第5話
●住宅街(夜)
神崎、暗い住宅街を散策する。
不安な面持ちで周囲を用心深く見回す。
神崎「この辺りに首狩り地蔵がいるらしいけど……」
神崎、前方に首狩り地蔵を発見する。
首狩り地蔵、道端に静かに立っている。
神崎「いた……!」
神崎、数珠を握って身構える。
神崎M「何かされる前に封印する!」
神崎、数珠を握った手からオーラの光球が放たれる。
光球、首狩り地蔵に命中するも、軽々と弾かれて消滅する。
神崎、予想外の結果に驚愕する。
神崎「えっ」
首狩り地蔵、小刻みに震え出す。
僅かに旋回し、首狩り地蔵が神崎の方を向く。
神崎M「何か来る――!」
神崎、反射的に屈む。
次の瞬間、見えない刃が放たれる。
見えない刃、神崎の掠めて彼女の後ろにある電信柱に切れ目を刻む。
神崎、振り返ってぞっとする。
神崎M「避けなきゃ首を切られてた……」
首狩り地蔵、地面をこすりながら自走し、神崎に接近する。
神崎、慌てて懐を探る。
神崎「来ないでッ!!」
神崎、文字がびっしりと書かれた白い布を投げ放つ。
布が首狩り地蔵に纏わりついて動きを阻害する。
首狩り地蔵、無理やり動こうとするが、布が軋みながらも縛り付ける。
神崎「これで一分くらいは持つはず……」
神崎、目を閉じてぶつぶつと呪文を唱える。
神崎、素早く跳びかかり、首狩り地蔵に両手を当てる。
神崎「破ッ!!」
神崎、手からオーラを解き放つ。
オーラを浴びた首狩り地蔵、動きを止めて端から砂になって崩れていく。
神崎、気が抜けて座り込む。
神崎「危なかった……結構強かった……」
神崎の背後で物音がする。
そこには別の首狩り地蔵がいた。
小刻みに震える首狩り地蔵は怒りを訴えている。
神崎「そ、そんな……もう一体!?」
後ずさる神崎、青い顔で焦る。
同じ分だけ首狩り地蔵が迫ってくる。
神崎M「ヤバい……霊力がもう残っていない……」
首狩り地蔵、神崎を攻撃しようとする。
その寸前、首狩り地蔵の背後で人影が動く。
落見「逃げるな」
首狩り地蔵、スレッジハンマーで殴られて大きく破損して転倒する。
首にお札を何重にも貼り付けた落見、スレッジハンマーを何度も振り下ろして追撃する。
神崎、驚いて声を上げる。
神崎「落見さんっ!?」
落見「またお前か」
落見、スレッジハンマーを捨てると、来た道を戻って闇に消える。
次に戻って来た時、その手には削岩機が握られていた。
落見、倒れた首狩り地蔵に削岩機を使い始める。
砕け散る首狩り地蔵、必死に見えない刃を放つ。
しかし、落見の首のお札が摩耗するだけで傷付けられない。
落見「無駄だ。俺には効かん」
削岩機によって首狩り地蔵が完全にバラバラとなる。
落見、神崎を見て尋ねる。
落見「大丈夫か」
神崎「ありがとうございます……また助けられちゃいましたね」
落見「気にするな。俺の目当てはこいつらだ」
落見、小瓶を取り出す。
その瞬間、文字がびっしり書かれた布が飛んでくると、落見の胴体に巻き付いて拘束する。
神崎M「これはまさか……!」
父「やはり現れたな」
神崎の父、怒ったような顔で現れる。
神崎「お父さん!?」
父「怪異狩りの落見、貴様を処刑する」
父、冷徹な雰囲気で落見に宣告する。




