意地で無理に続けてもひどい目にあうだけ
上上手取は、青空のまぶしい街角 が舞台で『雨』が出てくるバトルする話を2000文字以内で書いてみましょう。持ち時間は一時間。
とある祝日、青空のまぶしい晴れ渡った空の下、とある街角でその催しは行われたいた。
「さ~あ、和瓦市主催! お前はどこまで食べられる? 食ってみせろや大食い大会がまもなく開催されようとしています。司会は私、田辺と解説は大宮でお送りしていきます。さてこの大会どうみますか大宮さん」
「え~そうですね。まず特筆すべきは早食いではなく大食い大会だということでしょうか。どれだけ早く食べても採点には影響されないということですね。ただ早く食べればその分頭からお腹いっぱいになった~という信号が伝わるのが遅くなりますからゆっくり食べるほうが有利というわけではないです。要するにバランスの問題ですね」
「ありがとうございます。本大会は3つのセクションに分けて行われます。まずはじめに和瓦市名物の”ニギだんご”をいくつ食べられるかというのを競います」
「これは結構ボリュームありますからね。だいたい大人の握りこぶしくらいですか」
「はい、そのとおりです。これをたくさん食べた順にポイントが入り最終的にポイントをたくさん手にした人が勝利というわけです」
「ペース配分も大事ということですね」
「まったくです。そして続いては”勝つおむすび”になります」
「勝つおむすびですか? 中にはなにが入ってるんですか?」
「カツオです。カツオの入ったおむすびつまり勝つおむすびです」
「ダジャレじゃないですか」
「そう言わないでください。これも和瓦市の名物で熱々のお茶でほぐして食べるのが通の食べ方です。この勝つおむすびが二回戦の食材です。そして三回戦」
「さてなにが来るんでしょうか」
「三回戦、つまり最終戦は”瓦焼き”になります」
「え? 瓦焼きってまさか瓦を食べさせるわけじゃないでしょうね」
「当たり前です。瓦焼きとはB5サイズほどの特大の焼き菓子です。クッキーみたいなものですね。ただ歯ごたえはかなりあり挑戦者はかなり手こずらされるはずです」
「挑戦者の皆さんにはぜひ頑張ってもらいたいですね」
「はい。あ、そろそろ時間になってまいりました。お前はどこまで食べられる? 食ってみせろや大食い大会! もうまもなく開催です。皆様、どうぞご覧になっていってください」
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街角に作られた特設会場はすでに満員で場外からも中の様子をうかがおうとする人々が見える。
そして大食い大会が始まった。司会者によって次々と紹介され壇上に上がる8人の猛者たち。その中でもひときわ異彩を放つのが赤と黒のコスチュームを纏った男と全身を緑一色に統一した男だ。他の参加者がちょっとおめかしした程度なのに対しこの二人の装いはまさに正装。……といえば聞こえばいいがぶっちゃけコスプレそのものである。
二人は参加者紹介の途中だというにも関わらずひとしきり罵り合うとお互いに顔を背けあった。あまりの出来事に静まり返る会場。しかし司会者の機転によってその場は切り抜けられ一回戦が始まった。
一回戦は赤と黒の男がぶっちぎりで一位を取った。そしてそれに対抗するかのように緑一色の男が二回戦でトップを取る。予想だにしなかった白熱した戦いに観客や司会者も大いにヒートアップ。勝敗の行方は三回戦に持ち越しかと思われたその時、雲ひとつなかった空があっという間に黒雲に覆われ空から大粒の雨が会場に降り注いだ。
「残念ながらこの雨では続けられません。今回の催しは中止となります。申し訳ありません。皆様気をつけてお帰りに……」
司会者が大会終了のアナウンスを流す。しかし、そんなことでは止まらない男たちがいた!
係員が止めるのも聞かず瓦焼きを貪る二人の男たち。
「おお、御覧ください、二人の気勢を! あの二人はこの雨の中続けるつもりのようです!」
そのアナウンスに惹かれ歩みを止める観客たち。
会場に残された二人だけの静かなけれども熱い戦いは続きそして……
「そこまでです! 二人の行動には私胸を打たれました! この大会の優勝者を発表します! 一回戦二回戦ともに二位を獲得した……」
その発表に唖然とする壇上の二人。
「あ、ちなみにお二人には無効試合のはずの三回戦で食べた分の請求書を回させていただきますのでご了承ください」
それが追い打ちとなって二人はその場に崩れ落ちた。
後には会場からの盛大な笑い声が鳴り響くのであった。




