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みなと君と心配性な幼馴染


 なんということだろう、俺が体育倉庫に閉じ込められてしまったばかりに、二人の幼馴染たちが過保護モードになってしまった。

 ノリの良い俺は通常なら楽しく「はわわっ、はわわっ」と反応するのだが、現実が俺を苦しめる為、そんな余裕が今はない。つまらん。


 蛍都さんは別に構わないんだけど、純一が…………何か距離が近いっていうか離れないっていうか、はぁ、どうしよう。

 前の状態に戻ってくれないかなぁ、面倒だ。



「湊、ため息ついてるわね。昨日のことで疲れているのよ、今日は早めに休んだ方がいいわ」


 蛍都さんがそう言って、俺にお菓子をくれた。女の子からの甘いもの、これは家宝にすべきか、悩む。

 なーんてね、美味しく頂きます。



「ありがとう、でもそんなに心配しなくても大丈夫だよ」


 いやー、誰かに心配されるっていいね。心がじんわりと暖かく、くすぐったい気持ちになる。そして、だんだんと照れるこの感情、摩訶まか不思議ですなぁ。

 俺ってば愛されている……いや、俺じゃなくて、みなとちゃんか。



「また連れ込まれるかもしれないから、絶対に一人になるなよ」


 純ちゃん、君さ、普通に会話に混ざっているけど、クラスが違うでしょう? しかもジャージに着替えているってことは、次の授業が体育だろ。

 俺に構ってないで、水分補給したら、集合場所へさっさと行きなさい。


 これだよ、これ。純ちゃんが休み時間の度に会いに来るんだよ。しかも移動教室があっても、関係なしに。俺の生存確認かよ。

 正直、心配してくれるのは嬉しいのだが、やり過ぎだと思う。メシ食う時でいいよ、会いに来るのは。

 俺はマジで大丈夫だから、ほっといてくれ。このままだとストレスでハゲる。純一は猫を飼うと構いすぎてハゲさせるタイプだ、絶対。



「純もしばらくしたら落ち着くと思うから」


 蛍都さんが小声で、こっそりと優しく純一をフォローする。

 仕方ない、当分の間は借りてきた猫のように、おとなしくするとしますか。

 



 蛍都ちゃんから貰った飴を口にいれる。ピンク色のキャンディーだ、味はなんだろう。



「……ほごっ」


 鼻からも口からも芳香が抜ける、めっちゃフローラル。

 す、すごい強烈な味だ。初めて口にしたけど、インパクトがありすぎキャンディ。

 チラッと飴が入っていた包装を見てみると……



 ローズキャンディー。



 うん、匂いでわかっていた。

 ……わかっていたけど、俺はわからなかった。

 だって、こんなに薔薇味が強い味だと知らなかったのだから。

 薔薇は匂いも味も俺には合わないな。それがわかって良かった、良かった。


 気付かせてくれてありがとう、飴ちゃん。ありがとう、蛍都さん。

 やっぱり俺に合うのはクールなミントだな。スースーするハッカ、チョコミントがサイコーだぜ!!







 


 



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