第二十七話 使節団
ダンテには次元の扉貰ったことを言っておこう。
そう思ってダンテにチャットを繋げる。
『...スグルか。昨日ぶりやな』
『正確には今日ぶりだけどな』
『細かいことはええっちゅうねん。それで、なんか用か?』
『祝勝会で今から準備するとか言ってただろ。向こうに行くために俺の次元の鍵がないと無理って話だったけどイベントの報酬に都合よく次元の扉って物があったから俺がいなくても向こうに行けるようになるぞ』
『マジかいな。早速ですまんのやけどもって来てくれへんか?』
『わかった』
なんか最近ダンテに会うことが多い気がする。
会いにいくついでに鉱山のことも言っておくほうがいいかもしれない。
鉱山で取れるものも結構重要な金策に繋がるだろう。
と、そうしているうちにダンテの商館についた。
ダンテの商館の中は最初とは違い既に商品が多数並べてある。
他の店とは違いどこかに突出しているのではなく、食材や素材、消費アイテムに武器防具など幅広く取り揃えているようだ。
人もそれなりに入っており、店員がそれぞれ対応している。
俺は店内を通り、迷いなく二階の事務室に歩いて行く。
そろそろこの商館を宿代わりにするのもどうかと思う。
撤去して違う所に……と思うが、向こうのフィールドに作って貰ったら良いだけか。
そのこともダンテに頼んでおくとするか。
コンコン
とドアをノックすると中から「入り」と短く声が聞こえる。
中に入ると書類を片手に顔を上げたダンテがいた。
「さっき話したし挨拶はいいやろ。とりあえずそこ座り」
「ああ」
近くにあったソファに座ると紅茶を淹れてくれる。
「で、早速やけどその次元の扉ってのはどこでも設置可能なんか?」
「一度設置したらその場所に固定化されるけどな。それに向こうのフィールドのどこに繋げるかも俺が言ったことのある場所なら設定できる」
「幾つ使うべきやろ?」
質問に少し考えてから答える。
「今使うべき場所は多くても二つくらいだろうな。一つ目は勿論建築家なんかが向かう国の基盤になる草原、もう一つはダンジョンに繋いだら良いんじゃね?」
「そやな。ただ今はダンジョンはええわ。まだ鉱石の販売ルートを確立させてないからな。あと1週間ほどで作る予定やからその時に置くことにしよか」
「あ、鉱石で思い出したんだけど俺イベントの報酬で鉱山の設置も出来るようになった」
「…はぁ?てかマジか。そんな事もできんのか。ちなみにそこで取れる鉱石はなんなん?」
「それが説明を見てもよくわからないんだよな。取り敢えず明日にでも設置しに行こうと思ってる。あ、これは向こうのフィールドの地図な」
ダンテにこれまで歩いて作った地図を渡す。
「サンキュ。じゃあこっちも明日の予定はあけとくわ」
「オッケー。10時ごろにまたここに来るわ。それとそろそろ俺も居候は悪いと思うから出て行こうと思ってるんだけど向こうのフィールドに適当でいいから家作っといてくれ」
「わかった」
これで明日の予定は埋まった。
おろ?リーシェさんからメッセージが入っている。
何やら用事があるんだとか。
まあとりあえず行ってみるか。
今更感がある事を一つ。
フォーチュンでは珍しいことにNPCにもメニュー機能が使えるようになっている。
と行ってもプレイヤーたちのログアウトなんかの機能は除外されたものだが。
どうやらこの世界の認識としては神が与えた加護によるものらしい。
だから先ほどもNPC、この世界の住人であるリーシェさんからメッセージが受け取ることができた。
と、リーシェのアイテム屋についた。
いつも通り誰も近づいてないようだ。
ギィっと音を立てながら扉を開けるとデフォルトのリーシェさん机に突っ伏して寝ている図ができていた。
「ギルマス起きて下さい」
「……んにゃ。おお、少年。来るのが遅いからついつい寝てしまったぞ」
「サラリと俺のせいにしないでくれませんかね。で、今日は何の用ですか?これまで呼び出されるようなことはなかったですけど」
ついつい及び腰に聞いてしまう。
「そんな警戒しなくても大丈夫さ。今日の用事は2つあるんだけどね。取り敢えず中で話そうじゃないか」
リーシェさんはそう言って下のギルドホールに向かい、それの後に着いて行く。
「そういえば前に霧のウルフを従えたんだってね」
「対等な感じにしたいんですが。なんか主君とか言って慕ってきてるしこっちも嬉しいんで」
「うんうん。私としては微笑ましいことなんだけどちょっと問題があってね」
「…それは今日の呼び出しに関することですか?」
「うーん、ちょっと擦れてる感じかな。直接といえばそうなるし間接といってもまかり通る」
「曖昧ですね」
「そう言わないで。と、着いたね。無駄に廊下が長いから嫌いだよ」
話し込んでる間にギルドホールに着いたようだ。中には相変わらず人がほとんどいない。
「こっちこっち。あ、マスター私は度が弱いオススメよろしく〜」
「まだ昼だってのに酒ですか……」
「飲まなきゃやってられないよ〜って事で少年もどうだい?」
「昨日たくさん飲んだので今日は遠慮しとくわ。マスター、水をお願いします」
既にホール内の一角にあるバーカウンターに腰掛けていたリーシェさんの元に向かい互いに座る。
「で、今日は何の話ですか?」
「焦る男はモテないぞ☆」
「あんたに言われるととてもムカつく」
「じゃあ空気もあったかくなってきた事でまずは1つ目。少年が前に持ってきた玉鋼、とか言った鉱石があったでしょ?それをアオイちゃんがとっても欲しがっていてね。アオイちゃんが来てるから後であげてくれると嬉しいな」
「そんな事ですか。と言うかアオイさんが近くに来てるんですか?」
「まあ、別に機密って訳でもないしね。後で会わせたげるよ」
「それはありがとうございます」
「じゃ、かるーい方が終わったから次の話ね。使節団に参加しない?」
うむ。さっぱりわからん
特に書くあとがき無し!
...大丈夫だよね




