エピローグ
それからメノウの屋敷に戻ってきた私達だが今日は、恋人同士一部屋ということに。
空気を読んだらしいメノウのはからいだった。
さて、私としては、他のメノウとラティ、シオンとリゼルのカップルがどちらが主導権を握るかの戦いが始まりそうで面白そうだなと思っていたりした。
そして、次の日の朝食の席にて。
私は恋人同士になったといった内容を根掘り葉掘り聞いてきたリゼルに根掘り葉掘り聞き返して戦ったり、メノウはラティを襲えたらしい。
また幽霊のミリアは、まだこの屋敷が気に入っているらしく暫くここにいたいらしい。
『役目も終わったので暫く遊びまわります』
とのことだった。
そして私たちはというと、
「クロウのために、クエストはクリアしておいた方がいいんだよね。頑張ろう」
私が更にやる気を出しているとリゼルが、
「私の家の家宝も元に戻さないといけないし。でも、イズミはその神剣クーゲルシュトライバーを使えるのか? 結構重いけれど」
「え?」
よくよく考えれば金属の塊なのが剣なので軽いはずがない。
だがこのトゲ付き鉄球だって重くても扱えているから魔法でどうにかなる、と思うとそこでクロウが、
「……ありだな」
「何が?」
「いや、重くて大きい剣をウンウン唸りながら引きずるイズミも可愛いかもしれないと」
「……」
クロウの私への恋愛脳っぷりが酷すぎて、その酷い想像の方にその時私は意識が向かなかった。
そこでリゼルが自分の恋人のシオンに、
「そういえばシオンは何をお願いする予定だったんだ?」
「リゼルをもらおうと思ったのですよ。でももう私の恋人ですからね、リゼルは」
「そ、そうか、うん」
顔が真っ赤になったリゼル。
けれどそこで気づいたらしくリゼルはシオンに、
「だとするとシオンは何をお願いする気なんだ?」
「そうですね、他人を幾らでも好きな格好にさせられる能力、でもお願いして見ましょうか」
「シオン、それは誰に使う予定なんだ?」
リゼルが不安そうに問いかけるもシオンは答えない。
微笑むだけである。
青くなったリゼルを見ているとそこでメノウが私達の近くにやってきて、
「これから一応はまだサポートさせて頂きます。あと一つがうまくいくまで魔王の脅威は去っていないわけですしね」
冗談めかして言うメノウ。
ちなみにラティは今日はベッドでゆっくりしないといけないらしい。
メノウ曰く、愛しすぎてしまったそうだ。
さて、そんなこんなでクエストはまだまだ沢山残っているわけだけれど、
「全部クリアしたら、私も何か叶えてもらえるのかな?」
「何を叶えて欲しいんだ?」
「うーん、クロウとずっと一緒にいられますように?」
そう答えると私はクロウに抱きしめられた。
だから私もクロウを抱きしめ返す。
それが心地よくて暫くそのままでいると、そろそろ朝食を食べようといった話になる。
そしていつごろまでメノウの屋敷に滞在するのかといった話になるけれど、
「次のクエスト次第だ。少し待って来ないようであれば場所を移動する」
クロウがそう答える。
そんな私達が、道を歩いているとたまたま探しものをしているメイドと遭遇してしまったり、それがクエストになったり。
こんな日々がこれからも続いていくのだろうと思いながら今日もまた私たちは、クエストをこなしていく。
途中数回元の世界に戻してもらえたりもしたけれど、その異世界に言っている間は私の世界の時間は“停止”しているようなものらしい。
だから私は誰にも不審がられることなく、この世界と私の世界を行き来する。
それが気づけば私の日常になっていた。
幸せだと私は思う。
だってこの異世界の日々は、いつだって私の愛しい人と大切な人がそばにいる。
だから、きっと、これからも、ずっと。
私達の明日は、明るい。
そんな私達が最後のクエストをクリアして再びクロウと戦い、私が勝利するのはもう少し先の出来事。
けれどいつだってハッピーエンドは私達の手の届くところにあったのだ。
そう、様々な好意に支えられて、私達が幸せな未来は掴むのは疑いようのない現実で。
こうして私のチートをもらってい世界に行く小さな出来事は、私の中で大切だった人と再び出会う結末で、ひとまず幕を下ろしたのだった。
「おしまい」
ここまでお読みいただきありがとうございました




