新生活。
「いってきまーす!」
「いってらっしゃい!講義が終わったら大学まで行っていい?」
「おっけー!終わったら連絡するよ」
俺たちは大学生になった。
ーーーーー
俺は無事に大学受験を終え合格をもらった。
県内にある大学だ。
ある日、前々から母さんから一人暮らしをしなさいと言われていたので、県内だから実家から通えるのにと思いつつ賃貸物件を探していた。
プルルルル
「もしもし」
「湊人?今から私の家に来れる?」
「え、いいけど、どうした?」
「お父さんが話があるんだって」
(華のお父さんが俺に話…?)
「分かった。すぐに行く」
俺は急いで支度をし、バイクを走らせた。
バイクの免許はつい最近取ったばかりで運転がとても楽しい。
バイクのおかげですぐに華の家に着いた。
ピンポーン
「湊人、上がって!」
華が出てきて俺を引っ張った。
「お邪魔しまーす」
俺と華がリビングに行くと、華のお父さんがソファに座っていた。
「お父さん、お久しぶりです」
「湊人くん、よく来てくれたね。今日は話があるんだ。座ってくれ」
「あの、話って…」
「湊人くん。華にプロポーズしたそうじゃないか」
「えっ」
驚いて華の方を見ると、華がてへっと可愛く舌を出した。
「あ、あの、言いましたけど、就職して自立したらっていう話で…」
俺はそんな大切な事を簡単に言うなと怒られると思った。
「単刀直入に言おう。春から華と一緒に暮らさないか?」
「…?俺が荒井家にお世話になるって事ですか?」
俺の思考は追いつかなかった。
「ふふっ。違うよ、湊人。私と一緒に2人で暮らさないかって事!」
「えっ?!」
俺は開いた口が塞がらなかった。
「でも、家賃の事もありますし、俺、大学に入ったらバイトの給料でなるべく身の回りの支出を賄いたいと思っていたんです。華やお父さんやお母さんにご迷惑をおかけすると思います。」
「…それは私と暮らしたくないって事?」
華は思ってもない返事が返ってきて驚いている。
「違う!一緒に暮らせるなら暮らしたいんだ。でも、心の準備がまだ…」
「湊人くん。私達は子供が親の手が離れる社会人になるまでは資金援助するつもりだよ。だから、お金の事に関しては心配しなくていい。」
「あ、ありがとうございます…」
「私達は結婚する前に同棲をしてほしいんだ。お互いの事が分かるからね。それに湊人くんなら華を任せられる」
「俺なんかでいいんでしょうか…?」
「ははっ、今更何を言っているんだ。湊人くんなら大歓迎だよ」
「じゃあ、春からよろしくお願いします」
俺は頭を下げた。
それから俺たちは物件を探したり家具や家電を探したりした。
俺の両親には華のお父さんが前もって相談していたらしい。
俺の両親は大喜びだったそうだ。
家賃、生活費は仕送りから折半と言う話になっている。
とはいうものの、俺はなるべく仕送りを貯金したい。
家賃、生活費をバイト代からなるべく支払うため、高時給のバイトを探した。
そして、4月。
俺たちの大学生活と同棲が始まった。




