8話 主席じゃないんですか!?
「え――っ!冬斗くんが2位なんですか!!」
あ、取り乱してすみませんでした。
なぜ、私が取り乱したのかと言うと、今日は、実力テストの結果が出たのですが、今まで入学以来、学年主席をキープしてきた冬斗くんが今回は、なんと、2位だったんです!!
「で、主席は誰なんですか!?」
「それが…」
「あ、2人ともおはよう!!」
と、ここで、千夏ちゃんがやって来ました。
そういえば、こないだ朝も一緒にと誘ったんですが、朝は寝坊をするからと断られちゃいました。
授業中もよく寝てるのに…
「あ、それで、誰なんですか?」
「それが、コイツなんだよ…」
指が指してる方向は、まさかの千夏ちゃんでした!!
「え、私だったの!?」
「そうだよ…」
「それは、おめでとうございます!」
「うん、ありがとう」
「・・・」
ふ、冬斗くんが、今までになくすごく落ち込んでます。
主席を奪われたからって、普通、そんなにも落ち込みますかねえ~
やっぱり、負けず嫌いの人の気持ちが分かりません!
「あ、こんな所にいたのか。みんな、おっはー!!」
「秋良くん!!おはようございます」
「ん!?どうしたのコレ?」
「コレとは、冬斗くんのことですか?」
「そうだよ。この物みたいなのはなぜ…」
秋良くん、物扱いはヒドイですよ…
確かに、物みたいですけど…
「それは、テストの結果が主席ではなく、2位だったからです」
「え、それだけ!?」
「そうです…」
「それで、主席は誰だったの?」
「ここにいる、千夏ちゃんです!!あ、お二人とも会うのは初めてでしたね!」
「「いや、会ったことあるよ」」
え――――っ
二人とも、初耳ですよ!
これは、冬斗くんの主席脱落より驚きました。
「え、いつですか!?」
「私が、転校してきた日」
「それで、どこで会ってたんですか」
「いや、ゆうりちゃん、よく会ってるような感じで言うけど、数回しか会ったことないから」
「あ、そうですか。で、どこで会ったんですか?」
「いつもより、食いつきが良いね~」
これは、とっても気になります。
2人とも、まったく共通点がなさそうなのに…
「そんなことはいいですから教えてください!!」
「どうしようかな~」
「千夏ちゃん、ヒドイですよ!!」
「じゃあ、しょうがないから教えてあげるよ。こないだ、迷子になったて言ったでしょ」
「言ってましたね~」
「それで、助けてもらった人がこの人」
「そうだったんですか。てか、何で言ってくれなかったんですか!!」
「2人が知り合いだとは知らなかったから」
「俺は、わざわざ言う必要がないと思ったから」
「千夏ちゃんはともかく、秋良くんはさっきから何気にひどくないですか!」
「そうかな~あ、とりあえず主席、おめでとう」
「ちょっと、話を逸らさないでください!!何か隠してるんですか?」
「それは~あ、もう時間だよ。また後で!!」バタバタ
「あっ、待ってください!!」
「もう行ったよ」
「そのようですね。あとで、とっちめなくては!!」
「じゃあ、行こうか」
「そうですね。冬斗くんも落ち込んでないで行きますよ!!」
あ、言い忘れてましたが、実力テストで私はなんと4位だったんです!
今日は、自分へのご褒美に好物のショートケーキを買って帰ります。
追伸:放課後、ちゃんと秋良くんをとっちめようとしましたが、またもや逃げられました。