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闇の領域

「その方か。」

零を見たウドラ伯爵が言った。


「はい。ウドラ伯爵、勝手に領域に入ってすみません。」

零が言った。


「構わぬ。しかし、帰れぬぞ。」

ウドラ伯爵が笑いながら言い、手の平に黒い炎を作った。


「クノスバ!」

魔導士クノスバが闇の中から零の前に現れた。


魔導士クノスバは結界を張って零と自身を囲んだ。


ウドラ伯爵の黒い炎はその手から零と魔導士クノスバに放たれた。


黒い炎は魔導士クノスバの結界を包んでジリジリと焼け続けた。


時間をかけて零と魔導士クノスバを焼き尽くし無と化した。


「…変だ。」

ウドラ伯爵が呟いた。


ウドラ伯爵が周りを見ると100万の棺桶が全て消えていた。


「あれ?」

無限の闇の空間に1人取り残されたウドラ伯爵が首を傾げた。


エルフ王宮の門前。


零達が粒子の転移で現れた。


「ちょっと、あの黒い炎は何?」

カタリナが零に聞いた。


「え、あれは正確には炎ではなく、物を無に変える魔力の塊です。危なかったです。」

零が苦笑いで答えた。


「無にする炎…」

クラリッサが呟いた。


「後でウドラ伯爵に謝りに行かないと。」

零が苦笑いした。


零は門前の衛兵に声をかけた。

「ウライア王国の零と言います。ルナーベル女王にお会いしたいのですが。」


零達はエルフ王宮の謁見の間に通された。


「零国王。お越しいただいて心強い。今兵を集めております。1週間後にはバンパイア掃討に向けて出陣できます。」

ルナーベル女王が満面の笑みで言った。


「あ、あ〜、そうなんですか。バンパイアは100万体全員救出しました。」

零が申し訳なさそうに言った。


「え?」

ルナーベル女王が固まった。


「さっきウドラ伯爵の領域に行って来て、救出してきました。」

零が言った。


「ウドラ伯爵の!?伯爵を倒したのですか?」

ルナーベル女王が聞いた。


「いえ、ウドラ伯爵を倒すなんて無理ですよ。100万体を救出するまで時間を稼いで逃げ帰りました。」

零は苦笑いした。


「逃げ帰った…」

ルナーベル女王が呟いた。


「はい。…ルナーベル女王、護衛の方と一緒に来てください。」

零が言った。


零は謁見の間に粒子で扉を作ってそれを開けた。


中は粒子の領域で応接部屋のようになっていた。


「ここは?」

ルナーベル女王と護衛騎士が入室して聞いた。


「お座り下さい。」

零が言った。


零は別の扉を開けた。


そこからエルフ王ラーベラルが入って来た。


「あなた!」

ルナーベル女王が歓喜の声で言って立ち上がった。


「ラーベラル国王!」

護衛騎士の2人が叫んだ。


「ルナーベル!お前達!」

エルフ王ラーベラルも歓喜の声を上げた。


「よろしければここでこれからの事をお話しください。終わったら呼んでください。」

零が言った。


零達はそのまま豪華な収監部屋に行った。


「ウドラ伯爵、色々とすみませんでした。」

零が苦笑いで言った。


ウドラ伯爵は悪魔エレオノーラと楽しそうに話していた。


「ふむ。やはり生きておるか。世の領域に勝手に入りおって。」

ウドラ伯爵が苦笑いで言った。


「領域…闇の神の領域ですか。」

悪魔エレオノーラが驚いて聞いた。


成竜達も驚いて零を見た。


「ふむ。これ見よがしに精霊魔導具を世に見せていたと思ったら、罠であったわ。我が君、闇の神の領域に入り込むとは。小賢しい奴め。」

ウドラ伯爵が言った。


「ウドラ伯爵が僕の芝居にお付き合いくださったので。領域でも手を抜いて頂きました。おかげで逃げる事が出来ました。」

零が笑顔で言った。


「ははは、まったく楽しませてくれる奴じゃ。世の100万の眷属を取っていきおって。」

ウドラ伯爵が笑った。


「100万!?」

悪魔エレオノーラが驚いた。


成竜達も驚いた。


「はい。皆元に戻そうと思います。」

零が言った。


土日祝日は11時と19時に、平日は7時と19時に、1日2回投稿公開予定です。


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