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精霊武舞  作者: かなめ ちま
商人になろう
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開店準備

 「さて、忙しくなるよ。わかばちゃん、ふわまろ。」

 「へ? 商品なんて、1日あれば大丈夫やろ?」

 「売り物は1日で作れても、屋台はどうするの?」

 「ああ・・・。中古屋でも見るか?」

 「わかばちゃんはどうしたい?」

 わかばちゃんを見るとふわまろの腕の中で眠っていた。

 「眠ってる。」


 僕の言葉に、ふわまろが苦笑した。

 「まあ、ベリー採取で力つこうて眠いんやろ。」

 「瓶も作ったしね。」

 僕もちょっと疲れているけど、早目に準備を完了したい。


 「中古の屋台って売ってるの?」

 「今から新品を発注しても来週の風曜日にはまにあわへんよ。」

 それも、そうだ。


 「新品は売ってないの?」

 「受注生産やから無理やと思うよ。」

 ああ、僕は広場を見渡した。同じ屋台が1つもない。

 「そうだね、言われてみれば完全オーダーかも。じゃあ、ふわまろ、中古屋さんに案内して。」

 「ああ、こっちや。」

 ふわまろの後について、しばらく歩くと職人街のような箇所に来た。


 「なんか木の良いにおいがする。」

 「家具屋もあるし、木工細工屋もあるからな。」

 キョロキョロあたりを見渡しながら歩いていると、本当にいろんな工房がある。


 「ああ、あそこや。」

 ふわまろが指差す先に、屋台が置いてある店があった。


 「・・・結構、中古屋台ってあるんだね。」

 「まあ、商売は厳しいちゅうことやな。」

 成程、思ったより売り上げが出なくて廃業した屋台とかもあるんだ。

 でも、それって縁起がわるいんじゃない?


 「ちわー。」

 中古屋さんに近づくと、僕達が屋台に興味を持ったと思った店員さんが僕たちに声を掛けた。


 「こんにちは、屋台を探しているんですけど。」

 「はい、色々な種類を取り揃えてますよ。変更も可能です。」


 成程、大体のイメージを決めてから細部をモデルチェンジ可能というわけですな。

 「来週から広場の端っこで果実水を売る屋台を始めるんやけど、丁度いい屋台ってあります?」

 「ほう、旦那さんもう権利は買ったんですか?」

 「ええ、来週の風曜日から営業します。」

 だ、旦那さんだって。ふわまろずいぶん年上に思われてるよ。

 僕が思わずニマニマしてたら、店員さんが僕に向かって話しかけた。

 「奥さんは、どういった屋台が好みですか?」

 へ? 奥さん? 僕が目を白黒させていたら、目の端にふわまろが笑いをこらえている姿が映った。


 「奥さんじゃありません、単なるパーティ仲間です。」

 僕の声がワントーン低くなったのは、しょうがないと思うの。


 「これは、すみません。」

 店員さんがあわてて謝るから、愛想笑いでごまかした。


 「うちら、3人で屋台をやる予定なんやけど、扱いやすい屋台ってあります?」

 「はい、それでしたらこちらの屋台がお勧めです。」

 店員さんが進める屋台を幾つか見せてもらう。

 基本はどれも変わらないけど、オプション設備が売る品物によって違うらしい。


 お勧めの中に、とっても年季が入っている屋台があるが、値段があんまり変わらない。

 「この屋台はどうして、もっと新しい屋台と値段が変わらないんですか?」

 「ああ、その屋台は、『幸運の屋台』って呼ばれていましてね。この屋台で修行すると店を持てるって有名な屋台なんです。」

 『幸運の屋台』って何だよとか思いながら、ふわまろを見ると真面目な顔をしていた。


 「ふわまろ、どうしたの?」

 「ああ、これがええんちゃう?」

 「え? ふわまろも商人になりたかったの?」 

 「ちゃうちゃう、この屋台の木材ええもんつかってるし。」

 店員さんは、ニコニコしながら僕らのやり取りを聞いていた。


 「これやったら、そのまま使えるやろし。」

 「そうですね、小物で結構屋台の雰囲気が変わりますからね。」

 「小物でお勧めの店はありますか?」

 珍しいふわまろの真剣な顔に、僕は驚きながらも店員さんに聞いてみた。


 店員さんは、1枚のチラシを持って来て丸を付けながら説明してくれた。

 みんな、この職人街にある店でお勧めらしい。

 小物は、わかばちゃんが起きている時に来たいな。


 やっぱり、ふわまろは、『幸運の屋台』を購入した。

 来週まで預かってくれるらしいので、僕たちは一旦宿に戻って必要な小物を書きだすことにした。 



 

すみません、遅れました。

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