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第二章 黒陽の神 第二話 黒き太陽

夜空に浮かぶ月が、ゆっくりと黒く染まっていく。


「……なんだ、あれは」


陰陽師・九条蒼真は、足を止めた。


空の中心。

そこには、“太陽”があった。


挿絵(By みてみん)


夜であるはずなのに。


黒い炎を纏った巨大な球体が、空に浮かんでいたのである。


周囲の空間は歪み、鳥は落ち、犬は吠え続けている。


「まさか……封印が破られたのか……?」


蒼真の額を冷たい汗が流れる。


その瞬間――。


ドゴォォォォォン!!


遠くの山が爆発した。


黒い柱が天へ伸びる。


そして、その中心から現れた。


無数の眼。

無数の腕。

全身を覆う黒い呪印。


人ではない。


神でもない。


「あれが……黒陽の神……!」


怪物が空を見上げた瞬間、

周囲の人々が、一斉に苦しみ始める。


「ぐああああっ!!」


「頭が……!!」


耳を塞いでも意味はない。


怪物は、“呪いそのもの”だった。


蒼真は震える手で札を握る。


だが、本能が告げていた。


――勝てない。

挿絵(By みてみん)

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