第1話 スキル『エデンの園』
私、香月下雫は、エデンの園に転生したらしい。
そこは白い空間だった。
『私は死んだのか?』
だとしても、死ぬ以前の記憶は曖昧だ。
すると突然、
『スキルを一つ選べ』という声が頭の中で響いた。
頭?今の自分に頭があるのかは分からない。
何故なら、今の私は輪郭もない白い霧のようなものでしかなかったからだ。
そして、頭?の中で響く声が聞こえると、目の前に大きな透明なボードが現れた。
『スキルを選べ?』
疑問に思いながら目の前のボードを見ると、文字がびっしりと書き込まれている。
『聖剣覇斬』
『雷撃刺突』
『天命崩落』
『隕石乱撃』
『海嘯豪滅』
勇ましい響きを持つスキル名が並んでいる。
『どれも強そうだけど、これって、どれも戦いのスキルよね。ちょっと嫌だな。平和なスキルはないかな〜』
とにかく、よく分からないスキルを、下に下に辿っていくと、最後に『エデンの園』というスキルがあった。
これなら平和そうだ。これにしよう。
大層なスキルの名前にうんざりしていたので、この平和そうな名前にほっこりして、『エデンの園』というスキルを選んだ。
すると意識が遠のいて気を失った。
気が付くと草むらの中で倒れていた。
体を起こしてみると、手足が小さい。背も低い。自分の身体を見下ろすと、小さな女の子になっていた。
ここは、何処?と思って周囲を見回すと、自分から少し離れたところに薄っすらと光る壁のようなものがあり、それがぐるりと私の居る場所を取り囲んでいた。
『ようこそ、エデンの園へ』
また、頭の中で声が聞こえた。ただし、今度の声は可愛らしい声だ。
『私は、エデンの園のナビゲーターだよ。よろしくね。ここでの生活をサポートするためにプログラムされているよ』
私は、キョロキョロと周りを見回したが、周囲には誰もいない。
『私は声だけの存在だよ〜、とりあえず名前を付けて〜』と懐いてくるので、
「ナビゲーターだからナビ子?」
『ブ〜。そんな名前は嫌』
ナビ子は気に入らなかったようだ。
「う〜ん、それならナビーヌならどう?」
と聞くと、
『それなら許す』
気に入ってもらえたようだ。
「早速、ナビゲートしてよ」と急かすと、
『まず、ステータスと念じて』
ナビーヌに勧められて、『ステータス』と念じると、
目の前に透明なボードが現れた。
名前 イヴ
種族 人間
性別 女
年齢 13
クラス ー
レベル1
HP 1
MP 1
STR 1
DEF 1
VIT 1
AGI 1
DEX 1
INT 1
固有スキル エデンの園(2年間限定)
スキル ー
『何、これ?名前がイヴで、13歳?私の名前は・・・?あれ、名前が思い出せない・・・。歳も、もっと上、だったような・・・。そんなことより、これが私のステータス?見事にオール1なんですけど・・・』
と落ち込んでいると、ナビーヌが、
『オール1だよ。オール1。笑っちゃうよ〜』
と、ケタケタケタと笑い始めた。
「なんで、笑うのよ〜。あなた、私のナビゲーターなんでしょ。笑ってないで、何とかしてよ、私、ピンチなんだから」と怒ると、
『ごめん、ごめん。笑ったら、可哀想だよね、でも、心配しないで。私が、あなたを助けてあげるから。このナビーヌにまっかせなさ〜い』と偉そうな答えが返ってきた。
「じゃあ、どうすればいいの?」と訊ねると、
「このエデンの園にはね、レベルアップの実というものが実るのよ。それを1つ食べると、レベルが1アップするの。レベルアップの実は、1日に1個だけ実るから、それを毎日食べるといいわ。イヴは、ここで2年間暮らすことになるから、毎日、欠かさずにレベルアップの実を食べたら、1年が365日として、730もレベルアップするわよ。どう、役に立つでしょう私って」
「え〜、2年間も、ここに居なくちゃならないの?」
『ここで、2年間、しっかりとレベルアップして、スキルもたくさん身につけておかないと、エデンの園を出てから苦労することになるわよ』
「スキルを身につけるって、どうやって?」
「このエデンの園には、スキルの実というのも実るのよ。それも1日に1つだけ実るから、それも毎日、欠かさず食べてね』
「どんなスキルが身につくの?」
「スキルの実は、食べるまで、どんなスキルが身につくか分からないわよ〜。ランダムってやつね」
「それで、その実は、何処にあるの?」
『目の前の樹に、リンゴのような実があるでしょう。それがレベルアップの実よ。それと、別の樹に桃のような実があるでしょう。それがスキルの実よ。順番に食べてみて』
「リンゴの実って、嫌な予感がするんだけど。まさか、知恵の実で、それを食べたからってエデンを追い出されたりしないよね?だって、私の名前がイヴになっているし。旧約聖書みたいなことになったら嫌なんだけど」と聞き返すと、
『そんな心配はいらないわよ〜。このナビーヌを信じなさい』と胸を張っているように感じた。
そして、ナビーヌの言うことを信じて、リンゴに似た実を樹からもぎ取って、おそるおそる食べた。すると、口の中に甘い果汁が広がって、「美味しい」と思わず叫んでいた。
『美味しいでしょう。さあ、全部食べ切って』
ナビーヌに促されるまでもなく、あまりの美味しさに、一気に食べ切ってしまった。種も芯もなく、皮も実も美味しくいただきました。
食べ終わると、ピロリンと頭の中で音がした、これは、ラノベでよくある、レベルアップの音?
そう思ってステータスを見ると、レベルが2になり、各パラメーターも上がっていた。
「やった〜。やったよ〜、ナビーヌ。オール1でなくなったよ〜」と、思わず叫んでいた。
『それじゃあ、次は、スキルの実を食べてみようかな〜』
とナビーヌが勧めるので、今度は、桃に似た実をもぎ取って、ひと口食べた。
「美味しい」
スキルの実も、種も芯もなく、皮も実もきれいに食べ切った。
今度は、頭の中の音がしなかった。音がしないということは、スキルが身に付かなかったのかと不安になったが、
『さあ、さあ、どんなスキルが身に付いたか、確認して』
とナビーヌが急かすので、
「ピロリンという音がしなかったよ」と言うと、
『音が聞こえるのは、レベルアップのときだけだよ』
と教えてくれた。
「そうなんだ。よし、それじゃ、もう一度、ステータスオープン」
すると
スキル
鑑定Lv1
となっていた。
「やった〜。鑑定が身についたよ。ラノベだよね、全く」
と1人で騒いでいると、
『よかったね。これから、毎日、レベルアップの実とスキルの実を食べるんだよ』
とナビーヌ。
「ありがとう、ナビーヌ。みんな、ナビーヌのおかげだよ〜』
と、嬉し涙で顔がグチヤグチヤになった。
『それじゃ、イヴに、ここでの生活を説明するよ』
「はい。教えて下さい。ナビーヌ先生」
と勢いよく答えた。私のナビーヌに対する信頼はマックスになっていた。
『さっきも言ったけど、このエデンの園にイヴが居られるのは2年間だけ。向こうに、服の実やパンの実などもあるから、後で教えてあげるわ。このエデンの園は、今は半径10メートルしかないけれど、イヴがレベルアップしていくと、徐々に大きくなるわ。そして、ここには、イヴ以外は、何ものも入れない。イヴの脅威になるものは何も居ないわ。眠るのは、向こうで、キャンプの実があるから、そこで寝袋を取ればいいわ。イヴがレベルアップすれば、ログハウスの実や寝台の実なども実るようになるから、それまでは、少しの不便は辛抱ね」
こんな風に始まった『エデンの園』での生活。そこで、2年間を過ごした。
今の私は、レベル731になり、ステータスもそれに見合ったものになった。
名前 イヴ
種族 人間
性別 女
年齢 15
レベル 731
クラス ジェネシス
HP 7301
MP 7301
STR 731
DEF 731
VIT 731
AGI 731
DEX 731
INT 731
そしてスキルについては、730個のスキルを実を食べた結果、とんでもないスキル長者になっていた。
★参考資料
イヴのスキルの一部です。
【Unique】
エデンの園
【SSR】
イージスの盾Lv1
グングニルの槍Lv1
死者蘇生Lv1
分身Lv1
変身Lv1
超再生Lv1
【SR】
異言語理解Lv3
蘇生者支配Lv3
スキルドレイン(討伐時、接触時)Lv3
スキル付与(接触時)Lv3
転移Lv3
収納空間Lv3
空間斬Lv3
空間透視Lv3
精霊結界Lv3
魅了Lv3
洗脳Lv3
重力魔法Lv3
時空魔法Lv3
【R】
隠蔽Lv5
インビジブルLv5
経験値増加Lv5
成長加速Lv5
錬金術Lv5
思考加速Lv5
並列思考Lv5
魔力譲渡Lv5
魔法阻害Lv5
アローレインLv5
豪拳瞬蹴Lv5
皮膚筋肉硬化Lv5
エンゼルウィングLv5
催眠Lv5
聖魔法Lv5
召喚魔法Lv5
奴隷魔法Lv5
精霊魔法Lv5
【N】
鑑定Lv10
魔力回復Lv10
剣術Lv10
槍術Lv10
暗器術Lv10
投擲Lv10
盾術Lv10
弓術Lv10
視覚強化Lv10
聴覚強化Lv10
気配察知Lv10
危機感知Lv10
魔力感知Lv10
熱感知Lv10
隠密Lv10
身体強化Lv10
怪力Lv10
剛体Lv10
俊敏Lv10
縮地Lv10
飛翔Lv10
天駆Lv10
空歩Lv10
浮遊Lv10
威圧Lv10
火魔法Lv10
風魔法Lv10
水魔法Lv10
土魔法Lv10
光魔法Lv10
闇魔法Lv10
その他




