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アイコン三国志外伝  作者: 小金沢
黄巾の章
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3/16

外伝(〇〇三~〇〇四)  虎と奸雄

~~~黄巾党 本部~~~



挿絵(By みてみん)  挿絵(By みてみん) 張宝・張梁《ちょうほうちょうりょう》

『同志は各地で優勢に戦いを進めているが、

官軍も兵力を一ヶ所に集中しつつある。

ここは我々も兵を集め、決戦に踏み切るべきではないか?』



挿絵(By みてみん) 張角(ちょうかく)

「弟たちの申す通りである。

趙弘、孫仲、韓忠を陽城の守りに残し、

他の頭目たちは潁川(えいせん)に集結せよ。

そこで官軍を討ち滅ぼすと致そう」


挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)

「「「「おおおお!!!!」」」」



~~~官軍の陣営~~~



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「今度は潁川に向かうじゃと?」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「ああ。黄巾賊は大軍を集めて乾坤一擲の戦を挑むようだ。

我々も合流しなければならん」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「昨日は東で明日は西へ……。だから官軍なんてイヤなのよ」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「なんだかんだ言いつつ、手伝ってくれてるではないか。

相変わらずだな」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「たくさん養子を育ててるし、仲間も集めてるからいろいろ金がかかんのよ。

褒美を弾まなきゃ手伝わないからね。

……ところで、そろそろアンタらは離れていいんじゃないの」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「へ? わしらのことか?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「潁川くんだりまで行きたくないでしょ。

まあまあ小金も溜まったし、それで兵を雇って独立しなさいな。

さみしいなら関羽でも連れてきなさい」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「何を言うんじゃ張さん。兄弟の仲は冷めても、

義兄弟の仲は切っても切れぬものじゃぞ。

張さんの行くところ、わしらはついて行くまでじゃ」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「なんでアタイが義兄弟のリーダー格になってんのよ。

いちおう年齢的にはアンタが長兄でアタイは末妹でしょうが」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おお! やっぱり義兄弟じゃと認めるんじゃな!」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「言葉の綾よ! ……ああ、めんどくさい。

わかったわよ。関羽や田豫はともかく、

アンタは放っぽり出した瞬間に黄巾賊に殺されそうだもんね。

邪魔にならないようについてきなさい」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「さっすが~、張さんは話がわかるッ!」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

(相変わらず面倒見の良い奴だな……)




~~~劉備の義勇軍~~~



挿絵(By みてみん) 王方(おうほう)

「どけどけ! 董卓軍のお通りだ!」



挿絵(By みてみん) 李蒙(りもう)

「道を空けろ! さもなくば馬蹄にかけて踏み潰すづら!」



挿絵(By みてみん) 胡封(こほう)

「絞めたい……誰でもいいから……キュッと絞めたい……」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おお、ガラの悪い連中ばかりじゃのう。

いったいなんなんじゃ? さっきから紫の連中ばかり見かけるが」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「しっ! 目を合わすんじゃないわよ。董卓軍よ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「誰じゃそれは。有名人か?」



挿絵(By みてみん) 田豫(でんよ)

「涼州で長く戦っていた、勇猛な将軍です。

もっとも、勇猛さより残虐さや粗暴さの方で有名ですが」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「特に関羽! アンタはおとなしくしてんのよ。耳栓でもしときなさい」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「で、その董卓軍がなんでここにおるんじゃ?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「潁川の戦いで敗れた官軍は、盧植将軍の進言で

最強とうたわれる董卓軍に黄巾賊の討伐を命じたのよ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おうおう、わしの師匠の盧植先生か。

皇帝陛下に逆らって投獄されたと聞いとったが、復職できたんじゃな」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アンタが盧植将軍の弟子?

……すごいわね。何一つとして学べてないのね」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「ここに来とるならぜひ会いたいのう。

――おっ。噂をすればなんとやらじゃ。あそこにおるぞ!

おーーい! 盧植先生!!」



~~~官軍の陣営~~~



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「……で、師匠の盧植に言われたから義勇軍を解散すると。

はあ。これはどういうことだ張飛?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アタイが聞きたいわよ。

このバカと来たら、先生の言うことは正しいの一点張りなんだから」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「その通りじゃぞ張さん。

本来ならわしは、こうして官軍に報告に来る暇も無いと言いたいところじゃ」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「それにしても気になるな。

あの盧植将軍が官軍から離れろと、都からも距離を置けと言ったのか」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「あの人が突拍子もないことを言うのは昔からだ。あまり気にするな。

それよりも、問題は我々のことだ。

黄巾賊の主力は董卓に任せ、俺と朱儁は後方の陽城を攻めることになった。

お前たちにもそれを手伝ってもらうつもりだったんだが……」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アタイは別にいいんだけど、このバカがねえ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「そんな暇は無いと言っとるじゃろう張さん」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「褒美なら今までの倍を出すぞ。

どこかの県令になれるよう働きかけてやってもいい」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「県令だってよ! いいじゃないの。

あてもなく逃げて流民にでもなるくらいなら、

県令に落ち着いた方が安定してるってもんよ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「なるほど。それもそうじゃのう」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「決まりだな。董卓が上手くやれば、

これが黄巾賊を相手に最後の仕事になるだろう」



~~~陽城~~~



挿絵(By みてみん) 趙弘(ちょうこう)

「大賢良師(張角)様の本隊が敗れただと!?」



挿絵(By みてみん) 韓忠(かんちゅう)

「あ、ああ。しかも大賢良師も天公将軍(張梁)も地公将軍(張宝)も、

みんな行方不明になったらしい……」



挿絵(By みてみん) 孫仲(そんちゅう)

「い、いったいどうすればいいんだよ!?」



挿絵(By みてみん) 梁仲寧(りょうちゅうねい)

「むむむ……。官軍も迫っている。

我らはまずこの城を守るしかあるまい。

城さえ無事ならば、やがて大賢良師様や他の頭目たちも戻ってくるやも知れぬ」



挿絵(By みてみん) 甘洪(かんこう)

「そ、そうだな。まさか全員が死んだわけではあるまい」



挿絵(By みてみん) 丁峰(ていほう)

「オヤビンたちが戻ってくれば、官軍なんて敵じゃないでやんすよ!」



挿絵(By みてみん) 趙弘(ちょうこう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 韓忠(かんちゅう)

「ど、どうしたんだ趙弘、その不安そうな顔は」



挿絵(By みてみん) 趙弘(ちょうこう)

「い、いやなんでもねえ。

ただ……ここに集まったメンツを見てるとどうにも、

もう出番のない奴をまとめて片付ける感がしちまってよ……」



挿絵(By みてみん) 孫仲(そんちゅう)

「それは言わない約束だろ……」



~~~陽城を臨む官軍の陣営~~~



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「ふむ。残党が寄り集まって数だけはそこそこいそうだね」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「烏合の衆はいくら集まっても烏合の衆だ。問題ない」



挿絵(By みてみん) 夏侯淵(かこうえん)

「ああ、早く蹴散らすとしよう。俺に先陣を任せてくれ」



挿絵(By みてみん) 曹仁(そうじん)

「まだ他の官軍も集まってないってのに、相変わらずせっかちだな!」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「単に力押しするとなると骨の折れそうな城だ。

他部隊と連携するにしくはない」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「そうだな。抜け駆けしたからといって褒美を減らされてはたまらん」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おや、アンタさんらはもしかして、味方の官軍さんかな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「いかにも。曹操という者だ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「わしは義勇軍を率いとる劉備じゃ。

鄒靖さんの世話になっとる」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「このご時勢に義勇軍というだけでも奇特なのに、

わざわざ激戦地に足を運んできたのか。ますます奇特な人だね」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ここって激戦区なの? ただの残党が集まってるだけでしょ」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「追い詰められた者を甘く見てはいけない。

窮鼠猫を噛むという言葉もあるしね。

少なくとも、略奪や弱い者いじめしか出来ない黄巾賊よりは注意が必要さ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おお、曹操さんはなんというか、出来る男という感じじゃのう」



挿絵(By みてみん) 田豫(でんよ)

「………………」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「んん? 劉備とやらの部下にはガキもいるのか?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ただのガキじゃないわよ。

アタイらとは別の義勇軍を率いてんだから」



挿絵(By みてみん) 田豫(でんよ)

「田豫と申します」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「利発そうな眼だな。腕自慢のご歴々よりは使えそうだ」



挿絵(By みてみん) 曹仁(そうじん)

「何か言ったか毒舌野郎!!」



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「別に何も。おや、他の官軍も集まってきたようだ」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「よォ、てめェらは味方か?」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「味方じゃ味方じゃ。あんたはどこから来なすった?」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「江東(こうとう)の孫堅だ。いっちょよろしく頼むぜ」



挿絵(By みてみん) 程普(ていふ)

「旦那様ともども以後お見知り置きを」



挿絵(By みてみん) 黄蓋(こうがい)

「なかなかの使い手ばかりのようだな」



挿絵(By みてみん) 韓当(かんとう)

「フン」



挿絵(By みてみん) 祖茂(そも)

「艦長は俺の後ろにいてくれ。ここは城から矢の届く距離だ」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「もう集まったか。江東の虎に乱世の奸雄か……。

親睦を深めてるところ悪いな。作戦に移るぞ」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「これだけの兵が集まれば策は必要あるまい。

城を四方から包囲し、一斉に攻め掛かるぞ」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「待った。それなら三方から攻め、わざと逃げ道を空けたほうがいい。

退路が無ければ死に物狂いで抵抗するが、

逃げ道があれば戦意を失いそこを目指すだろう」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「そして退路に伏兵を置いて、逃げてきた連中を叩くってわけだな。

そいつはいい。オレも賛成だ」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「ふむ……。言われてみればもっともだな」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「ならば東門を曹操、西門を孫堅、

南門を我々官軍と義勇軍が攻め、北門を空けておこう。

そして各軍から選りすぐりの精鋭を伏兵に置き、逃げる賊を殲滅する」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「行くぞ。配置に掛かれ!」



~~~陽城 北~~~



挿絵(By みてみん) 甘洪(かんこう)

「ぎゃああああ!!」



挿絵(By みてみん) 梁仲寧(りょうちゅうねい)

「馬鹿なあああっ!!」



挿絵(By みてみん) 丁峰(ていほう)

「お助けええっ!!」



挿絵(By みてみん) 韓忠(かんちゅう)

「ひいいいいいいっ!!」



挿絵(By みてみん) 孫仲(そんちゅう)

「ぐわああああっ!!」



挿絵(By みてみん) 趙弘(ちょうこう)

「やっぱりかああああっ!!」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「これでいっちょ上がりね!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「主だった頭目は討てたようだな」



挿絵(By みてみん) 黄蓋(こうがい)

「我々の敵ではなかったな」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「ご苦労だった。後は各地に散らばった残党の掃討だが、

頭を失えばもはや何もできまい」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「諸将には追って沙汰があるだろう。

これにて解散してくれ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「やれやれ。なんとか無事に終わったのう」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「てめェがこの義勇軍の大将か?」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「お、おう。孫堅さんと言ったか。なんの用じゃ?」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「おっと、先を越されてしまったかな」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「曹操も来たか。ちょうどいいや。

いや、ちょいと挨拶に来ただけだ。

なんというか、てめェらとは長い付き合いになりそうな気がしたんでな」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「はあ…………?」



挿絵(By みてみん) 孫堅(そんけん)

「もし江東に来ることがあれば顔を出してくんな。

うめェ魚をご馳走してやんよ。じゃあな!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「実に破天荒な男だね。興味深い。

さて、劉備君と言ったかな」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おう、あんたも別れの挨拶に来たのかな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「素晴らしい猛者を連れているようだね。

よければ名前を教えて欲しい」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「わしの自慢の義弟の張飛さんと関羽さんじゃ!」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「義兄弟だと言い張ってるのはこいつだけなんで、誤解しないでね」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「………………」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「ぜひ僕の麾下に加えたいところだが……。

その絆を断ち切るのは申し訳ないところかな」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アタイは条件次第で呑んでもいいけど?」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「またまた~。張さんは冗談が好きじゃのう」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アタイは大真面目なんだけど?」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「曹操、何してやがる。もう行くぞ!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「孫堅君も言っていたように、君達とはまだ縁がありそうだ。

またいつか、ゆっくりと話をするとしよう。では、また」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おう! 機会があったらのう」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「……思い出したわ、アイツ乱世の奸雄よ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「なんじゃその仰々しい名前は?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「許劭(きょしょう)っていう有名な人物鑑定師が、

アイツのことをそう評したのよ。

乱世の奸雄、つまり乱れた世を支配するってね」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「ふ~ん。すごい奴だったんじゃなあ」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「その前に来た孫堅ってのも、江東の虎って呼ばれてるわ。

ふふん、アイツらに見込まれてるなんて、アタイも捨てたもんじゃないわね」



~~~曹操軍~~~



挿絵(By みてみん) 戯志才(ぎしさい)

「あの巨漢どもの勧誘に行ったのか?

そのわりにすぐ諦めたな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「彼らの間に割って入れるほど、僕も無粋ではないよ」



挿絵(By みてみん) 曹仁(そうじん)

「あの張飛という男(?)、すげえ怪力だったな!」



挿絵(By みてみん) 夏侯淵(かこうえん)

「俺は関羽の手並みに驚いたぞ。

俺の矢でもあいつに当てられるかどうか……」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「そうかい、僕はあの劉備君に一番驚かされたがね」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「あいつに? なんの取り柄も無さそうだったけどな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「そう、なんの取り柄もない男が、あれだけの豪傑を二人も従え、

孫堅君や君達をはじめ、錚々たる面々を前にしても全く動じていない。

あんな大物は見たことがないね」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「……ただの馬鹿にしか見えなかったがな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「ただの馬鹿か、それとも僕らの物差しじゃ

測ることすらできない大物か、そのどちらかだろう。

彼の動向が、これから実に気になってしかたないよ……」



~~~~~~~~~



かくして三人の英雄は邂逅した。

黄巾の世は訪れること無く幕を閉じ、

同志達は各地に散って行こうとしていた。

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