3. この常識での休日
激務の仕事を乗り越え、多様で複雑で、はっきり言ってどうでもいい人間関係を乗り越えて、ようやくたどり着いた、ここ最近の週末の風景。
........っっっ!はっ...!?...?
ひどい動悸で目が覚める...
早朝出勤っっ...!?
?
...?
..?
...いや....、違う...。
早出ではなかったはず.....。
はぁ、出勤かぁ...。
...暗い。
というか今何時?
時計時計、見えない、電気電気....
パッ!
うっ...明るっ......、まだ4時だ....早っ
つかつか、まって、
今日、日曜日やん....
あー、もうやだやだ。
心臓に悪い〜....
この変な動悸...、寿命縮んじゃうっつーの。
...寝よ。
...
......
.........
寝れぬ...
結局こんな感じで、休日の朝が始まる...
早起きできたから三文の得なのかなーとか思いつつ、
もそもそと起き上がり、猫のごはんと、トイレの片付けをする。
ひとしきり猫のお世話をしたら、ソファへどかっと。
なんだかテレビでやっている釣り番組を観ながら、
コーヒーを飲みつつ、パンを食べる。
ありふれた?日常。
....
今日はどこかへ行こうかなーと、起ききっていない頭でぼんやり漫然と考える。
視界には入りつつも、見ながら観ていないテレビを流し見し続けて、気づけば、9時。
あわわ、どうしようかなぁと、心はあせる。
そう思いながらも、お尻はソファに根が張ったかのように持ち上がらず。
なんの行動も起こせずに時計を見ればもう11時。
もうダメだ、おしまいだーと、心が折れて、
気づけば空いたレモンサワーの缶と、気絶してる私。
世界は綺麗な夕焼け色。
私の心は夢のよう...
そう、これは夢だったんだ、
日曜日というお休みがもらえた夢?
なんて、どうでも良いことを思いながら、テレビから聴こえてくるのは、てっててててててってってー×2
あふん、もうこんな時間ですか、そうですか。
また無意に時間を溶かしてしまった...
もうここまでくると、なす術もない。
あとはサ◯エさんを見て、
ゴールデンタイムのテレビを流し見したら、今日は終わる。
もう詰んでます。
最近記憶が残んないなーなんて思ってたけど、楽しいことなんてなんもしてないから、残るわけないよね。
って、この今考えてることだって、どうせ後になったら忘れて、記憶にも残りはしないんだろうねー。
あー、仕事してる時にはあんなに計画立てて行きたいところだらけなのになぁ。
「ほんっとポンコツだなぁ、あたし。」
自分に悪態をつき、残りの時間も溶かし終える。
文乃「あはは....、もう世界にも愛想尽かされてる気分だよ。」
特に満足感もなく、それどころか気分を落ち込ませ、謎の疲れを生み出して眠りにつく....
そして、仕事という戦場へと戻っていく...。
足取りは重く、心も重く...。
それでも、か細い責任感に縋りつき、漠然と、必死に、どちらが前とも分からずに、文乃は歩んで行く。
それしかなかった...。
体にも心にも活力の無い文乃は、せっかくの休日も無為に過ごしてしまう。
予定を立てれば雨が降り、立てなければ無為に過ぎてゆく。
もう自分を包む何もかもが、自分を否定しているようにさえ感じてしまっていた...。