森の深域
零はグランバルト王国の学園で3年生になった。
零が2年生の時の武術大会をウライア王国の業務を理由に辞退した。
武術大会はイザベラ王女が全ての対戦相手を圧倒して優勝した。
決勝にはグランバルト王国の王族とイタリウス帝国の皇帝ゼノヒィスと第一王女エルサナと第二王子ネイラルが観覧した。
イザベラ王女の優勝でシルビア王女と帝国第一王女エルサナは大喜びした。
3年生になった零は形式的に風紀委員長になった。
しかし悪魔グローリのグランバルト王家への嫌がらせが無くなり、学園内で問題が起こりそうになったら悪魔グローリが状態異常魔法で解決してしまうので、風紀委員の仕事は無くなった。
そんなある日。
『零様。妖精どもが零様を呼んでおります。』
魔物の森の深域の牙狼族副族長ザッハから念話があった。
『妖精?わかった。ありがとう。』
零は念話で返した。
『妖精共が零様に話しかけるなんて、何でしょうか?』
リラが念話で伝えた。
『あ奴らはうるさいですから。放っておきましょう。』
フェスが念話した。
『ははは。僕を名指ししてるんだから。とりあえず行ってみようか。』
零がフェスとリラに念話した。
「あの〜、セレスティアさん。僕達ちょっと行かなくちゃいけない所があって。」
零が様子を伺いながら言った。
「はい。わかりました。何処へ行かれるのですか。」
セレスティアが聞いた。
「はぁ、森の方に。」
零が答えた。
「また魔物でも出ましたか。わかりました。では行きましょう。」
セレスティアが言った。
「あ〜あの〜ちょっと、僕達だけで行こうかと。」
零が言いにくそうにした。
セレスティアは首を傾げた。
「じゃ、行って来ます。」
零が言って行こうとした。
「お待ち下さい!私とカタリナは零殿の護衛です。零殿達だけで行かせたとなると、国王の命令に背いた事になります。」
セレスティアが言った。
「ちょっと森の深い所に行くので、何かと危険な事になるので。」
零は言った。
「構いませぬ。我ら近衛騎士は任務に命をかけています。お連れ下さい。」
セレスティアは必死の顔で言った。
零は困った顔をした。
「構わぬではありませんか。」
フェスが言った。
「え、いいの?」
零が言った。
「はい。零様が隠しておられたので、私も隠していましたが、別に構わないかと。」
リラも言った。
「どうせこ奴らが知った所で何も出来はしません。」
フェスが言った。
「うん。じゃ、一緒に行きましょうか。あの、くれぐれも気をつけてください。」
零が言った。
「はい。わかりました。」
「わかってるわよ。」
セレスティアとカタリナが言った。
「じゃ行きます。」
零は言って皆と粒子で魔物の森の深域に転移した。
零達は牙狼族の集落に現れた。
「零様だ〜」
「零様が戻られた!」
「人族を連れておられる。」
「今日は人族の肉が喰えるぞ〜」
牙狼達は口々に言って喜んだ。
「零殿!こ、これは!?」
セレスティアは剣を抜いて構えた。
「あ〜、皆、この人達は獲物ではありません。食べたらダメです。」
零が言った。
「何だ!?人族の剣士、俺とやる気か?」
「いや、俺が相手する。」
牙狼族の獣人達が口々に嬉しそうに言った。
セレスティアが鑑定魔法で見たら、レベルAやBがいて、打ち込む隙がまったくない。
「食べたらダメだ。こいつは主の護衛だ。」
フェスが言った。
「フェス様、こっちは食べていい奴ですか?」
獣人の1人かカタリナを見て聞いた。
「そいつは喰うな。腹を壊す。」
フェスが言った。
「な、何よそれ!壊さないわよ!」
カタリナが言った。
「壊さんのか?」
獣人の1人が聞いた。
「あ、いや、壊すわよ。」
カタリナが慌てて苦笑いで答えた。
「零殿、ご説明ください。」
セレスティアが剣を構えたまま言った。
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