夏
「あつーーい!かき氷たべたいー!」
ガバッっと机に突っ伏した相川の頭を丸めた教科書で、軽く叩く。
「おい、サボんな」
いや、ふて腐れても…
ヘバリたいのは夏休みなのに冷房もない暑い教室に二人っきりで、毎日お前のバカさかげんに付き合わされてる俺の方だっつーの。
『お願い! 委員会当番として登校する間だけでもいいから!』
補講のテストに受からないと夏休みがないと泣きつかれ、自分の勉強がてら相川に数学を教えてる俺もお人好しだな。
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「あ、太鼓。祭りの練習かな?」
開けっ放しの窓から聞こえてくる部活の掛け声に紛れてきた音に、言われて初めて気がついた。
「ほんとだ。来週末、夏祭りだもんね〜。いきたーい!」
来週の補講テストに受からないと、また山のような宿題で夏祭りどころじゃない。。
哀れんだような目でみてくる湾野が恨めしい。
「テスト、金曜だっけ?
無事合格できたら、ご褒美に連れてってやろうか?」
俄然、やる気を出した私は単純なんだろうか…??
そして湾野にはお礼にかき氷を奢ってあげようと決心した。
「まさか、ほんとに受かるとはな…」
かき氷片手に呆れたようにように言わないでよ…
「だってお祭りで食べるかき氷って、格別じゃない?」
「結局、食い気かよ!」
出掛け際、お母さんに捕まって着させられた浴衣が、気合い入ってるみたいで恥ずかしくて、食べ過ぎたのは内緒の話。




