↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
53/64

52話 シャカラの過去

〜〜ヘイロンside〜〜


説明された作戦というのは、本当に簡単な物だった。


始めに、フォルディナ、カミラは、他の反王宮側の人間を連れ、国の住民に避難を喚起する。


恐らく、その行動に王宮の兵達が動き出すが、まだそれでは俺とシャカラは動かない。


王宮の兵達がフォルディナとカミラの動きに対応している間、ガダとラルは王宮に侵入。


侵入経路は、俺達がこの酒場に来る途中に通った洞窟を利用するらしい。


それでも、洞窟から出られるのは王宮の庭まで。

そこからは、王宮に忍び込ませていたスパイと合流して行動する。


恐らく、バレずに成功する事はないだろう。

王宮侵入側がバレた時点で、ガルーダ部隊が動くはず。


そこで俺達の出番だ。


ラルナ達が逃げ切れるまで、俺とシャカラでガルーダ部隊を止める。


「……できそうか?」


全てを説明した後で、ラルが聞いてきた。


相手の数と力にもよるだろうな……

流石に、ラジットのレベルの奴が何匹もゴロゴロ出るわけじゃないだろう。

相手にした事はないが、下っ端の奴等なら恐らく一人三匹。

ラジットが来れば、一対一……最悪、俺とシャカラの二人で相手をしなければならないだろう。


運が良ければ、一度に六匹を相手にできる。

悪ければ、四匹……もしくは一匹が限界になる。


…………


十中八九、ラジットは来るだろう。


「正直に言うと、難しいかもしれない。 最高六匹、最低四匹までしか、一度には相手できない」


俺はあえて、最悪の条件での数は伏せて答えた。


一匹しか相手にできねぇなんて、そんなんじゃ作戦にすらならねぇ。

意地でも四匹は相手にしてみせる。


「それだけ相手にできれば十分だ。 ヒマナも自分の国を壊したいとは思わんだろう。 せいぜい5、6が限度なはずだ」


なるほど……それでも、その中にラジットがいると考えると、やはり難しいかもしれないな……


「よし。 このまま何もなければ、作戦は今日の昼を過ぎた頃に決行する。 異論はないな?」


ラルのその言葉を聞き、全員が静かに頷いて答えた。



−−−−−−−−



気づくと、リュカとタドの姿が見えなくなっていた。


作戦に参加していないタドは、リュカを連れて先に避難することになっている。


いないって事は、もう避難したんだろう。


作戦決行までには、まだ時間がある。


他の奴等は、各々自分の武器の手入れなどをして過ごしている。


武器を持たない俺はというと、その他の奴等のことを見ながら、特になにもする事なく机の上に伏せていた。


……こんな時に思うことじゃねぇが……暇だな……


「随分と呑気だな」


「ん……シャカラか」


後ろから声をかけられ、首を持ち上げる。


「余裕そうだな」


「別に、そういうわけじゃねぇよ。 色々あったから、今はちょっと休んでるだけだ」


そう答えて、俺は首を元に戻して腕の上に顎を乗せた。


「私はそれを呑気だと言っているんだ」


いいながら、シャカラは俺の隣に姿勢を崩して座る。


俺はその姿を、横目でチラリと覗く。


いつもじじいの前じゃ、犬みてぇに姿勢良く座ってるが、こいつもこんな風に座るんだな。


「……なんだ。 ずっとこちらを見て」


視線が気になったのか、こちらを見ずにシャカラはそう言った。


「……別に、なんでもねぇよ」


適当にそう答えて、俺は顔を前に戻す。


「……」


「……私が、気になるか?」


「んあ? 」


急になんだ? こいつ。

気になるって……


「意外だったか? 私があんな発言をするのわ」


ああ……その事か……


恐らく、先ほどの俺を庇う発言の事だろう。

いや、もしかしたらそれ以前までの事も含めて言ったのかもしれない。


…………


「私も……」


シャカラの問いに黙っていると、シャカラは構わず話し始めた。


「昔はお前と同じだった」


「……」


「蛟族の村では、女は弱い生き物で、男は気高く強く、賢い生き物だとされていた。

そなため、もちろん村の王になるのは男だ。 それ以外にも、高い役職につくものは全て男に任せられていた。

一見、村の女を気遣っているものに見えるが、そうではない……」


「……差別……か」


「そうだ。 女は、なにをするにしても男に許可を得なければならなかった。 生きる為狩をすることも、身を洗う為水を浴びることも、村の上を飛ぶ事さえもな。

当然の権利を、女は男達に略奪されたのだ」


そりゃ他族嫌いにもなるわけだ。

他族どころか、同族の性別の違いだけでこうなってんだからな……


「そんななか、私は生まれた。 私の性格を知ってるお前だ。 この先どうなったのかは言わなくともわかろう……」


こいつの性格だ……

自分の妨げになるものは全て、力でねじ伏せようとしただろう。


「ああ……」


「…………いつの間にか孤立していた。

幾度となく問題を起こしてきた私は、何度も村から追放されかけた。 その度に、庇ってくれていたのは、私の母と父だ」


……母と父……か……


…………


「……そんな状態で、よく村の王になれたな」


「王になる事はなにも難しくない。 力が全てだった蛟族では、その時の王に勝てば良いだけだからな。

……私が王になった事で、その制度もなくなり、今までの風潮も、大分ましにはなったが、完璧には消えていない……」


ご閲覧ありがとうございました!


次回もよろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。