第二十三話 「プレゼントの強度は、国家予算級だ」という話
いずれ菜摘ちゃんも出したい。かわいい女の子成分がなさすぎる・・・
放課後の談話室は、
「サエキの彼女(仮)対策会議」の会場になっていた。
「テディベアは弱い!」
「王室御用達の香水だ!」
「いや、カシミアだ!包容力を見せろ!!」
好き勝手言いやがる。
「うるせぇよ」
拓海が頭を抱える中、
エドワードは、
一番高いソファに鎮座していた。
まったりと動かず、
ただ、カタログだけを見ている。
「……タクミ」
嫌な予感。
「その『ナツミ』という個体は」
個体って言うな。
「料理以外の技能はあるのか」
「ねぇよ」
「普通に可愛い、普通の女子だよ」
沈黙。
「……普通」
エドワードの眉間に、皺。
「攻略難易度が高いな」
「ゲームじゃねぇよ」
一拍。
「……ならば」
カタログがめくれる。
「圧倒的な質量で粉砕する」
「やめろ」
「菜摘を喜ばせたいだけだよ俺は」
「ならばこれだ」
指が止まる。
「ダイヤモンドの原石」
「却下」
即答。
「未来の象徴として――」
「重い! 怖い! 捨てられるわ!んなもん!」
沈黙。
エドワードは、ふい、と横を向く。
耳。
少し赤い。
「……別に」
「対抗しているわけではない」
「はい出た」
「ただ」
「お前が」
一拍。
「ハミルトンの邸に招かれておきながら」
「安価なテディベアで妥協するのが」
「……美学的に許せない」
「それな」
「日本語で言うと焼きもち」
沈黙。
「……焼く?」
止まる。
「ローストか」
「違う」
エドワード、固まる。
数秒。
そして。
顔が、一気に赤くなる。
「……私は!」
立ち上がる。
「事実を述べているだけだ!」
「はいはい」
「テディベアよりも」
「お前の隣にふさわしい強度を」
「合理的に証明したいだけだ!」
「重いって言ってんだろ!!」
バァン!
扉が閉まる。
静寂。
「……なぁ、サエキ」
「……なんだよ」
「……お前」
一拍。
「罪な男だな」
「うるせぇよ!!!!」
拓海は、天井を見る。
思い出す。
菜摘のキラキラと輝く笑顔。
「……ごめん」
拓海は顔を両手で覆いながら小さく呟く。
「イギリス、ヤバいのしかいねぇわ」
暖炉の火が、パチッと小さく爆ぜた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
悠馬君の父、佐伯拓海と、ノアの父、エドワード・ハミルトンのお話です。
いいねや感想など、いつも励みになっています。
この話もゆるく続いていく予定なので、
また気が向いたときに覗いていただけたら嬉しいです。
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