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イェルフと心臓  作者: チゲン
第三部 人間とイェルフ
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52/61

13頁

 長い夜。

 しだいに、シュイの意識も朦朧(もうろう)としてきた。

 傍(かたわ)らを見ると、ポロノシューも体力の限界なのか、気絶するように眠っている。

 村人たちの間にも、疲労と諦(あきら)めの色が濃く広がっていた。

「ああッ!」

 キローネが呻き声をあげ、またベッドの上でもがきだす。

「!」

 途切れかけていた意識が鮮明になる。

「だめ!」

 キローネの体を、力ずくで押さえつけた。

「頑張って。お願い、頑張って……キローネ!」

 シュイは歯を食い縛った。

 唇が切れる。その痛みで意識を保ち、何度も励ましの言葉をかける。

 夜が……長い夜が更(ふ)ける。

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