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みなと君と委員長

「――許さない、許さない、絶対に許さない、あの女! なんて、女なの、あり得ない、あり得ない!! 絶対にあり得ない、最低な行為なんだからねぇっ!!!」


 ひ、ヒエエェェーーー、やべぇもん見ちまった。

 倉モッチー先生のお使い帰りに通った渡り廊下で、俺は見てしまったのだ。

 虹野夜美ちゃんが初代理事長の胸像を、げしげしと思いっきり蹴っているのを……

 エエェェェーーー、俺はどうすればいいんだ。見て見ぬふり? それとも止めるべき? 分からん。誰か俺に教えてくれ、プリーズ。



「……女の子の黒い秘密を知ってしまったぜ」


 女子怖すぎる! 怖すぎる!! 今日は真っ直ぐお家に帰るぜ。道草、寄り道、断固拒否。



 すーはーすーはー、深呼吸、落ち着くのだ、俺。

 ちょっと衝撃的なものを見たせいで、心臓がドキドキしてしまったぜ。



 さてさて、虹野さんが怖いので、そのままにしておきたいのだが、やはり注意をした方がいいだろう。

 みなとちゃんなら悪いことをしていたら、きちんとしかってくれそうだし。俺、上手くたしなめられるといいなぁ。


 ――はぁ、現実逃避してないで、そろそろ行動開始としますか。






「夜美の邪魔をしたら、ただじゃ置かないからねぇっ!!!」



 ……嗚呼、ちょっと目を離した隙に、虹野さんが回し蹴りまでしてる。アグレッシブな一撃。なんかスッゴいストレスを溜めているのだなぁ。まじで説得にいきたくね〜〜


 俺が「これ以上理事長の胸像をいじめるのは、止めたまえ!」なんて言って止まるかな〜? むしろ、逆上しない? 俺、無事でいられるか、ちと心配です。




「……こんな所にいましたか。探しましたよ、相風さん」



 虹野さんを遠くからこっそりと観察していたら、背後から急に女性の声がした。

 ううん? というか、話し掛けられたよな。

 誰だろう、あと何の用だろう?




「えーっと、確か同じクラスの……」


 俺の背後には、我がクラスの学級委員長の竜頭りゅうとう実結みゆさんが立っていたようだ。


 竜頭さんは、肩くらいの長さのアシンメトリーな藍色の髪型が特徴的な女の子だ。とろんとしたタレ目がちな蛍都ちゃんの緑色の瞳と違って、キリッとした黒色の瞳の色をしている。


 なんというか、仕事をテキパキ片付けている出来る秘書という雰囲気ふんいきだなぁ。才女だ、才女。エリートの香りがします。




「はい、竜頭実結です。その、相風さん、彼女に見付かると厄介なので、ずは校舎に入りませんか」


 竜頭さんは、チラリと虹野さんに目を向けた後、俺に提案する。


 虹野さんが大変気になるけど仕方ない。

 隠密の為にしゃがんでいたけど、移動するので、さっさと立ち上がりますかな。どっこいしょっと。


 



初代理事長の像:中庭に設置されている胸像。イベント委員会が頻繁ひんぱんにお洒落に装飾しているお気に入りの像でもある。四月の現在は桜の枝(造花)を手に持ち、背中に幟旗のぼりばた(大きく『皆さん、入学おめでとう!』と書いてある)を背負ってる。学園で一番生徒に弄られている像。

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