コンビ結成とその呼び名
前から漫画とか読んでる時にこう言う短編を書くのに憧れてたので書いてみました。
ネルが「お兄様、ようこそ蒼白学園へ!」と満面の笑顔を浮かべた後。
皿に載ったリンゴを置いて部屋を出ていき、そこでようやく、俺はほうと大きく胸を撫で下ろした。
それにしても、妹のあんなに 屈託のない笑顔を見たのは、本当に久しぶりな気がする。
そんなことを考え、少しニヤけながらリンゴを齧っていると――。
『――おい、小僧』
脳内で、あの底冷えするような声が、どこか呆れたように響いた。
『お前、現代で言う「シスコン」というやつだったのか』
「ぶっ……!?」
俺はリンゴを吹き出しそうになった。
(うるせーな! 誰だって可愛い妹に直球の笑顔を向けられたらニヤけるだろ! それに、シスコンと言われるレベルまでは行ってねぇ!)
必死に心の中で反論する。
……と、そこで俺は、ふとあることに気がついた。
(そういえば……俺、この男に対する『呼び方』を決めてないな)
これから学園に入って、こいつとは長い付き合いになる。
いちいち脳内で「大魔王」と呼ぶのも仰々しいし、何より面倒くさい。どんな名前がいいだろうか。
少し考え――よし、決めた。
(突然だけどさ、アンタの呼び名、今日から『ベータ』にするわ。大魔王って呼ぶの、一々面倒だしな)
『ベータ、だと?』
玉座の上の男は、片眉を上げて不敵に口角を上げた。
『クク、呼び名など勝手に呼ぶがいい。……ベータとなると、お前のことは「アルファ」とでも呼ぶべきか?』
(それこそ、ベータが好きに決めればいいだろ)
『違いないな』
かくして、俺の頭の中に居座る元・最強の大魔王の名前が、ゆるっと決定したのだった。
次の話も土日にする予定なので時間があったら見ていってください!




