みなとちゃんと友達とお休み
透輝君は水墨画の住人だ。
墨色の髪の毛。灰色の目。青白い肌。
制服は濃い紺色で、スクールバッグも似た色合いのものを使用している。
そして、汚れが一つもない真っ白な運動靴を愛用している。
配色が見事に無彩色。
私としては、もう少し色味のある明るい色を入れたらどうかなって思うけど、そこは好みの問題になるのかしら。
「ん? どうかした?」
「ううん、なんでもない。おはよう、透輝。今日は一人なの?」
きょろきょろと辺りを見回すが、結城さんの姿が見えない。
「乙葉は数日間学校を休むようだから、今日は来ていないよ」
「えっ、大丈夫なの!?」
昨日、実は調子が悪かったのかしら。
お兄さんと一緒に帰宅するようだったから、そこまで気にかけなかったけど、あまり良くない判断だったかも。
「うん、大丈夫、大丈夫。検査の結果が出るまでは外出が出来ないだけで、本人は元気にしているよ」
そう言って結城君は、下駄箱から上履きを取り出して履く。
深刻そうではなくて良かった。えっと、病気ではないよね。結城さんはロボットだから故障になるのかしら。早く直ると良いんだけど……
結城君は、このまま教室へ向かうみたい。
私は、これから用があるから、此処でお別れかな。
「港、終わった? 教室行く?」
一緒に登校していた沢村さんが、ぴょっこりと下駄箱の裏から現れる。
「あっ、教室に行く前に自販機で飲み物を買うから、ちょっと待っててね……透輝、また後で」
今日、ペットボトルを持ってくるの忘れちゃったんだよね。
休み時間は短いから、なるべくなら無駄にしたくない。かといって、お昼休みに買いに行くと大抵混雑しているし、今の空いている時間内にゲットしちゃった方が吉かな。
時間は無限じゃないからね。




