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カタストロフ・ファンファーレ  作者: 竜蔵寺 佑


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第56話 休憩

「エニ、その統治しているどういう存在かわかるか?」


「このスライムでは、知れる情報は限りがあり情報が足りません。ですが、その存在がいると思われる場所把握することが出来ました。これから、そちらへ向けて今回は目的を絞り行動するべきかと」


「そうだね。皆はどう思う?」


「私もエニ姉ちゃんに賛成だよ。その統治している存在がどんな奴か知らないけれど、この未開地で文明があるだけでも知れて良かったね」


「うむ、そして、その王子を何故攫ったか聞かねばなるまい。それに、その王子をどう扱っているかが我々と敵対するかしないかの可否に繋がるでろう」


「ああ、二人ともその通りだ。まだ、未開地はスライムのおかげで地図に表示された範囲は広くなったけど、実際に俺たちが行ったわけじゃない。危険も相当にあると思う。だから、より慎重に警戒して進もうか」


 四人でエニと地図で確認し、行き先をその方角へ向けて行動を開始した。残念ながら、スライムの生息領域にはその統治者がいると思われる情報は記載されていない。つまり、スライムもその方角と場所は知ってはいるが、行ったことは無いということのようだ。少し距離を進んだとき、声がした。


「白錦!」


「ぬぅあッ!」


 刀の鈍い弾く金属音が大気へ木霊し霧散した。


「ぐちゃぐちゃ」


「コイツはなんだ?」


「ルー気をつけろ。コイツは強い」


 五メートルはあるだろう。魔獣だ。両手には斧と剣を握り締めている。口では何か肉らしくものを噛み砕く音が周囲へ不快な咀嚼を繰り返している。ルーが攻撃に入り、エニが援護する。


 白錦と俺も続く。このデカい魔獣が器用に両手の武器で四人の攻撃を受けつつも余裕を見せて笑みを浮かべていた。次の瞬間、白錦の一閃が剣を握る右腕を肩から切り飛ばした。


 そして、俺の斬撃とルーの斬撃が胴体を切断した。傷は深い。止めはエニが魔力弾を胴体に放ち、大きな風穴を魔獣に空けた。魔獣の表情はニタニタと笑っている。


「おいおい、コイツ、死なないのか」


「お兄ちゃん、コイツもしかすると……」


 次の瞬間、傷が無くなっており、腕も繋がっていた。有り得ない。再生とかそういう速度じゃない。今までの攻撃が無かったことにされたんだ。


「主、ルー下がって!」


 俺たちがエニの指示で下がろうとした瞬間、背後に魔獣が移動した。移動なんて速さじゃない。まるで、その場に瞬間移動したようだ。有り得るか。いや、事実起きている。両手から斧と剣が俺とルーを同時に捉えた。


 避ける? いや、無理だ。刀で受ける? この体勢からじゃ間に合わない。ルーの両手刀でも間に合わない。大地に斬撃の衝撃で大地が裂けた。


「い、生きている? ルー!」


「主、間に合った」


 エニが左片手で巨大な戦斧だけで斧と剣を同時に受け止めていた。そして、上段から白錦が魔獣を一刀両断して魔獣は倒れた。


「ルー!」


 ルーは気絶しているようだ。特別傷は無さそうだ。


「主君よ、我が見よう。うむ、衝撃波で頭も揺さぶられたようだ。この大地の巨大な裂け目、ルーは主君を庇ったのであろうが、迫撃において完全体勢を持つこの衣を突破するとは油断出来ぬな」


「ルーは助かるのか!」


「ああ、主君よ。安心せよ、問題は無い。ここに王城がから頂いた回復薬があるが故、回復し間もなく目を覚ますことであろう」


「主、ご無事で何より」


「白錦、エニ、ありがとう」


 俺はルーを抱きしめて、ルーの目が覚めるまでその場で休憩することにした。


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