休まる暇もなく、信じられるわけもない
「で? 君は僕たちに何かようかい?」
「いえ、当初は別に特に用はなかったのですが、よく見るとかつてあった顔と、間違いなく会ったことないのに見覚えのある顔があったもので、ね」
そういってこっちを見る。多分、俺の事だろうな、俺が父さんの関係者であることは言わない方がいいだろう。
「まぁ、別に言わなくてもいいですよ。ここには探索の過程で寄っただけですし、貴方たちと戦う意味もありませんしね」
「信じていいのかい?」
貴方達が俺に勝てるのか? と言い、ある程度の会話を交わした後、その場を後にするゼリウスさん。ちらっとこっちを見たのが気になるがとりあえず戦いにはならないようである。
「正直、話について行けませんでした」
テレザは居心地悪そうな顔で比較的に暇な俺に話しかけてきた。確かに、当事者や情報がないとこの雰囲気じゃあ口挟みづらいよなぁ。
「所で、ゼリウスさんとは顔見知りだったのかエニグマ?」
エニグマは未だ警戒しながら、返事をする。確かに、ゼリウスさんは強そうな感じがするがエニグマだって負けてない。なのに非常にゼリウスさんの事を警戒している。なにかあるのだろうか?
「うん、昔にちょっとねナナセに連れられてあったことがある。あの時の坊ややがああも成長するとは改めて月日というものを自覚するよ」
父さんに連れられて、か、何か根深いものがあるような気がするな。一応戦わないとは言っていたけど、明日の予定について考えておく必要がありそうだ。
「明日、どうするんですか?」
テレザも気になったようでこちらに聞いてくる。さて、どうしようか?
「急に出ると怪しまれる。かと言ってあいつの言葉を鵜呑みにするのも良くない。今日は三時間休憩後に、風呂の時間に出よう」
「まっそうなるな。何処にいやどの方角に行く?」
順当に考えれば北に行くべきだが、もしかするとこちらを追ってくる可能性のある以上行く先を教えない方がいいのかもしれない。
「いや、そのまま、北に行く」
「理由聞いてもよろしいでしょうか?」
俺も聞いておきたい。正直、このまま自分たちが何処に行くかを知らせるのは得策ではない気がするからだ。すると、エニグマはその俺たちの意見に対して話を続ける。
曰く、南には魂の最終到達地点であるあの世とでも言える場所に繋がる門があり、南に行くと間違いなくそこにいるであろうゼリウスさんより強い奴とかち合う可能性があるのだとか。
冥界の門はそこに住まう生物が強大であるのと同時に、門自体も移動する穴のようなものであり、強くて探査追跡能力の高いものが優先的に配属されている。
その為、南に行くのは近づかなくても自殺行為である可能性が高い。親衛隊の中に何考えているのか良くわからない薄眼の男がいる可能性があり、親衛隊の中で五指に入るほどの強さだという。
東に行くのは自殺行為、「塔」にはあらゆる生物が頂上にある力と叡智を求め、ひしめき合っており、どの生物も並みの魔物など比較対象にもならない。とある事情で、奴らの求める武器もある可能性があるため、冥界の門以上に袋叩きにされる可能性があるのだとか。
そもそも、知られてしまった以上、数の差からも迅速に行動する必要があり、北に行くしか道はないのだという。
「休まる暇ってないんですね」
テレザはそういうこのこの場合、師匠の所で落ち着いて研究していたところに、厄介ごとに巻き込まれたのだから思う所も多いだろう。しかし、テレザはこっちを見ながら、続けて言葉をくれた。
「だけど、だけど、何かワクワクしてきます。皆さん頑張りましょう!」
「テレザ、ありがとう」
「あわわ、レイさん。困ったときはお互い様ですって」
照れながらも、テレザはそういう。本当にいい子だな。何故あんないい加減な人の元にいたのかわからない程度に、そう思いながらテレザに感謝の言葉を投げかける。横で、俺がテレザに思ったエリーゼさん評をまんま口にしてしまったエニグマにあきれながら仮眠をとる。
横になると動きが鈍るが、それ以上に脳を休ませないとこれからがやばい。さて、三時間後に出るとしよう。
まぁ、色々あります。後「塔」付近に行くのは自殺行為以外の何物でもありません。5レベルでラスボス倒した後のダンジョン行くようなもの




