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攫われたみなとちゃん2

 初めに壁側の床に異常がないか調べてみる。


 フィクションで有りがちな床の一部が取れて、そこに仕掛けがほどこされている……というのは、なかった。ペタペタと念入りに触ってみたけど、至って普通の白い床だった。


 次は壁の部分を調べてみるけど、壁にも細工がなかったら、天井を調べないといけないね。さいわいなことに私は、現在男の子だから、手を伸ばしながらジャンプすれば届くし。

 それでも何もなかったら、完全にお手上げだ。恥を捨てて、カレンちゃんに泣き付こう。バッドエンドには行きたくないし、しょうがない。



「さてと、壁には何かあって欲しいっと……と、おぉ?」



 いきおいよく壁を触ると、壁がくるりと回転して通路に出ることに成功した。

 なんとまるで忍者屋敷、はたまたカラクリ屋敷? すごーい面白いギミックだ。まるで、遊園地のアトラクションみたい。

 早速、このワクワク感を共有する為に、カレンちゃんへ報告をしないと。



『ミーナ、それでまたスタート地点に戻って来たのね』

「いやー、だって、通路で騒いだら見付かるかもしれないし、会話するなら、この場所がいいと思って」

『まぁ、私も重要なことを言うの忘れてたから丁度良かったけど、一応時間制限があるんだから、きびきびと行動することを心掛けないといけないわよ』


 カレンちゃんも丁度私に用があったみたいだし、ベストタイミングで戻って来たのかな。うん、無駄がなくて運が良いみたい。


 そうそう、カレンちゃんの言い忘れてって何かしら?



『宇宙船から脱出する方法は二つあるんだけど、今回は何も準備をしてないから一つだけね』

「準備?」

『それについても後々説明するから待ってて。まず一つ目だけど、普通に船から出て脱出する方法ね。これは始めから準備をしないと使えない手なの。なぜなら、今この船は山に停泊していて、ミナミナの家からかなり離れているからよっ!!』


 な、成る程、確かに使えない手だ。私は今寝巻きで、しかも靴も履いてないから裸足はだし……これで下山するのは大変危険だ。

 それに、運よく無事に下山が出来ても、パジャマで道路を歩くなんて絶対に補導される案件だ。ハードすぎる。



『ミナミナが一回だけやっていたけど、しんどそうだったわよ」

「みなと君すごいね、チャレンジしてみたんだ』

『ええ「一回こっきりでりだーっ」って、げっそりして言ってたわ。近くの茂みに、着替えと運動靴と懐中電灯等を隠して、山の入口には自転車を停めておいたりと準備万端だったけど、ヘトヘトになって帰って来たから、相当疲れると思うの。流石に、あの時はいたわってあげたけど、ふふん、懐かしい思い出だわ』



 一つ目はしっかりと対策を立てても、きつそうな脱出方法なんだなぁ。今の状況下では絶対選べないし、二つ目はもう少し楽な手段だといいんだけど。


『使えない一つ目の説明はこれくらいにして、二つ目の脱出方法の仕方を教えるわ。それは、この船にある転送装置を使って脱出する方法よ。だいたいミナミナは、家に一番近い公園に設定してるわ。これが一番問題が少ない手段ね』


 ふむふむ、転送装置を使って逃げる方法か。これならすぐに帰宅出来るし、警察にも見付からなさそう。みなと君の家から一番近い公園ならば、そんなに裸足で道路を歩かなくて済むから、怪我も山道に比べれば大丈夫かな。

 危ないものを踏んづけないように気をつけて歩かないとね。



『公園ならそこそこ近いから私が靴を届けてあげれるし、上着も持ってきてあげれるから色々と楽よ』


 一つ目に比べて二つ目は、本当に簡単なんだなぁ。一つ目はハードで、二つ目はイージーって感じだね。


 さてと、転送装置を見付けないといけないんだよね。毎回決まった場所にあるのかな? それともランダム? カレンちゃんにちゃんと確認しないと。



「その転送装置って、どういった場所にあるの? 固定? それともランダムで置いてあるの?」

『転送装置は決まった場所に置いてないわね。そうね、大抵は休憩室や更衣室、あとは食堂のような広い部屋に置いてあるパターンが多いけど……たまに変な所に置いてある場合もあるから、しっかり部屋を調べた方がいいわ。ミナミナは何回か調べ直しがあって面倒だったから、急がば回れってやつね』


 転送装置はランダムに配置しているため、念入りに部屋をチェックした方がいいんだね。分かりにくい場所には置いてないといいけど、これに関しては運が関係してそうだなぁ。

 残念ながら、今日の私は星占い覚えていない。今度から、そういうのも気にしとこうっと。



『あと質問あるかしら?』

「転送装置ってどんな形をしているの? ノートパソコンみたいな機械かな?」

『占い師が持っているような水晶玉で紫色をしているわね。休憩室や更衣室にある場合は、テーブルに置いてあるメモ帳のペーパーウェイトに使っているから、すぐに分かると思うわ』


 転送装置は紫色の水晶玉か……テーブルの上だったら直ぐにでも見付かりそうだけど、棚の上や中だと見付かりにくいね。



『あと使い方だけど、それについては転送装置が見付かったら教えるわね。他に質問はあるかしら?』


 うーん、だいたい知りたいことは聞いたし、特に今はないかな。うん、大丈夫だね。



「知りたいことは、全部教えてもらったよ」

『それならいいけど、分からなかったことがあったら連絡してね。連絡する時は必ず人気のない場所ですること。見付かったらやり直しになるから気をつけなさい』

「うん、了解しました。それじゃあ、早速スタートするね」

『ミーナ、頑張ってちょうだい。じゃあ、また後で……』



 ブツっとカレンちゃんの回線が切れた音がした。

 この指輪は通信機能もあって便利だなぁ。こういう非常事態に大変役立つ装備品だよ。


 よし、結構カレンちゃんと話し込んじゃったけど、転送装置を探しに行くとしますか。


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