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アイコン三国志外伝  作者: 小金沢
群雄の章
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8/16

外伝(韓遂伝 〇〇一)  涼州の反逆児

~~~胡族(こぞく)の村~~~



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「戦争だーーッ!! 戦争だろうがこんなもん!」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「お、落ち着け北宮伯玉」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「誰が落ち着くものか!

このまま手をこまぬいていれば、俺たち胡族は皆殺しだ!

だったらその前に漢民族を皆殺しにしてやる!!」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「だから落ち着けと言っている。

私も戦争には賛成だ。だが頭に血が上っていては勝てん」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「なんだ、お前も賛成なのか。それならそうと早く言え。

何か考えがあるようだな」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「ああ。いくら無能で横暴といっても相手は漢の刺史だ。

州兵だけでも我々より多いのに、討伐軍も差し向けられるだろう」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「まだるっこしい! 結論を言え!」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「我々は裏方に回り、有力者を盟主に擁立する」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「は? 意味がわからん! ちゃんと説明しろ!」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「つ、つまり漢に不満を抱いているのは我々胡族だけではない。

周辺の豪族はおろか、漢の官民にも不平分子は多い。

だが我々が蜂起しても味方になってくれるのは胡族の仲間だけだ」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「だから名声や人望のある有力者を盟主に立てて、

豪族や官民を巻き込み反漢連合軍みたいなものを作るってわけか!」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「そういうことだ。すでに何人かに目星も付けてある。

早速、接触を図ってみよう」



~~~涼州(りょうしゅう)~~~



挿絵(By みてみん) 宋建(そうけん)

「あれ? もしかして勘違いしてる?

違う違う、詐欺とかじゃないから。

みんなで集まって、すげえことしようぜって話だから!」



挿絵(By みてみん) 王国(おうこく)

「むう……。確かに悪い話ではないと予も思うのだが」



挿絵(By みてみん) 宋建(そうけん)

「だったら迷うことなんてないじゃん!

そんなコスプレじゃなくてさ、本当の王様になるチャンスだぜ!」



挿絵(By みてみん) 王国(おうこく)

「だが勝算はあるのか? 刺史だけではない。

漢の国そのものを相手にすることになるのだぞ」



挿絵(By みてみん) 宋建(そうけん)

「俺らもあの刺史サマの横暴には頭に来てんじゃん。

民のみんなも圧政に苦しんでてさ、餓死者まで出てるし。

だったら俺たちが集まって、この国を丸ごと変えるしかないっしょ!」



挿絵(By みてみん) 王国(おうこく)

「よ、よし。そうだな。民が望むならば予も立たねばなるまい」



挿絵(By みてみん) 宋建(そうけん)

「そうそう、胡族と一緒にさ、すげえこと始めちゃおうぜ!」



~~~涼州 金城(きんじょう)~~~



挿絵(By みてみん) 辺章(へんしょう)

「俺を反漢連合軍の盟主に擁立するだと?

寄ってたかって縛り上げて、なんのつもりかと思ったら、

冗談にも程がある」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「正確にはお前の他にもう一人いるんだが……」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「予定通りに現れなかったから捕縛できなかった」



挿絵(By みてみん) 辺章(へんしょう)

「フン、あいつのことか。

確かにあいつが盟主の座に収まるなら、上手く行くかもしれんな」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「この涼州で最も名声を集めているのがお前とあの男だ。

それに加えて、漢の官吏をしていた宋建と王国も賛同してくれた」



挿絵(By みてみん) 辺章(へんしょう)

「異民族に俺ら豪族、さらに漢の官吏か。

どうやら本気で国を転覆させるつもりらしいな。まるで黄巾の乱だ」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「黄巾賊なんてお遊びと一緒にするな!

殺られる前に殺る、俺たちの覚悟は本物だ!」



挿絵(By みてみん) 辺章(へんしょう)

「断ればこの場で殺されるだけ。

俺も漢に不満が無いわけじゃない。いや、不満だらけだ。

いいだろう、その賭けに乗ってやる」



挿絵(By みてみん) 李文侯(りぶんこう)

「話のわかる奴で良かった。そうと決まれば――」



挿絵(By みてみん) 辺章(へんしょう)

「待て! ただし条件がある。

あの男を必ず連れてこい。

あいつが、韓遂(かんすい)がいなければ勝ち目はない」



挿絵(By みてみん) 北宮伯玉(ほっきゅうはくぎょく)

「ずいぶんと韓遂の実力を買っているんだな。

噂は聞いているが、そんなに腕っ節が立つのか?」



挿絵(By みてみん) 辺章(へんしょう)

「腕は大したことない。頭もそれなりだ。

だが、あいつは生まれながらの反逆児だ。

反乱軍を率いるにはこれ以上ない人材だ」



~~~涼州 金城~~~



挿絵(By みてみん) 韓遂(かんすい)

「はーっくしょん!」



挿絵(By みてみん) 閻行(えんこう)

「お風邪を召されましたか」



挿絵(By みてみん) 韓遂(かんすい)

「いやいや、寒いのは確かだけど、

辺章さんが噂してるんですよきっと」



挿絵(By みてみん) 閻行(えんこう)

「また遅刻されましたからな」



挿絵(By みてみん) 韓遂(かんすい)

「えへへ。辺章さん怒って帰っちゃったみたいだね」



挿絵(By みてみん) 閻行(えんこう)

「む……気をつけられよ。何者かが我々を見張っています」



挿絵(By みてみん) 宋建(そうけん)

「おーっと、怪しい者じゃねえぜ。

隣の奴はすげえ怪しいけどさ。俺は大丈夫。ぜーんぜん怪しくない」



挿絵(By みてみん) 王国(おうこく)

「韓遂であるな。予は待ちくたびれたぞ」



挿絵(By みてみん) 韓遂(かんすい)

「あ、その派手な服は見覚えがありますよ。

ええと、確か王国さんだったかな」



挿絵(By みてみん) 王国(おうこく)

「いかにも。予が王国である」



挿絵(By みてみん) 閻行(えんこう)

「漢の官吏が何用だ。辺章殿はどこだ」



挿絵(By みてみん) 宋建(そうけん)

「だから怪しくねえって。俺もこう見えて官吏だから。

それに辺章さんも俺らに協力してくれることになったんだよ。

だからさ、韓遂さんもさ、仲間になって欲しいなあって」



挿絵(By みてみん) 韓遂(かんすい)

「はは~ん。噂に聞いてますよ。

反乱軍を作ってる連中がいるって。

さてはぼくも誘いに来たんですかね?」



挿絵(By みてみん) 王国(おうこく)

「よ、よく知っておるな」



挿絵(By みてみん) 宋建(そうけん)

「話が早くて助かるぜ!

仲間になってもらえるよな? なあ?」



挿絵(By みてみん) 韓遂(かんすい)

「ええ、いいですよ。ただし条件があります」



挿絵(By みてみん) 王国(おうこく)

「お前も条件を付けるのか。辺章と同じことを言うのだな」



挿絵(By みてみん) 韓遂(かんすい)

「辺章さんも?

じゃあきっと同じお願いだと思いますよ。

ぼくをね、反乱軍の盟主にしてくれるんだったら、お受けします」



~~~~~~~~~



かくして胡族の二人を皮切りに、反乱軍が結成された。

黄巾の乱の鎮圧から間もなく、

涼州でも戦火が広がろうとしていた。

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