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婚約end

いよいよ紅波が追い詰められます

紅波目線です

私は勢いよく飛び起きた

物凄い頭痛と、羞恥心でそのままベッドに倒れこんだ

「ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ」

呪文のように呟くが、なんの効力もない

昨日私がやらかした事を、完璧に覚えている

普通、お酒での失敗って、記憶が無くなるから、またやってしまうって何処かで聞いた事がある

「一生、酒なんて飲まない」

私は泣きそうになりながら、そう硬く誓った


ルピナスさんの店に付けたのは、もう、日が落ちた頃だった

「いらっしゃ、なんだ、クレハちゃん、どうしたの?二日酔い?」

「はい、二日酔いです」

カウンター席を見るとラズナーが手招きしていた

「二日酔いなんて、すぐ治るよ、少しずつ馴れれば良いんだよ」

私は、ふらふらとラズナーに近付く

不思議そうに私を見るラズナーに私は、頭を下げた

「昨日は本当にごめんなさい」

「?」

「皆様に多大なるご迷惑をおかけしました事を、心よりお詫び申しあげたいと、思っている所存でございます」

そこまで言って顔を上げる

「消えて無くなりたい…」

私が呟くとラズナーが慌てて言った

「昨日の記憶があるの?凄いね、普通、忘れちゃうのに」

「もう、二度と飲みません」

「えー、昨日のクレハちゃん可愛かったのに?」

ラズナーの叫びに私は泣きそうになりながら言った

「あんな、強烈な頭突きされて、可愛い?ラナ、あんた、どんだけドMだよ」

「えっ!頭突きの事じゃなくて、そのあとの事だよ」

「そのあとの事は思い出したくない、何で、忘れてないんだろ、実家に帰りたい」

私はラナの隣に座るとカウンターに突っ伏した

このまま、寝て起きたら記憶が無くなってくれないだろうか

私はカウンターに突っ伏したまま足だけバタつかせる

私は自分の事だけで精一杯で、その時、店に誰が入ってきたか気がつかなかった

「ライライト様、いらっしゃい、普通の服着てるの珍しいですね!」

ルピナスさんの言葉に体が跳ねる

顔が上げられない

「ああ今日は非番だからな、クレハは、どうした?二日酔いか?」

「そうみたいですよ」

ルピナスさんにそう言われ、ライライトさんは私に近付き頭を撫でた

「次は、加減して飲めよ」

ライライトさんの言葉に思わず顔を上げてしまった

「クレハちゃん、顔が真っ赤よ」

ルピナスさんにそう言われ慌てたが、ライライトさんの方を向いて私は叫んだ

「もう、一生飲みません」

ライライトさんが驚いた顔をしている

「だから、昨日の事は…」

少しずつ小さくなる自分の声が嫌になる

「全部、忘れてください」

私が言い終わると、ライライトさんが不思議そうに言った

「覚えているのか?」

ライライトさんは何も動じていない

私だけが、てんぱっている

「か、帰る」

私はルピナスさんに向かってそう言うと、ドアに向かった

「なら、送ってく」

ライライトさんはすぐに私に追い付き、私の手を掴んだ

「今日はいいです」

「遠慮するな、足元ふらついてるぞ」

ライライトさんは私を小脇に抱える

「なっ、何で、荷物持ちするの?嫌だ~」

すると、ライライトさんは私にだけ聞こえる声で言った

「逃げられないようにだ」

ライライトさんの言葉にフリーズしてしまう

「クレハちゃん、好きなときに来て歌って良いから、体調整えてから来てね。」

ルピナスさんの優しさに嬉しくなってる場合ではない

店から連れ出され、ライライトさんの馬にのせられる

「しっかりつかまれ」

ライライトさんも馬にのると、距離が近すぎて私は逃げ出したくなった

だが、馬から飛び降りる訳にもいかない

「…どこまで覚えてる?」

耳元で、ライライトさんの声がして、体が跳ねる

「…」

い、言えない、言えるわけない

だって、好きだと言ってしまった

キスしてしまった

恥ずか死ねる

「まあ、いい」

ライライトさんは凄い勢いで馬を走らせた


家には、すぐについてしまった

馬から下ろされ、気まずい

「あ、ありがとうございます」

私がお礼を言うと、ライライトさんは私を抱き締めた

何がおこったのか分からない

ライライトさんは私の首に口づける

「ら、ライライトさん?」

「なんだ?」

「い、いやいやいや、なんだじゃなくて」

「嫌か?」

凄いことをきかれた

「い、嫌です」

ライライトさんは少し残念そうに首から離れた

けれど、まだ、抱き締めた状態にかわりない

「あ、あの、なぜ?こんな形に…」

ライライトさんは私の顔を除き混むと、唇を重ねる

「……………」

声にならない悲鳴を上げる

「やられっぱなしは、しゃくだからな」

ライライトさんは私から目をはなさない

私の方が見つめていられない

「目をそらすな」

「無理です」

ドキドキで死ねる

すると、ライライトさんは私の耳元で囁く

「今日は、お前を口説くために来たんだ」

「なぜ?」

今日のライライトさんは心臓に悪すぎる

仕方なく、ライライトさんの腕の中でもがくと、さらに甘い声音で囁く

「お前が欲しがってた、ハウロウの手紙を最後まで読んだ…お前、気付いてたな」

私がさらにもがくと、さらに強く抱き締められた

「俺は、クレハの保護者に選ばれた訳じゃ無かった、ハウロウは俺にお前の婚約者になってほしいって書いていた」

ろくなこと書いてないとは思っていたが、凄い爆弾を隠してやがった

「あの、か、確認させてください」

証拠さえ無くなれば、この心臓に悪すぎる状況から解放されるに違いない

「駄目だ、お前を逃がす気はない」

「確認するだけ」

「なら、俺の婚約者になると約束できたらな」

思わず固まると、ライライトさんはクスクスと笑った

「だ、だって、ライライトさんの好みのタイプと私は全然違うじゃないですか」

ライライトさんは笑うのを止めて、私を見つめる

「俺が前に付き合ってた女はみんな、向こうから寄ってきた女だ、俺が彼女になってほしいって思って付き合いだした女は、一人もいない…人として最低かもしれないが、お前とは違う………好きなんだ、お前が好きだ」

凄くまっすくな瞳に吸い込まれそうだと思った

次に気がついた時には、ライライトさんとキスしていた

唇がはなれると、ライライトさんは嬉しそうに笑う

その笑顔が何だか可愛くて、見いってしまう

当然のようにさらにキスしてこようとするライライトさんの顔を手で押さえる

「返事もしてないのに、キスしすぎ」

私の手をつかみ、手にキスをしながらライライトさんが言う

「お前だって、昨日さんざん俺にキスしただろ」

「こんなに、してない」

「キスだけで、我慢してやってるんだから、もう少しさせろ」

しれっといい放つライライトさんに動揺する

「な、何、何言って」

「もっと、やらしいことがしたい」

「は、ハッキリ言うな~」

「お前がきいたんだろうが」

ライライトさんは、また楽しそうに笑う

「私の事が好き」

取り合えず私は口に出してみた

「クレハの事が好きだ、お前は?」

ライライトさんは私の顔を除き混む

「えっ!」

「昨日は言ってくれた」

一気に昨日の事を、思い出す

「…好き…」

私はそのままライライトさんにキスをした

その後ライライトさんに強く抱き締められ、キスをされた

ライライトさんが調子にのって舌を入れようとした、ため、流石に魔法を使い逃げ出すまでライライトさんと甘い時間を過ごすはめになったのだった



「後々聞いた話しなのですが、じいちゃんが余計な事を、手紙に書いた訳なのですが、何故か陛下やお妃様に正式な書面であると認められてしまい、ライライトさんと婚約したことに、なっています」

ルピナスさんに相談しようと話した訳なのですが、ルピナスさんは大はしゃぎです

「そ、相談しているのですが?」

私が相談にのってくれなさそうなルピナスさんに言う

「いい話じゃないですか?何を心配することがありますか?」

ルピナスさんでは話しにならない

ルピナスさんのいるカウンターの目の前にいるアシャティスを見るとイスの上で器用に体育座りしている

「僕の好きになる人間はみんなライ様の物だ、でも、ライ様も好きなんだ、だけど…」

アシャティスはぶつぶつと呟いている

あいつも、使い物にならない

回りを見渡してもラズナーの姿はない

「ラナは?」

「ラズナー様は傷心旅行に出られましたよ」

ルピナスさんに言われて苦笑いしか、出てこない

「で、クレハちゃんは、ライライト様の事が好きなの?」

私は顔に熱が集まるのがわかった

「す、好き」

私は恥ずかしくて、うつむいた

「かっ、可愛い」

ルピナスさんに絶句される

「でも、ライライトさんは三大貴族だし、回りに綺麗で可愛い貴族令嬢がたくさん居るんだよ!私みたいなチンチクリン、すぐに飽きられちゃうよ、ライライトさん、歴代の彼女達とも、あまり長く続いて無かったみたいだし…」

私がルピナスさんに力説していると後ろから口を手でふさがれた

「歴代の彼女の事は忘れろと言っただろ」

後ろから私の口をふさいでいるのはライライトさんだ

振り返りたくない

ライライトさんは私が大人しくなったせいで不安になったのか、私の顔を除き混む

私は自分でも分かるくらい真っ赤になっていた

「カーワーイーイー」

ルピナスさんにそう言われ、目眩がした

ライライトさんはそんな私の耳元で囁いた

「抱き締めたくなるから、可愛い反応をするな」

ルピナスさんには聞こえていないだろう

何だかんだで、じいちゃんのかわりにこの世界に来た訳だが、自由気ままな生活をしてきた自覚はある、ハッキリ言って恋愛なんて今だかつて、一瞬も考えた事が無く、生きてきたのだ

好きな人だが、どう接したら良いのかわからない

むしろ、何も気にせず抱き付いていた、少し前の自分をぶん殴ってやりたいと思った

ライライトさんは私の頭にキスを落とす

私はパニックにおちいって、ライライトさんの手を噛むと逃げ出したのだった



end

今まで読んでくださり、ありがとうございました!

何だか、中途半端な終わりかたに、なってしまいましたか?

甘、甘になっていると良いのですが…


実は、クレハの兄と弟達が出てくる話しも、書きたいと思ってました


気が向いたら、番外編で、書こうかな?


ハウロウが里帰りするとか?


新しい作品も、書き始めました!

これからも頑張って行きたいと思いますので、良かったら応援してください

ありがとうございました!



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