第3主 リノー
予言された息子はもちろん、帝には生まれました。その子をリノーと名付けて、帝は彼を後継者として育てていた。
自分には姉がいることを知らずに、リノーがあまねくことを教われて立派な王子として生きていた。
だが彼の父である帝はコーラの予言を忘れなかった。毎日毎日、彼女の言葉を思い出し、自分に息子より先に娘を産めた女を探し続けていた。
動力を尽くして、長年が経っても息子の姉は見つからなかった。
そしてある日、帝は自分の命が終わりに向かっていると気づき、リノーに玉座をやった。
二十歳になったリノーは位と権力と共に父の遺言を貰って、父の遺言にもちゃんと耳を傾けた。
「君には姉がいるんだ、息子よ。命を懸けても自分の娘は見つからなかったが、君は彼女と会えるでしょう。君が生まれて一年前に、そう予言されていたからじゃ」
その夜に先帝が死んで、リノーが帝国を治める帝になった。
政に励んでも、若い帝は父の遺言は忘れなかった。自分には庶子の姉がいると言う思いをどうしても頭からどうしても捨てられなかった。
結局、先帝が死んでから二年、リノーは人口調査を行う命令を出した。表では、自分の帝国の人口を知るための調査でしたが、リノーはひそかに自分の庶子の姉が見つかる願いを抱いていた。
果もない帝国の各地に調査を行わせるために使者を差遣して、リノーはそのまま政に励み続けていた。そうしながらも、子供のころから好奇心の強い彼は色んな物に向けてまだ科学者的な意思も抱いていた。彼に書かれていた色んな本の質がそれほど高くて、彼の名は付いていなくても人々に好かれていた。神でしか覚えていない頃から貴族だけのものだった魔法学にも高い成果を見せて、彼の腕は高かったからこそ認められていた。
時が経ち、人口調査も大成功に終わった。だがリノーは調査報告をどれだけ読んでも、どれだけ調べても、自分の姉である人物は見つからなかった。結局彼は先帝に二人の子供を予言した人の直接姉のことを尋ねようとした。だがコーラは数年前に家を出て、それ以来戻らなかったと言う報告が、リノーのところに帰って来た。
姉を見つけ出す願いはあまりにも強くて、リノーは宿命で導かれることを望まずに、また別の手で自分の肉親を探すことにした。そのために、彼が振子に魔法を入れて地図の上に振り下げた。
まず彼は自分の姉のことを訪ねたが、彼女のことを何も知らなかったせいで振子も答えを出せなかった。それから彼はコーラのことを訊いた。今回振子は二つの町を示した。調査報告を思い出して、リノーはそれを再確認して、その二つの町の一つにはコーラはちゃんといたことが分かった。
そして二十三歳になったリノーは随員を集めて旅に出た。随員には自分の帝国を巡回して自分の民を見るためである旅と教えたが、本当はあの二つの町にだけ興味を持っていた。
道に色んな町に来て民に多く歓迎されていたリノーはやっと人口調査に乗っていた町に辿り着いた。だが、コーラはそこにいなかった。そうしたらリノーは二番目の町に向かうとした。あそこに行くため、二本の道があった。一本目は森と谷を通って真っすぐあの町に繋がっていたが、二本目は北にある村を通って進んでいた。二本目の道を選ぶようの助言が何人も述べたが、リノーは誰とも聞かずに一本目の道を選んだ。
一日をかけても、リノーたちはその道にどんな家にも宿にも出くわさなかった。なんでその道はそんなにさびれていると随員たちに聞いて、北の道があるからその道はあまり使われていないという答えを貰った。
だが黄昏のころ、森と谷の境に立つ家が現れた。あの家を見て、リノーが随員たちに訊いた。
「なんだ、その家は?なぜ余はそれのことは何も知らない?」
しかし随員たちはその質問には答えられなかった。人口調査の時には調査しなかった家だったんだから、今は何を言ってもその失敗を詫びることしかなかったから。だが若い帝は随員たちの顔を見て、彼らを叱るかわりに支持を出した。
「そこで泊まれよう」