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終章
その昔、蒼黎という武の国があった。
戦女神という勝利の女神を味方につけて建国したという伝説も残るその国には、とある逸話があった。
蒼黎国でも屈指の賢帝・ルオファン帝の時代。
戦が起こった時は必ず皇帝の隣に、一人の踊り子がいたと言う。
彼女はルオファン帝唯一の妻で、たいそう寵愛されていた。
右手には大きな金の扇を持ち、降りかかる矢から蒼黎国の兵を守りながら、彼女は戦場の空を自由に、軽やかに飛び回った。
その姿はまさしく美しい蝶のようで、敵兵は彼女に見惚れて戦意を忘れてしまったそうだ。
蒼黎国の民は、そんな彼女をこう呼んだ。
――――『戦線の踊り子』と。
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