12
「ちょっ、勝手に挨拶しないで!!」
「銀河くんは文奈のボーイフレンドじゃないの?」
「違います!!」
星男が勢いよく否定した。
「そうなの…それは残念ね」
母が落胆する。
「文奈さんはボクの嫁です」
「ええーっ!! もうそんなところまで!!」
「だから違うって言ってるでしょーーっ!!」
文奈の叫び。
「そうなの?」
母が首を傾げる。
「違うに決まってるでしょ!!」
「まあ、それなら一安心ね。文奈、まだ結婚は早いわよ!!」
「銀河くんが勝手に言ってるだけなの!!」
「はいはい、分かったわよ。銀河くん、晩ご飯食べていくでしょ? 今日、カレーなの。作り過ぎちゃったから、丁度良かったわ」
母が銀河の両手を取って、家の中へと引っ張っていく。
「ちょっと、ママ!!」
家に上がる際に脱げ、ひっくり返った星男の靴を揃えながら文奈が怒る。
しかし、そんなことなどお構いなしの母は星男を居間のソファーに座らせた。
「お父さんが帰ってくるまで少し時間があるけど、お腹空いてない?」
「はい。おパパ様を待ちます、おママ様」
「何故、急に呼び方を変える!?」と文奈。
「わ!! おママ様なんて!」
母の顔がポッと赤く染まる。
「嬉しいわ!!」
文奈が星男の横に、さっと座る。
「銀河くん! 本当に家に住むつもりなの!?」
「はい!!」
「元気よく言ってもダメだよ!!」
母が2人の前のテーブルにジュースが入ったコップを出す。
「はい。銀河くん、どうぞ」
「ありがとうございます!!」
「ちょっとー!! ヤダー!! 帰ってよ、銀河くん!!」
文奈が星男に掴みかかる。
びくともしない星男。
「いやです。ボクは嫁と住みます!」
「もーーっ!!」
「まあ、とっても仲が良いこと」
ニコニコと母が笑った。
「2人とも好きで好きで仕方ないのね」
「どこが!? 何でそうなるの!?」
「はい!! ボクは嫁が大好きです!!」
「すごく積極的ね! 銀河くんはもしかして帰国子女なの!?」
「はい!! そんな感じです!!」
「もう、ヤダーーーーっ!!」
「ただいまー」
文奈の父が家に入ると、すごい速さで文奈の母が玄関まで走り出てきた。
その様子に父がギョッとなる。




