああ、あんたも見た目は闇医者で悪い薬でも使いそうに見えるが」

「そうかもな」怪しくポーズを取っている闇医者マウン。


突然マウンが、かかとを上げて背伸びをしてから俺に耳打ちをする。

「もしかして、お前らは『ノクセント』を探しているのか?」

その言葉に、俺の顔が驚きに変わった。マウンは背伸びをやめて、俺を笑いながら見ていた。


「どうしてそれを……」

「私はなんでも知っている、影医者だからな。だが私もそれを先に手に入れるつもりだ。

健闘を祈っているよ」背中を向けて、手を上げて俺から去っていった。

しばらく、俺は影医者の背中をじっと見ていた。



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