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花束の出会い

上上手取は、静寂に包まれた街角 が舞台で『花束』が出てくるご飯を食べる話を2500文字以内で。持ち時間は一時間。

 おにぎりおにぎり取り出しましてっと。


 かばんの中からお茶の入った水筒と銀紙に包まれたおにぎりを三個取り出す。まだ朝も早いせいかいつも街角も騒がしさはなりをひそめている。


 備え付けられたベンチに座り込み俺は朝食代わりのおにぎりにかぶりついた。具はそれぞれ梅干し、昆布、鮭とオーソドックスなものだ。もぐもぐと程よい塩味を楽しんでいると純白のドレス姿の女の人が駆けてきた。


「そこの人、どうかこれを受け取ってください」


 そう言ってて渡されたのは小ぶりの花束、って言うかこれブーケじゃね?


「見つけたわ! あっちよ!」


 遠くからそう叫ぶ女の声が聞こえる。え? なに、このドレスの人は追われているの? そんな疑問を他所にドレスの人は説明を始めた。


「このブーケは伝説のブーケと言って受け取った人間は必ず結婚するという半ば呪いのような品物です。いま、このブーケを狙ってたくさんの女の人がこの街に押し寄せています。私はもう逃げられません。だからあなたに託します。どうか幸せになれる相手を見つけてくださいね」


 なんかとんでもないこと言い出した。そう言い終わってドレスの人が倒れこむと同時にドドドと地響きを立てて何かが俺の元へとやってくる。あれはなんだ? 女の集団だ! 20,30…50人はいるぞ。


「「ブーケをよこしなさいぃぃぃ!!!」」


 その地の底からひねり出したような叫び声に俺はその場を逃げ出した。


――――――――


 パクパクと、残りのおにぎりを平らげる。……行ったか? 木の上に潜んでいた俺は街角を見下ろし人がいないことを確認して木から降りた。


 ブーケはとりあえず鞄の中に入れて見つからないようにしてある。しかし必ず結婚できるってこのブーケにそんな力があるのかね?


 そんなことを考えていたら唐突に背中に衝撃を受けた。


「あ、あああ、す、すみません」


 どうやら誰かにぶつかられたようだ。メガネを掛けたちょっと芋っぽい……って眼鏡がずれてるんだがこの子眼鏡を掛けなければむちゃくちゃ可愛くないか? ちょっとお茶にでも誘おうとしたら、


「すみません、すみません、本当にすみませんでした~!!」


 と言いながらものすごい勢いで俺から離れていく彼女。そしてお約束のように落し物が残されていた。


「ふむ、長門高校ね……」


 拾ったのは生徒手帳。そこには彼女の名前と通っている高校が記されていた。


「ま、明日の放課後にでも寄ってみるか」


 俺はそうつぶやいて家路についた。






薬の飲み忘れで不調でした。



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